※以下、漫画『僕のヒーローアカデミア』第296話及び、アニメ第127話以降の展開における、重大なネタバレを含みます。
概要
漫画『僕のヒーローアカデミア』第296話及び、アニメ第127話のサブタイトルにして、日本のヒーロー社会が崩壊する切っ掛けとなった一連の悲劇。
詳細
エンデヴァー率いるヒーロー勢と死柄木率いる超常解放戦線の頂上決戦。
エッジショット達は超常解放戦線のアジトがある群訝山荘でリ・デストロ、トランペット、外典ら重要メンバー達の拘束、ホークスはトゥワイスの抹殺に成功し、それ以外の全国のアジトの制圧やシンパとなったプロヒーローたちの拘束にも成功したことにより、事実上はヒーロー側の勝利になったが、その時に犠牲と被害はあまりにも大きいものであり喜ばしいとは言えない結果であった…。
ヒーロー公安委員会はトゥワイスが複製したリ・デストロを無力化させるため、公安とデトネラット社の提携を持ち掛けて油断を誘い、奇襲作戦を起こして成し遂げるも、公安直属のヒーローとリ・デストロとの激闘で巻き込まれた会長が意識不明の重体となり、後に死亡(アニメより明言された)。
蛇腔病院の方では、ドクターこと殻木球大院長の身柄を拘束、強制起動されたハイエンド脳無5体を撃破するも不完全ながらも覚醒した超人・死柄木の"崩壊"にクラストらプロヒーロー数十名が巻き込まれてしまい死亡。蛇腔市周辺も壊滅的被害を受ける。
更に群訝山荘では、動き出したギガントマキアの圧倒的な暴力にプロヒーローと雄英生達の投薬作戦も虚しく包囲網を突破。とある雄英高校教師らヒーロー数名が死亡してしまう。
今回の作戦のため多くのヒーロー達が出払ってしまったことが裏目に出て、周辺の住民の避難誘導が間に合わず、マキアの行進に和歌山、大阪、京都の街が壊滅、市民が大量に死傷する大惨事へと発展してしまい、その行進を利用して解放戦線の残党132名(後の"レムナンツ")が行方をくらましていった。
最終的にマキアは死柄木に合流してしまうが、秘密裏に復帰したベストジーニストの拘束や、投与された麻酔効果の深刻化により、満足に暴れる事もできず遂に倒れ伏した。
死柄木の方も自壊に近い敗北を喫し拘束される寸前になるが、そこで何と"個性因子"という形で彼に宿っていたオール・フォー・ワンの意識が表面に現れる。
始めから次世代に後を託す気などなく、自分を新たな肉体にするつもりだったという師の裏切りを悟った死柄木は抵抗するが、AFOは哄笑しながら近くの荼毘、スピナー、スケプティック、ニア・ハイエンド脳無7体を連れ、戦闘不能となったマキア、Mr.コンプレスを置いて逃走。
同時期、お茶子が蛙吹などのヒーロー科生徒や他のプロヒーロー達と被害にあった市民を救助していたが、その時あるプロヒーローの呟きを聞いてしまう。
「やめよ...」
「これはもう ダメでしょ」
彼の目に映っていたのは、マキアの行進で破壊された街とどれだけ救助しても終わることのない助けを求め続ける市民の叫び声が広がっているという地獄絵図ともいえる惨状だった。
あまりにも目を覆いたくなるくらいの惨状を見たお茶子も人々を救いたい気持ちがあったとしても届かないと感じたのか、動きを止めてしまった。
そしてそのプロヒーローは自らの無力さを痛感したのか
「転職先 探さなきゃ」
と諦めの言葉を口にしてしまうのだった。
上記のとおりに、今回の戦いでは名のあるプロヒーローが数多く殉職及び重傷となり、夥しい数の市民が犠牲に、更に荼毘が予め撮ったエンデヴァーの過去に関する内容、ホークスの過去とトゥワイス抹殺の告発に大きな波紋が広がるという散々な結果が残ってしまった。
これだけに終わらず、直後死柄木(AFO)は追跡を撹乱するためにタルタロスを始めとする数々の刑務所を陥落。復活したAFO本体率いるタルタロスの敵勢(後の"ダツゴク")の台頭によって警察や政府機構もあっけなく壊滅。市民達は行き場のない絶望に振り回され、荒んだ生き方に歯止めがかからない状態に。
それから二日後、トップ10の一人だったヨロイムシャの引退会見をきっかけに、風向きの悪さを察した多くの者たちが次々とプロヒーローを辞めていくという事態が発生。
また、全面戦争後でもプロヒーローを続けていた者達も少なくなかったが、不利な戦いを強いられる上に市民達から容赦のない罵声に耐えきれず、辞める者達も出続けてしまう(あるプロヒーロー曰く「1の罵声が10の声援に勝る」)。「ヒーロー」という存在は市民達からの信用を完全に失い、憧れの的から非難の的になるという事態に陥ってしまう。
一部の市民は敵撃退のためにデトネラット社が意図的に流出した違法サポートアイテムなどを手にし、自警団(ヴィジランテ)活動を起こすようになった。それにより個性訓練を受けていない市民が制御出来ずに周辺一帯を巻き込む二次被害、挙動不審な市民を敵と決めつけて攻撃を行うなど、黎明期の混乱が再来する有様に。
雄英高校を含む各地の「ヒーローアカデミア」も実質的な運営停止に陥り、ひとり姿を消したデクを尻目に、避難所として転用される事になる。
正義は敗北し、悪も誇りを失い、全てが為す術もないままグズグズ腐っていく。
それでも生き残ったヒーロー達は、そんな混沌の時代が始まり出した中で、"ヒーローの本当の意味"を問われながら、どう取り戻すかも解らぬ平和を求めて立ち向かっていく。