結城君、全部分かった。
概要
優子氏pixiv小説「放課後探偵部へようこそ」の主人公の女子高校生探偵。
茨城県立常総高校の1年6組の女子高校生で、身長は146センチと小柄。ショートヘアの活動的で天真爛漫な女の子でかなりのドジっ子である。
が、ひとたび事件に遭遇すると、犯人のトリックを冷徹に暴く女子高校生探偵に変貌する。
公営住宅に母と2人暮らしだったが、知的障害を持つ母親がヘイトクライムで殺されたため、現在は結城竜のマンションで一緒に暮らしている。
容姿
身長146㎝と小柄。江戸川コナンのように「見た目は小学生の高校生探偵」と化している。「アポトキシン飲んだ」と聞かれたことも。
スタイルも胸が小さなお子様体形。着用している衣服もピンクのTシャツにハーフパンツ、行動も子供っぽいこともあって、本当にお子様に見える。
本人はそのことについて特に気にしている様子はない。この容姿で潜入捜査をしたこともある。
髪の毛は黒のショートヘア。アクセサリは身に着けていない。この髪型は昔から。ただ素顔は美少女であるとクラスの男子には認知されている。
生理痛が非常に重く、学校のプールで火曜サスペンス劇場状態になったことも。
性格
温厚で人懐っこく、誰にでも優しい性格。かわいいものや楽しいもの、おいしいものが大好きな天然お気楽女子高校生である。
マイペース故に少々危なっかしいところもあり、結城竜や高野瑠奈に心配されている。子供のころは男の子に混じって遊んでいたようで、北谷勝馬や板倉大樹とはその時からの悪戯仲間だったようである。
現在でも色気より食い気であり、あまりオシャレなどには興味を持たず、どっちかというと探検など、自分の好奇心の赴くままに行動する性格は変わっていない。さらに子供っぽい性格や小柄な見た目もあって、よく小学生に間違えられる。
コナンの場合、子どもっぽい性格は他者の目を誤魔化す目的があるが、島都の場合は素である。
変なものや突飛なものを見た時は「ほえー」と言って目をぱちくりさせたり、やばいものを見た時は「ふえええええ」と奇声を上げる癖がある。
人懐っこい性格で北谷勝馬や板倉大樹のような不良ともざっくばらんに付き合っている。河川敷のホームレスとは将棋友達であり、イスラム教のモスクにはただ飯目当てで訪問するなど、妙なところに交友関係がある。探偵であるにもかかわらず他者に対してはほとんど偏見を持たない。
ファミレスのジャイアントパフェが大好物であり、食い物にはよく釣られる。食べ物に関しては好き嫌いはないらしく、ラーメンも好きみたいである。体躯に見合わずかなりの大食いであることが示唆されている。
授業中は早弁や居眠りの常習犯な故に成績は赤点ギリギリ。作中では結城や瑠奈の強制的な勉強によって何とか赤点を回避しているようである。追試などの常習犯でもあるらしい。これでもまだましにはなったほうで、中学時代は(教師にも問題があるとはいえ)勝馬と瑠奈と一緒に授業をいつもサボるなど、割と不良に近いレベルの生徒だった。
身体能力も割と壊滅的。登山時に元気であることから体力はあるようだが、走ると高頻度でズッコケる。
知的障碍者の母親と市営住宅で暮らしてきたというだけあって、育ちは正直あまりよくはなく、女子力などは壊滅的である。一応状況に応じて敬語は使えるくらいのTPOはあるようである。
ただ優しいだけではなく、苦しんでいる結城秋菜に心から寄り添ってあげたり、北谷勝馬のような不器用な性格も理解してやるなど、他者に対する深い洞察力を持っている。一方で自分の友人に舐めたことを言った人間に辛辣になる、女の子に性的な暴力をふるった相手に激昂するなど、一度怒りを覚えると普段考えられないような怒号を発することもある。
探偵として
小柄で小学生のような天真爛漫な見た目に対して、類まれな観察眼、推理能力を持った、作中最強クラスの女子高校生探偵。
作中では結城竜が呆れるような子供っぽい行動を一心不乱にしているように見えて、「実はそれこそが事件解決に必要なことだった」というパターンが多々見られる。
江戸川コナンと比較すると知識などには乏しいものの、犯人の二重三重の心理トリックをぶち破る鋭い推理力、発想の転換力を持つ。現場観察能力も高く、わずかな手掛かりで事件全貌を推理してしまうこともある。
防衛率も相応に高く、連続殺人事件でも多くは犯人が標的を殺しつくす前に犯人の正体を特定している。犯人のミスリードに引っかかることもないわけでは無いが、すぐに自分の推理を修正してリベンジにかかっている。
記憶力も類まれであり、英語の意味を全く知らないにもかかわらず、リスニング問題の英長文を一瞬で暗記し、復唱したこともある。
好奇心はそれなりに旺盛な野生児だが、凄惨な事件に遭遇することは全く望んでおらず、探偵としての名声にも全く興味はない。しかし一度事件に遭遇すると「次の被害者を出さないようにできるのは自分しかいない」とすぐに考えをシフトさせるなど、覚悟を決めるのも早い。そして一度この事件を解決すると決めると、その執念は狂気さえ感じさせるものとなる。
事件解決のためには自分が傷つくことを辞さないところもあり、ある犯人の犯行を暴くために苗字を変えたこともある。むしろ華麗に事件を解決する魔法少女型女子高校生探偵ではなく、傷つく泥にまみれながらも執念で犯人を追いかけ、事件を解決するタイプである。
通常推理漫画の高校生探偵は、主人公が名探偵として一つ飛びぬけて優秀で、あとは明確に助手と化していることが多い。が、都の場合はそうではなく、むしろ探検部のメンバーや結城秋菜、勝馬軍団の個性や特性に敬意を払い、積極的に頼っている。北谷勝馬みたいなおバカキャラが推理を披露するときも、まず傾聴し、それから具体的に腑に落ちない点を熟慮し、決して却下しない。
ヘイトクライムで知的障害を持つ母親を殺されたり、母子家庭ということでそれなりに差別も経験していたことから、人を殺すことを是とする考えを嫌っている。その一方で悲しい動機を持った犯人へのケアも怠らず、拘置所に会いに行くアフターケアも金田一一と同じくらいよく行っている。
犯人の自殺も、大半の事件で阻止している(親指姫殺人事件など)。しかし例外的な事件も存在する。
天真爛漫な印象からはあまり想像できないが、決して理想主義者ではなくむしろ物凄いリアリスト。普通の人なら躊躇するようなクレバーな判断を一瞬ですることも作中では多々ある。ある事件では凶器を持った殺人犯を前に「相手を殺すしか友人を守る手段がない」と一瞬で判断し、別の人間の死体に刺さっていたナイフを引き抜いて躊躇なく相手の腹をめった刺しにして殺害した。正当防衛とはいえ、人を殺したことがある高校生探偵である。
前述のとおり、都はあくまで探偵には憧れておらず、それでも次の犠牲者を出さないために必死で事件に立ち向かっているというスタンスである。そのため事件解決は相当なストレスになっており、号泣するなど解決後には不安定になる場面も見られる。結城竜や高野瑠奈、長川朋美警部などは、事件に関与し続ける都を心配している。
結城竜との関係
この作品では結城との恋愛よりも事件現場での相棒としての側面が強調され、推理力だけあるが危なっかしい性格の島都と、冷静沈着な保護者役の結城竜とのコンビの活躍が描かれている。
どちらかと言えば、ラブコメというよりも推理力も性格も全く違う2人のコメディ的な掛け合いが楽しめる作品と言える。島都は女子高校生探偵として推理力はあるが、ドジでマイペースでお気楽で、冷静沈着な結城に助けられてばかり。探偵と助手という枠を超えた相棒、事件解決を目指す同志とも言えるだろう。
結城が他の女の子と仲良くしたりする場面であからさまな嫉妬などをする場面は皆無である。ただこれは仏頂面ながらもお人好しな性格の結城と、決して他人を束縛しない自由すぎる都の性格から来る面が多い。都自身、恋愛話になると鼻血を出すほど、奥手で初心である。
余談
多指症であり、指が6本ある。それが明かされる前から、指が6本あると思しき描写は散見されていた。
高校生探偵のセオリーである「親族からの頭脳の遺伝」「私立高校在学」「不良の友人がいない」「一軒家在住」といった特徴が当てはまらない。
身体能力は皆無だが、「自分を羽交い絞めにしてきた大の男に地べたなめさせる」行為を、格闘センスではなく「推理」で導き出して実行している。