原作版
紂王に神殿内にエロい詩を書かれたことに怒り、妲己三姉妹を派遣して殷商を滅ぼした張本人という設定。
しかし後で妲己三姉妹の悪業が見過ごせなくなったため、最終的には周側に参戦。三姉妹を捕まえて引き渡した。
安能版では、完全なる元凶とされている。申公豹いわく「ヒステリー女」。
性根もかなり歪んでおり、自分で命じておきながら、
色の道に達者でしかも男前な帝王という三拍子そろった紂王の寵愛を受けた妲己に露骨な嫉妬を見せ(「その時の目は、今思い出してもゾッとする」とは妲己の談)、
さらに楊戩に露骨に色目を使っていて、「梅山の七妖」の一角・水牛の金大将や妲己三姉妹を生け捕りにして引き渡したのも、
すべて彼の歓心を買い、あわよくば一夜を共にしようという下心ゆえであったとされる。
「偉い者ほど、ましてや、それが女であればなおのこと、事後処理は残忍非情で、爪を切るように、容赦なく手足を切り捨てる」とは妲己の弁。
ただし最終的にその妲己たちから盛大に罵倒された上に、
「おい女媧。怒ったらみっともない顔が、さらにみっともなくなったぞ。いい男の前では恥ずかしかろう。嫌われるぞ!」
などと本心まで暴かれた挙句、肝心の楊戩の前で嫉妬とヒステリーを爆発させ、彼から逃げられる羽目になった。
藤崎竜版
藤崎竜による漫画版ではラスボスになっており、外見もまるで人形のような奇怪な姿として描かれている。
以下、漫画内の根幹に関わるネタバレに注意
女媧、そしてかつての友人である伏羲は、異星人である。人形の姿は仮初であり、本当は頭の長いエイリアンの姿をしている。
女媧と伏羲他4人の仲間たちは地球到来後、滅んだ自らの文明を地球に再現しようとする女媧と地球と同化することを選んだ4人が対立し、女媧は永久氷壁へと封印。四人の始祖は地球の自然と一体化した。
しかし、魂魄だけで抜け出す術を身につけた女媧は、人間たちに知恵を授け、歴史を陰から操ることで「完全に」己の故郷の歴史を繰り返そうとし、失敗すれば宝貝「四宝剣」で文明を何度も完滅させ、そしてまた猿同然に戻った人類にもう一度英知を…ということを繰り返していた。そして物語の舞台である時代、歴史の箱庭を作り直すため、彼女たちの遺伝子を受け継ぐ子孫…仙人骨を持つ人々=道士を操り、再び中国大陸に文明を築き上げたのである。しかし、度重なる繰り返しは女媧の魂魄の疲弊を招き力を衰えさせ、逆に地球の生命は少しずつ力を増していった。
そして女媧に対抗できるだけの力を身に着けた頃合いを見計らい女媧の野望を阻止すべく、始祖の一人伏羲は王奕として崑崙山に接触、封神計画を打ち立てる。魂を二つに断たれていたものの、「善」の心である太公望、そして「悪」の心である王天君が合体したことにより復活。肉体を取り戻そうとする女媧は伏羲一派との最終決戦に向かう。しかし女媧の魂が肉体に戻る直前、妲己によって女媧の肉体は乗っ取られ女媧の魂は余波により抹消、「地球と融合する」という彼女の目的を果たし妲己諸共肉体も消え去った……かに思えた。
実は女媧は元から魂の一部を自身の肉体に残しており、更に始祖最強の存在である彼女はたとえ塵になろうが難なく再生ができた。そして封印が解かれ妲己の魂がなくなった以上、もはや彼女を抑えるものは何も無い。幾度となく邪魔をされ牙を向かれた女媧は完全に逆上、その全能力を発揮し地球を破壊して別の星で新たな繰り返しを行おうとするが、太極図によって道士、仙人、そして封神された神々の力を結集した伏羲によって滅ぼされ、最後は「もう一人は嫌だ」と涙を流して伏羲を伴い自爆を敢行する。
死を目前にした中、「お前の罪は人間に自分の存在を気づかせ争いに巻き込んだこと」「自由に憧れながら不自由に美徳を見出す彼らは、結局自分の支配からの脱却などどうでも良かった筈」「自分がいなくなればこの星の生命が幸福になるとでもいうのか」と指摘するも、「そんなの知ったことじゃない。ただ自分が気に入らなかったからそうしただけ」「未来のことまで責任は持てない。歴史の先はわしじゃない誰かが見ればいい」という伏義の反論を聞いて「人間たちの思いや歴史は彼ら自身から生じたものであってほしかった」と伏義の本心を悟り、すかさず返された天邪鬼な否定を笑いながら消滅した。
しかし伏羲は妲己に救われ、その後の世界を見守っていくこととなった。