僕のヒーローアカデミアの登場人物、尾白猿夫×葉隠透の男女カップリング。
対人訓練にて一緒に凍らされたコンビでもある。
概要
登場機会が多くはない二人だが、その中でも何かと共にいる姿が見られる。
お互いの被害を気にかけたり、葉隠にイタズラを仕掛けられたりと、最初の対人戦闘訓練でペアを組んで以来良い関係が続いているようだ。
呼び方について
お互いのことは「尾白くん」「葉隠さん」と呼んでいる。
尾白は基本的に同級生を苗字で呼び捨てにしており、女子も「麗日」「芦戸」と同様である。
その彼が葉隠に対しては「葉隠さん」と呼ぶことは、最初の対人戦闘訓練~USJ編で確認できる。
これは同級生となったばかりの初々しい時期ゆえとも思われるが、その後名前を呼ぶ機会がないため、不確定ながらも派生作品や二次創作では「葉隠さん」「尾白くん」がほぼ定着していた。
原作337話にて再び「葉隠さん」の呼称が用いられ、出会った当初から丸一年を通して「葉隠さん」呼びであったことが判明した。(派生作品では「葉隠」と呼びかけたこともある)
一方で葉隠は337話でも確定はしていないが、尾白からの呼称が以前のままであることが、ある程度推測の裏付けをしてくれるだろう。
こちらは他の男子に対しては苗字呼び捨ても「くん」付けも混在している。
本編
対人戦闘訓練~文化祭編
- 最初の屋内対人戦闘訓練でペアとなり、ヴィラン側として轟・障子チーム……というか轟に圧倒されることになる。開始前「本気を出す」と言って全裸になる葉隠に、尾白は「透明人間としては正しいが女子としては倫理的にやばい」と内心で困惑していた。
- USJ編では、敵撤退後にお互いの状況を報告し無事を祝うやり取りをしている。
- 体育祭編では、開催の知らせを受けて盛り上がるクラス内で、二人で何か話している様子が見受けられる。また、控え室でもわざわざ尾白が葉隠の近くまで来ているような構図が存在する。そして、最終トーナメント前に尾白が棄権を表明した際、最初に声をかけたのが葉隠だった。
- 雄英が全寮制となった際、親の説得に苦戦したという葉隠(と耳郎)に対し、尾白が合宿で被害にあったことを気遣う描写があった。
- その後の部屋王決定戦で葉隠の部屋を訪れた際には、ぬいぐるみや可愛い装飾に溢れた「ジョシ部屋」ぶりに尾白も年頃の少年らしくどぎまぎした表情を見せている。
- 文化祭編では直接の会話はないものの、同じダンス隊に所属し、絵的に近くに配置されたり、並んで練習するコマが存在している。
257話
お互いに登場機会がなかったり、A組が揃っていても別チームであったりなど、入寮時を最後に、数年単位(作中では夏~冬)で会話は描写されていなかった。
二人の新たなやりとりが見られたのは257話。
二度目のインターンを終え、三学期を迎えた記念の鍋パーティ。
テーブルとソファを寄せ集めての大宴会だが、何故か二人は隣に座っていた。
爆豪派閥や八百万と耳郎など仲の良いもの同士が自然と集まっている中で(実際、葉隠の片側には女子が並んでいる)、隣にいたのである。
一言二言のやりとりの間に、はしゃぎすぎる葉隠を柔らかくたしなめる尾白、自らの個性を活かしたいたずらを尾白にしかける葉隠、と、これまでの空白を埋めるには十分すぎる「相変わらず」かつ「寮生活を経てより気の置けない仲になった」と思わせる二人の姿を見ることができる。
337話
かつて噂された内通者がとうとう判明し、A組の全員もそれを目の当たりにすることとなる。
皆が動揺し、混乱し、どうしようもない感情をぶつけてしまう中、葉隠は静かに泣いていた。
内通者の正体を最初に知ったのは、他でもなく葉隠であり、緑谷と共に内通者を捕えた側である。
その詳細を知って知らずか、「葉隠に見つけられていなければ何をするつもりだったのか」と、尾白の口からも非難の言葉が出た。
葉隠自身も最初に内通者に相対した時は強く責める言葉をぶつけている。
読者としては内通者側の心情描写も見ているために非常に辛い場面となった。
が、ここで尾白が葉隠の肩に手を置いて寄り添っていることで一部の人間が騒然とした。
コスチュームのため素肌である葉隠の肩を、尾白の手がしっかりと支えている。
それも素手である。
尾白は本来グローブをしているのだが、この時は(335話から)着用していない。
なんならアニメでは腰にも手を添えていた(ように見える)。
「近い」「なぜ女子の友人ではなく尾白に慰められているのか」「深刻な事態とは言え素肌の肩に触れるのは流石にハードルが高いはずでは」等、気になる点は多数あるが、これが現在の尾白と葉隠の関係なのだろう。
また、337話では葉隠の素顔が一部描かれ、こちらも大きく話題となった。
後の368話の扉絵でカラーリングも判明し、ファンアート・二次創作もさらに活発になっている。
ちなみにこれらの掲載時、何故か一時的に尾白に対するアンチが急増した。
少年ジャンプ2022年15号
2022年3月14日発売、連載は347話となる。
この回には尾白、葉隠とも出番はない。
問題は96ページから掲載の「僕のヒーローアカデミア チームアップミッション」の宣伝である。
詳細は次項。
派生作品
選出される機会が少ないキャラクター同士ではあるが、いざ焦点をあてられると、尾白には葉隠、葉隠には尾白、とばかりにセット扱いされているものがある。
アニメ
体育祭前に意気込みを語る葉隠にツッコミを入れる尾白という完全オリジナル会話が追加された。さらに体育祭後には、葉隠の台詞は原作通りだが、そのコマでは描かれていなかった尾白とのカットと台詞を追加しているシーンも。
ここまで大胆な追加ではないものの、初期からセットで描かれていることが多く、原作では省略されている描写や構図の際に並んでいたり、会話がなくとも二人のカットになっていることがある。
公式キャラブック
第一弾「Ultra Archive」では、各キャラごとに他キャラからの一言が寄せられているが、尾白と葉隠はお互いにコメントしている。体育祭の出来事が元であり真新しい内容ではないが、その口ぶりからは二人が対人訓練の時から友好的な関係が続いていることが感じられる。
第二弾の「Ultra Analysis」でも、キャラごとのミニ相関図にやはりお互いが配置されている。こちらも対人訓練と体育祭がベース。古い情報でもあえて二人の関係を残してあるともいえる。
スピンオフ「僕のヒーローアカデミア チームアップミッション」
集英社の児童向け隔月誌最強ジャンプにて連載中のスピンオフ。作者はあきやま陽光。
雄英生を中心に、他校生、教師、プロヒーローなど様々なキャラクター同士をチームアップして焦点をあてていくサイドストーリーとなっているが、「Mission6.いいぞガンバレ尾白くん!」はタイトル通り尾白を主役としている。(2020年9月号掲載/単行本2巻に収録)
児童誌らしい超展開もあるが、体を張った実戦や子どもとの交流、目指すヒーロー像を語る姿など、彼のファンなら一読の価値があるだろう。
ある事実(後述)が判明したことにより、この点においてもさらに強く薦めたい回となった。
また、サポート役として戦闘時にも個性を発揮したり、尾白に対する励ましやフォローなど、葉隠の活躍も非常に多い。
というのもこの回、引率も他の生徒もいないため、28ページ中ほぼ全てに尾白と葉隠がいる。
まずセンターカラーでは葉隠が尾白の尻尾に南国の花を飾っている。公式スピンオフである。
罠にかかった際に真っ先に葉隠のイタズラを疑う尾白、尾白の講演に漂った微妙な空気を個性で払拭する葉隠……等、当然ながら二人のやりとりを列挙していくと限りがない。
未読であれば是非実物を確かめてほしいので詳細は省くが、後半にはここまでやってしまっていいのかと逆に心配になるほどの青春ラブコメ的展開がある。
繰り返すが公式スピンオフである。
そう、公式スピンオフである。
少年ジャンプ2022年15号にて、この話が原作者・堀越耕平によりネームが描かれたことが明らかになった。
元々原作者全面監修を謳っている作品だが、エピソード、ネームのチェックはもちろんのこと、「時に直接ネームを描いてくれる」ことがあると宣伝された。
その時に引用されたのが今回の話である。
さらによりにもよってあの場面である。アレを前後を抜いて掲載してしまうとそれはもう完全にアレでしかない。
念のため記載するが一応未遂である。一応は。
様々な角度と情報量で読者に衝撃を与えた1ページとなった。
なお「ネームを描いた」としても話のアイデアやプロットは他者から提供されたもの、という可能性も存在する。
しかし、同作が原作者のチェックのもと製作され、のみならず本人がアレを始めとした一連のシーンを描いたのは紛れもない事実である。
公式スピンオフってすごい。
アニメ「僕のヒーローアカデミア」謎ファイル
あそびファクトリーから発行されている、アニメ派生のグッズシリーズ。
ファイルに挟まっている用紙や、Webページと連携して表示される謎解きを、キャラクターのミニストーリーと共に楽しめる作品だが、ラインナップになんと葉隠透verが存在する。
タイトルは「葉隠ちゃんとかくれんぼ!」。
プレイヤーは雄英高校サポート科の学生として、個性を駆使して公園に隠れている葉隠を探すことになるのだが、その協力を依頼してくるのが尾白である。
葉隠とのかくれんぼで連敗が続いているので、今回は他者の力を借りたいという話だが、総合するとこれまで100回近く(おそらくほぼ二人きりで)かくれんぼをしているらしいことがわかる。
原作ではなくアニメ派生のグッズであり、シナリオも謎制作者によるものだが、尾白と葉隠は仲が良いものと認識されているようだ。
葉隠が隠れているのでむしろ尾白の出番の方が多いのだが、二人のやりとりも見ることができる。
余談
アニメの追加描写もあってか、尾白の中の人である三好晃祐氏もSNSにて「二人が並んでるのが好き」との言及。映画二作目「ヒーローズライジング」の公開に合わせて行われた渋谷駅での展示広告を、わざわざ尾白と葉隠の二人分写真に収めて投稿してくれている。