女性漫画家ユニットCLAMPの初期作品で角川書店の「コミックGENKI」(月刊ニュータイプ別冊)に連載された。キングレコードからドラマCDも出された。音楽は渡辺宙明氏が担当。
あえて言うなれば、ディープな特ヲタであるCLAMPたちのシュミが爆裂している特撮(特にメタルヒーローシリーズ)パロのギャグ作品である。ただしキャラギミックはネタ要素爆裂だが、物語そのものにネタ要素はない。たぶん。
ちなみに本作単行本(ニュータイプ100%コミックス版)の「CLAMP新聞海賊版」(いわゆる「あとがき」ページ)では、各特撮キャラクターにコスプレしているちびキャラのCLAMPが拝める。(魔法少女ちゅうかなぱいぱい!な大川とか、有言実行三姉妹シュシュトリアンなもこな・猫井・五十嵐とか)
同作者作品による共通舞台のひとつとして知られる「CLAMP学園」を舞台にしており『CLAMP学園探偵団』『20面相におねがい!!』と共に「CLAMP学園三部作」のひとつに数えられる。
そのため、この三部作の他の作品に登場する主役やメインキャラが一部スピンイン登場している。
のち『CLAMP学園探偵団』がアニメ化された際にも、本作のキャラクターがスピンインの形で同アニメ版に登場している。
あらすじ
無敵の幼小中高大一貫教育を誇り膨大な研究施設と、そこに在する人々のための福利厚生施設を擁する、広大なCLAMP学園。そこには一般の司法や警察の及ばぬ領域もあり、学園の警備員も手が届かないディープ(?)な部分が存在した。そのディープな部分で暗躍する小規模な「世界征服組織」が「悪の秘密結社・いもの山商店街」である。
学園理事長は秘密裏に、その案件を解決させるための部署を創設する。それが「CLAMP学園特殊警備隊」チーム、コードネーム「デュカリオン」であった。
何の因果かデュカリオンに選定されてしまった学園高等部1年Z組(特待生クラス)の「秋海洞威」と「東国丸健多朗」は、チームアシスタントにして高等部の先輩である「宙尊寺絵里衣」にスリッパと100tハンマーでドツかれるというブラックな理不尽に耐えながら、学園の平和を渋々と、面白おかしい漫才を繰り広げながら守るのである。
登場人物
※CVはドラマCDのもの
特別警備員「学園特警デュカリオン」
学園商店街のパン屋「デウカリオン」のオーブンに出動シューターを持つ「CLAMP学園特殊警備隊」のチーム。大事な事なので何度でも言うが警察ではなく単なる学校の私設警備員である。(兼務の1名を除く)
着ている鎧装備はメタルヒーローそのものだが、本作世界観では直接転送着化技術なんか開発されていないため事件現場付近の転送ポッドに送られた装備を取り出して着替えるという手法を採っている。
- 秋海洞威 (CV:草尾毅)
主人公(笑)その1。真面目なツッコミ役で、それゆえに損をする。青い鎧の人。無茶振り上司(絵里衣)とおちゃらけ相棒(健多朗)に挟まれて号泣する苦労人。
- 東国丸健多朗 (CV:山口勝平)
主人公(笑)その2。ある意味メインヒロイン(笑)なヒトでもある。威を熱愛するラブラブ奥様、ただし男。大企業の御曹司。赤い鎧の人。言動がイチイチ過激。
ちなみに連載中盤から自分と威の影が薄くなっていきつつあることを理由にCLAMPに抗議の葉書を書き続けたが効果は無く、最終的にはCLAMPをデュカリオンスーツのパワー全開で殴りに行こうとして威に止められる。
- 宙尊寺絵里衣 (CV:日高のり子)
メイン画像。真の主人公。デュカリオンのアシスタント。デュカリオン二人に無茶振りをかまして理不尽にドツく女子力(物理)の持ち主。物語後半で地球という辺境に飛ばされた宇宙警備隊の出張員である事が明らかになる。
制服にサングラス姿の謎の長官。(作者のファンにはバレバレだが)2人の女性を秘書としている。
悪の秘密結社「いもの山商店街」
ある事情のために世界征服をたくらむ秘密結社。ちなみに首領である数寄屋橋を除き本名不詳である。(まぁ数寄屋橋も本名であるかどうかは怪しいが)
- 数奇屋橋寿(CV:子安武人)
いものやま商店街の司令官(というか首領)でデュカリオン二人の同級生。本作の真のヒロイン。恐ろしいことに絵里衣に惚れる。実は異星人で故郷では王子。普段は理知的(?)で大人しい。
- 女司令官
母星同士でのしきたりと親同士の約束によって生まれた時から決められた、数寄屋橋の婚約者。婚期にアセるケバいオバさん。ただ、両者の両親や母星の世論は「え、もうそんな時代じゃねーし。そんなカビの生えたしきたりに固執してる老害まだいるの? 王子かわいそう」という状態で、ゆえに婚約にノリノリなのは女指令だけという、なかなかに痛々しい状況になっているが本人だけはそれを認めたがらない。
- 妖神官
数寄屋橋と女司令官の部下1。
- 魔将軍
数寄屋橋と女司令官の部下2。