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概要

TYPE-MOON作品世界の日本に存在する、実戦派の法術師の家系。退魔の家系でもある。

両儀家の遠縁にあたり、西洋魔術の組織である魔術協会には属していない。表向きの顔はヤクザである。


豪族の流れを汲んでおり、拠点を置く山どころかその周辺すら私有地として治めている。外部から見える巨大な黒い屋敷すらもただの入り口にすぎず、山そのものが夜劫の家であり、いくつもの建物が内側にも建てられている。

この一帯は地図にもきちんと記載されておらず、土地の面積と歴史、法律を盾とした、ほとんど小国の国境と見紛うほどの結界である。


夜劫を含む日本独自の魔術は、時計塔螺旋館などのそれと違うものであり、最大の特徴は神の破片に接続していることである。彼らは古い神の破片である神體、正式には神臓鋳體と呼ばれるものを基点とし、これを劣化しないようにそれぞれ独自の方法で保存している。

現代の日本においては八つの神體が現存しており、夜劫の場合は黒櫃という呪物に「移植」するのが保存方法となる。


神の破片に接続するという性質上、規模こそ著しく減衰しているものの次元としては神代と同一であり、神代の魔術やの権能と同様に、ただそのようにあるもの。時計塔に所属する西洋魔術の術者にとってのイカサマが彼らにとっての当たり前であり、現代にありながら神代のように魔術を行使している。

このことから夜劫に所属する術者達は己の行使する技を「魔」の術とはあまり呼ばず、単に「行」と称する。


一方で、西洋魔術の術者達にとって手順を必要としない彼らの魔術はイカサマそのものだが、これは同時に逆も然りであるとされている。


夜劫の魔術は神のカケラを基点とすることで神代と同次元の神秘を行使することを可能としているが、これは言い換えれば様々な理由で現代という環境に適応できなくなった神代の魔術を無理矢理延命させているということでもある。

そして当の夜劫の術者達自身がそのことを自覚しているため、彼らは自分達を『時代に置いていかれた敗残者』、時計塔の魔術師を『魔術世界の貴族たち』と形容している。


日本の魔術組織では3番目の規模ではあるが、冬木市の近くに法術師はいなかったため、冬木のセカンドオーナーである遠坂凛は名前しか聞いたことがなかった。

時計塔ほどではないが政治や行政とコネがあるらしく、ある程度なら神秘関連の事件を胡麻化すことができるらしい。


魔術

前述したように彼らの魔術は神體(がんたい)、正式には神臓鋳體(しんぞういたい)と呼ばれる古い神の破片を基点とするものである。


この神の破片が現代においても残されてしまっているのは、もともと島国は神秘が漏れ出しにくいという特性があり、かつ日本の場合は星の中心でこそなかったものの、神秘の残留期間は5世紀まで神代の神秘が残っていたブリテン島をも凌ぐ程であったことに由来する。

これにより、日本では時計塔の西洋魔術や大陸東方における思想魔術とは異なる魔術体系が発展し、未だに(著しく規模は減衰したとはいえ)神代と同次元の魔術が根付いている、という状況になっているのである。


しかし同時に、古い神秘は現代では放置していると摩耗してしまうため、残された神體は特別な方法で保存する必要があった。家系によってその方法は異なるが、夜劫が行ったのは素質のある人間に、神の破片を移植するというものであり、この移植された人間を黒櫃(くろひつ)と呼ぶ。


この移植は段階を踏んで行われこそするもののかなりの危険を伴い、魔術刻印の移植などと同様に拒絶反応が発生する可能性がある他、そのまま死に至る可能性もある。


こうして保存された神體を基点とする魔術は当然ながら規模という面で神代の魔術には及ばないが、それを補うための方法もまた夜劫は確立している。


その一つが「術者全員をひとつのパスで結びつけ、全員でひとつの魔術回路を形成する」というもの。先述の通り夜劫の魔術は大陸東方の思想魔術とは別系統の魔術ではあるが、その影響は受けており、思想盤の共有・維持を行う彼らからひとつの物を『共有』するための技術が輸入されている。

その結果として生まれたのが、神様の共有(シェア)という方式である。神體を核としつつ、百人近い人々が千年もかけてひとつの山を工房としてきたことにより、その内部限定で強力な魔術行使を可能とする。


この威力上昇の幅は接続する人数に応じて増加し、人数に比例しての増加どころか指数関数的に膨れ上がることすらもあり得る。

数十人規模の実戦部隊で行使した時のそれは、遠坂凛が魔力を貯めこんだ宝石を使用する宝石魔術でようやく相殺できるほどの威力に達していた。


時計塔で言えば集団での簡易儀式に近いが、これほど即効で成立する集団魔術は殆どなく、むしろ聖堂教会の得意とするものに近いという。


また、千年にひとりの才能と称される夜劫雪信が行使するそれはサーヴァントの高速神言にも匹敵する絶技』とされ、敵の座標から直接術式が現出するために回避も防御も不可能、かつ発生した現象は水であれば鋼であろうと捻じ曲げるほどの威力を、火ならば耐火に優れた魔術師の肉体であっても骨まで焼くほどの火力を有する。


その他、夜劫の魔術は時計塔のそれとは『順序が違う』とされる。西洋魔術は複雑な魔術式により魔術を成立させるが、夜劫の魔術は『単にそういうもの』としてまず発動し、呪文の詠唱によって術式を後から強化するという実戦に特化する形で発達した。

このため時計塔の人間からすると、夜劫の魔術は戦いに特化されすぎていて違和感を感じるという。


退魔の家系として

夜劫は魔術師の家系ではあるが同時に退魔を司る家系のひとつでもあり、退魔の技も伝わっている。

一応、夜劫の魔術の中には相手を「魔」と定義して攻撃する魔術はあるものの、魔術は本質的に戦いに向いていない(対人間というだけなら軍用兵器を扱う方が効率がいい)ため、魔術師を含む「魔」の鏖殺のために研鑽されてきた技術は魔術とは別に存在し、その技術も継承しているのである。


ロード・エルメロイⅡ世の冒険では夜劫雪信が自己暗示によって肉体を戦闘用につくりかえるという、かつて両儀式荒耶宗蓮との戦闘で行ったものと同じものを行使した。


これに加え、夜劫雪信は500年ものの古刀である村正の一振りを有している。歴史を積み重ねた武器はそれだけで魔術に対抗する神秘となり、彼の持つそれも夜劫の拠点である山の結界ごと切り裂きかねないほどの業物だが、山に流れている川の水で研ぐことによって結界はその対象から外れている。

(余談として、かつて両儀式が使用した刀である兼定の一振りもまた、500年ものの古刀であるという共通点がある)


作中では近接戦においてグレイを圧倒し、援護として放たれる遠坂凛のガンドと宝石魔術を切り裂いて消滅させた他、エルゴに対し『一切の起こりなく、下段から虚空を斜めに断つ無念夢想の閃光(やいば)』と称される一撃を人知の外に位置するほどの速度で放っている。


なお、夜劫雪信は退魔の技を行使する際に蜘蛛を想起させる異形の構えを取っているが、夜劫の神體である神には蛇としての逸話、側面はあれど蜘蛛に関する逸話は特にない。

『TYPE-MOON BOOKS material』の用語集によればこの剣術は退魔四家から伝わったものとのことで、このことから夜劫は両儀以外の退魔四家とも遠縁であると推測される。


所属者・関係者

  • 夜劫朱音

夜劫家の当主。50代半ばの女性。


  • 夜劫雪信

夜劫の後継者と目されている男性。30代前半。


  • 夜劫アキラ

まだ性差がはっきりしない程の年齢の、中性的な印象の少女。


  • 夜劫メイ

アキラの姉。急死している。


  • 斗彫源馬

雪信の兄。現在は面打ち師。


  • 斑鳩

夜劫アキラの捜索のために末広町を3人1組の班で巡回していた魔術師達のリーダー。若頭と呼ばれている。

捜索中に白若瓏と交戦し、無力化された。


  • 伊妻

夜劫に所属する女性。現在でも夜劫雪信を「雪さん」と呼ぶ唯一の人間。視力をほとんど喪っているが、目の辺りに黒い布を巻いた面を被ることでより感覚を研ぎ澄ませている。

琵琶を奏でることで触媒の折紙を怪物達へと変貌させて使役する、陰陽道の式神と酷似した(別系統の)術の使い手。


親類である両儀家の婿養子。

夜劫で起きたとある事件の解決の為ロード・エルメロイⅡ世を紹介する。


親類である両儀家の当主。

夫である幹也が夜劫に関わることに反発して劇中は家出中。


関連タグ

TYPE-MOON ロード・エルメロイⅡ世の冒険

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