「悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印」とは、2008年10月23日に発売されたニンテンドーDS用ソフトのアクションRPG。
2024年に配信された『Castlevania Dominus Collection』に収録されている(switch/PS5/PC(steam)/XSX)。
概要
前作「ギャラリーオブラビリンス」で追加された設定により生まれた空白の100年を埋める物語。
シリーズの密かなお約束だった主人公に匹敵する女魔法使いを主役に据えた作品で、ベルモンドの血を引くヴァンパイアハンターは今作には登場しない。
タイトルに「悪魔城ドラキュラ」と付いているにもかかわらず、ゲーム開始時点では悪魔城もドラキュラも存在しておらず、場合によっては登場することなく終わることも。
シリーズ随一の異色作「ドラキュラⅡ呪いの封印」を彷彿させる要素も多く、シリーズの異端を詰め込んだ異端中の異端作と言える。
探索型の悪魔城ドラキュラの中では高難易度な作品でもある。
本作は公式サイトにかつてあった年表には掲載されてはいないが「Harmony of Despair」、「Grimoire of Souls」にて本作のキャラクターや物語が大きく関わってきていることから、本編世界観に含まれる可能性が高い。
シリーズファンからの評価は高かったものの流通が少なく、悪魔城ドラキュラHDなどの影響もあって、長らく中古でも高価で取引されていた。
初回出荷版のパッケージ裏面には「伝説の名作『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』が新たに生まれ変わる」と記載されているが、本作は『血の輪廻』とは特に関係なく、この文は誤植だったようで再出荷版では消されたが、『Castlevania Dominus Collection』のギャラリーには初回出荷版のパッケージが収録されている。
『Castlevania Dominus Collection』のギャラリーモードで何故かこの作品のみ しずもん4コマ漫画が収録されていなかったがアップデートで追加された。
ストーリー
研究序説──
中世の昔より幾度となく蘇り、人々を恐怖へと陥れてきた、魔王「ドラキュラ」。
その「ドラキュラ」が蘇るたび、聖なる鞭をふるい、人知れず戦い続けてきた「ベルモンド一族」。
彼らによって人間は闇を退け、繁栄を勝ち取ってきた。
だが十九世紀初頭、ベルモンド一族の消息が途切れる。
闇への抵抗力を失い、時の権力者達は「ドラキュラ」への新たな対抗手段を探り始めた。
特務機関「エクレシア」は対抗手段の一つとして生まれた。
志を同じくする多くの組織が作られ、日々研鑽を重ねていたが、そのどれもが満足な成果を上げられず解体されていった。
そんな中、ついに「エクレシア」の長バーロウは、ある成果に辿り着く。
万物に宿る力を術式変換し刻印化したという印術「グリフ」。
そして長年の研究の末、ドラキュラも滅ぼせるという究極のグリフ「ドミナス」を完成させたのである。
エクレシア所属の女戦士シャノアは、その担い手に選ばれ、ドミナス適合化の儀式を受けることとなったが、同僚アルバスの乱入で儀式は失敗しドミナスが奪われた。
シャノアは奪われたドミナスを取り戻すため、アルバスを追うのであった。
登場人物
本作の主人公。対ドラキュラ組織「エクレシア」の女戦士。
幼い頃、組織に拾われて、ドラキュラ滅殺の切り札として育てられた。
グリフを体に吸収することで瞬時に技を発動させる特殊能力を持つ。
ドラキュラに対抗できるグリフ「ドミナス」に適合するための儀式を受けている最中に、アルバスに乱入され儀式は失敗。結果として記憶と感情を失ってしまう。
「エクレシア」の主席研究員。
シャノア同様、幼い頃に組織に拾われて、ドミナス適合者として育てられた。頭脳を買われ、バーロウの研究助手を務める。
自分が選ばれるはずであったドミナスの担い手にシャノアが選ばれたことに激怒し、ドミナスを強奪して逃走する。
グリフの力を射出する魔銃アガーテを主武装とする他、蹴りを主体とする体術も使用する。
「エクレシア」創始者。
シャノアとアルバスの恩師。長年の研究の末、最強のグリフ『ドミナス』を生み出す。
シャノアにドミナスの奪還及びアルバスの連行という任務を与える。