『生殺与奪はステインの仰る主張に沿うか否か…』
『守るという行為に対価が発生した時点でヒーローはヒーローでなくなった。これがステインのご教示!』
プロフィール
理想を追い続ける 歪んだ原理主義者
情け容赦なき巨刀の一閃―――
―――僕のヒーローアカデミア 公式キャラクターブック2 Ultra Analysisより
概要
敵連合の一員。雄英高校への林間合宿襲撃において『開闢行動隊』から加入。
人物
リザードマンを彷彿とさせるトカゲじみた緑色の肌(トカゲというと本人は怒る:後述)に紫の髪、ステインを模した格好をし、無数の刃物をベルトや鎖で束ねたような巨大な剣「スーパーナイフナイフソード」を持つ(実際は自分を大きく見せるための虚仮威し程度で、緑谷に武器を蹴り崩された)、以降はサバイバルナイフを使用。
未だに異形型の個性に対する差別・偏見が根強い田舎町の出身で、その個性故に「トカゲ野郎」と蔑まれて外を出歩くだけで殺虫剤を掛けられる等、酷くいじめられ、引きこもりになっていた過去を持つ。そのためかトカゲ呼ばわりされることをひどく嫌い、怒りを露わにする。
ステインの思想に心酔し、全てにおいて『ステインを継ぐ者』であろうとしており敵連合の任務よりステインの思想を優先する極端な信奉者。自己犠牲こそヒーローの本質というステインの思想に感化されているのか、「ヒーローは人並みの幸せを望むものではない」と考えているらしい発言もしている。
ステインを慕いつつもその行動に一致性が見られない荼毘や、単純にその容姿が好きなのだと思われるトガヒミコと比較すると、恐らく敵連合でステインの思想を最も理解しているのは他でもないスピナーであろう。
だが、そのせいで彼自身の自我が確立していない、確固とした自分を持っていないという見方も否めなず、そもそも連合に参加したのもステイン逮捕の報道を見た3日後にその勢いに乗ったというミーハー的な動機であった。
本人も自身を「自分では何も成せない、乗っかっただけの小市民」と自嘲しており、自分が引き返せない流れの中にいる事にも困惑と開き直りの両方を見せている。
引きこもり時代はゲームばかりをしていたのか車を運転していたのもゲームで磨いた技術と言っており、異能解放軍での戦いでも現状をゲーム用語でたとえていた。同じくゲームで状況をたとえる死柄木とはゲームの趣味が合うと言っている。
個性
個性は『ヤモリ』。
ヤモリの特徴を持った異形型の個性。
爬虫類系の個性の中でも弱く、ヤモリの様な外観と壁に張り付くことぐらいで戦闘などではあまり役に立たない。
爬虫類系の個性を持つ伊口家の中でも弱めの個性らしい。
初登場の襲撃の時も取り押さえられたときに一度も個性を使っていないと評されたが、実際のところ個性を使っても意味がなかっただけである。
下記の個性は最終決戦時にオール・フォー・ワンから与えられた物。複数個性の負荷に耐えきれず、時間の経過に伴い理性が著しく低下していく。また、これらの個性を重ねて発動するとかなり怪物じみた外見となる。
- 剛躯
巨体と強靭な筋力が得られる個性。体がしぼむ描写があるため恐らく発動型の個性だろう。
- スケイルメイル
体から強靭な鱗の鎧を生やす個性。防御力を上げる。当初は発動していなかったため、これも発動型の個性だと思われる。この鱗は表皮そのものが変化したものではなく、内側から表皮を突き破る形で生えたものであり、発動時には身体中の至るところから血が噴き出ている。そのためなのかアニメでの鱗の色は赤。
動向
林間合宿襲撃の際は、マグネと共に、マンダレイ、虎と交戦したときにはステインが救おうとした緑谷を抹殺対象にもかかわらず庇い、どこから情報を入手したのか『ステインが認めなかった』存在である飯田を「メガネ君」と呼んで抹殺の対象としている。
その一方で戦闘中、マンダレイのテレパスによる色仕掛けに頬を染め動きが止まる、という年相応の反応を見せるウブなところも(むしろ人生で初めて見た目を褒められたから動揺したという見方もある)。
オーバーホールを護送する車両を急襲するため車両の運転を行った際は、警察を襲うことが本当にステインの意志に沿うことなのか、逡巡しつつも敵連合の意向に従っている。
もっとも、本編が進むにつれ死柄木弔などにかかる負担を減らすべく、即興勢力の指揮・士気増幅を担当していた人物を狙うなど、自ら率先して連合のために動こうとする描写も見せ始める。
異能解放軍との抗争の際は、トランペット率いる解放戦士達と交戦する。
連合の勝利後、超常解放戦線結成後はMr.コンプレスと共に開闢行動支援連隊『BROWN』の隊長に任命される。
ヒーローとの戦いではやはり基本的には流されているようであるがギガントマギアを命令されなければ何も出来ないなどと状況に必要な一手を自分なりに考えて行動をしている。結果として意識がはっきりとしていない死柄木に意識を取り戻すためにある行動をとる。だが…
社会情勢の崩壊後は比較的早く連合に参加していた戦歴、ステインの思想の信奉者というわかりやすさ、なによりAFOの意向によって社会に迫害されてきた異形型個性の人々から「異形型の救世主」と崇められる立場となる。単なるやけっぱちの敵だったはずの自分がかつてのステインのように象徴として扱われる現状に戸惑うも、それでも死柄木、引いては仲間の為に最後まで戦う事を覚悟する。
最終決戦では異形型の集団を率いて黒霧を奪還するためセントラル病院へ進行。与えられた2つの個性で強大な力を得るが、その悪影響で人格も急速に崩壊し始め、薬物中毒者の如く暴力と優越感に満ちた怪物となっていった。そしてこの変調が、彼の命運を分けることに…。
同じく異形型の差別を受けながらも彼らを止めようとする障子目蔵と戦い続け、最終的には病院内に突入し、研究棟にいた黒霧に語りかけることで覚醒させることに成功すると同時に力尽きた。その後の描写は無いが、恐らくヒーローや警察に確保された模様。
こうして、最終決戦で敵連合の幹部としては最初の脱落者となった。
むしろ後の展開で連合幹部のほとんどが死亡、もしくは回復不可能であるため、ほぼ唯一の生存者といえる。
余談
ドライビング技術は、ゲーム『グランド・セフト・オート』のプレイヤーであり、それで鍛えたらしい(アニメではこの辺りのシーンはカットされた)。
そんな奴に運転を任せたあたりヴィラン連合の中で車を運転できる技量を持つ者はおそらくかなり少ないのではないかと察せられる。
ちなみに、運転免許証を持っているかは不明(引きこもっていた事から、持っていない可能性が高い)
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※426話のネタバレ注意!!!
逮捕後は最終決戦の傷を治すため入院していることが判明。
複数の個性所持による脳無化が始まっていたものの、これまでの研究のおかげで進行を止めることが出来たとのこと。
剛躯の個性はまだ残っているが、自発的に解除すれば大きな問題はない模様。
面会にきた緑谷出久を「殺人者」と軽く罵ったが、死柄木弔が自分のみに遺言を遺したことを知ると愕然とし、剛躯を発動して両手で緑谷を鷲掴み。
ロクな友達もいなかったスピナーにおいて各々の目的のために動いていた他幹部は『仲間』もしくは『同志』ではあったが、死柄木はそれ以上に『友達』であり、それは死柄木にとっても同じ想いだった。
自分達のようなハミ出し者のために全てを壊そうと戦った死柄木の存在を忘れさせないようにするため、獄中から本を書くことを決意した。
なお最終決戦で戦った障子のことを「タコ」と呼びつつ、「頑張れよ」と激励を送っている。