「余興や遊びで命や体を張ったりできるもんか!
死が恐いんじゃない、無意味な死はゴメンだと言ってるんだ!」
CV:佐藤銀平
概要
福本伸行の漫画『アカギ〜闇に降り立った天才〜』に登場する雀士で、安岡が仕立てた赤木しげるの偽者。鷲巣編で名前が判明する前までは「ニセアカギ」と呼ばれていた。
凄まじい記憶力と計算力の持ち主で、アカギとは違った意味での天才。麻雀ではその才能で対局を有利に進めていくが、同時に計算や確率に頼りすぎる傾向や勝負に対する執着心の薄さも見られる。(アカギ曰く「ギャンブルという土俵に上がっていない。背の立つ所までしか海に入っていないのに海を知ったと公言しているようなもの。」)
この点をアカギ本人には「凡夫」と評価され、安岡からも「天才ではあるが所詮は俺たちでも努力すればたどり着ける延長線上でしかない」と評されている。
作中では浦部戦にて惨敗、アカギと対決せずに姿を消した。
代打ちとして所属する川田組の組長からは偽者と理解されつつも能力を高く評価され、「大勝ちもしないが大崩れもしない」「代打ちにはこれくらいが丁度良い」としてその腕を買われていたが、浦部戦での無様な有様に「勝負師として重要なものが欠けている」「今一時の気持ちが無い」と大勝負には向かないと見抜かれ、見限られている(余談の「組長の掌返し」参照)。
後に鷲巣麻雀に敗北し失血死。本編には冒頭で鷲巣の部下と思われる男たちに手だけが露出した状態で山林の土に埋められ、遺体という凄惨な姿で登場する。これが新聞に掲載されたことで鷲巣の悪行が明らかになった。
外見
逆立てた白髪に赤いサングラスをかけた男。縦縞模様の白いスーツに襟を立てた緋色のカラーシャツという派手な出で立ちをしている。
アカギとは顔立ちや背格好も似ているが、本人に比べるとかなり表情豊かである。
性格
普段は冷静沈着。前述の通りアカギとは別次元の天才だが、アカギ本人が命のやり取りを賭博に望む発言に反対して必死に言い訳をしたり、鷲巣巌との麻雀で「死にたくなーい!」と叫ぶなど(アニメ24話)、精神面は一般人寄りである。読者によっては親近感が湧くだろうが、常人離れした狂人の多い本作では悪目立ちしてしまい、「駄目なアカギ」略して「ダメギ」と揶揄されることもしばしば。
また、原作でもアニメでも平山は「ニセアカギ」としか呼ばれず、本名が発覚したのは死体になってからという不憫な扱いを受けている。
山中に埋められた遺体の描写もアニメ15話のカットでは両腕を交差した状態だけが地上に露出しているシュールな姿からネタにされがち。
しかし、そのダメっぷりこそが彼の魅力であると考えるファンも多く、読者の間では先述の「ニセアカギ」「ダメギ」の他に「凡夫」(アカギがそう呼んだところから)、「ダメギしげらない」などの愛あるあだ名で呼ばれている模様。
また、原作では鷲巣麻雀で1800ccの採血に耐えており、一定の気概は見せている。
余談
組長の掌返し
先述した川田組組長の掌返しはよく論われるが、実際の所「確率確率という癖にその確率と心中できない」精神的弱さが原因と思われる。
初っ端も初っ端、凡夫も凡夫である南郷ですらアカギに発破をかけられ「俺がやっているのは博打だ、危ない橋一本渡れない男に勝機があるか」と思案していたにもかかわらず、平山は「濃い薄い」だけで手を決めていた、即ち発破を掛けられる前の気配が死んでいた南郷と同レベルの思考で麻雀をしていたことになる、更に言うなら確率論とは言うならば「10回に1回しか当たらないから大丈夫or危険」「100回に70回当たるから大丈夫or危険」というひどく大雑誌な読みであり、言うなれば一回の重さが酷く薄いのである。
(ヤクザの懐事情的に)50万100万そこらの賭けならばそれで特に問題ない(更に言うならトーシロの数千円数万円金の取りっこならそれで充分)が、数千万数億となってくるとその「数十回のうちの一回」を「今この時この場に」無理矢理にでも持ってくる気概が必要になり、またそれを引いてしまった事を重く受け止める必要があるのだが、平山は確率だけでものを見ているためその辺の危機感及び嗅覚が弱いのである、これが「今一時の気持ちがない」にあたる、彼が生き残ってこれたのは単純に南郷よりは麻雀が上手かったから、というだけということになってしまう。
他に確率論者として市川がいるが、彼も確率を最重要視しつつも、アカギのブラフの役満を、ブラフと見抜きつつ、万が一和了られるくらいならいっそ流してしまえ、と有利を放り投げる事を躊躇せず、逆に最終局面普通ならノータイムでツモ切りしていい牌を、ごく僅かな可能性を掻い潜った場合自身の致命傷となる牌と断定、保険を二重に掛けてから捨てるという手に出ている(結果としてどちらにしても市川の負けであったが、薄い可能性を掻い潜って致命傷に至らせてくるという懸念は的中させていた)、これは確率=理と同時に「相手を見る」という正に浦部とアカギの勝敗を分けた思考と同質のものである。
一方の平山は確率や目先の事象にしか目が行っていないため、浦部がどういう麻雀をしているかを全く理解できず、確率だけで見れば薄い手に掛ける剛の麻雀を相手に右往左往してしまい、折角のチャンスを不意にされた=相手の思い通り転がされたのに「よかった和了られなかった」と安心さえする、これが「奴にできるのは底の浅い計算だけ」である。
特にこの右往左往が言葉以上に致命的であり、例えばツモ牌を加えて待ちを切り替える際出す牌が危ないと感じて切り替えるのをやめた結果、「直後相手が危ないと感じた牌を捨てる=捨てていれば通っていた」挙句「切り替えていればツモ」という裏目を引くことは麻雀にはままあることだが、そこから「通ったのならと捨てたら今度は今捨てた牌があればツモだった」という最悪の裏目を引いた場合、その二の足三の足を致命傷と見てその局を捨てベタオリに切り替えられるものが一流というものだが、彼はそう言う場合にただただテンパイを維持しにいってしまっていた。
アガリたいのなら危険でも突っ張るしかないのに突っ張らず、かと言ってオリもしないという、一度はアカギに一杯食わせた八木が陥った錯乱状態に自分から陥ってしまうのである。
また、治と交代する前の手は、待ちが薄くなるカンチャン三色ではなく両面の平和をしているが、追っかけリーチでの放銃を恐れてダマテンを選択してしまい、結果として平和ツモのみの安手で終えている。結果論だが平和でもリーチしていれば一発ツモ、裏も乗れば満貫以上のツモ上がりで、先制両面待ちにもかかわらず、そのアドバンテージを捨てて弱気の底に至った事を浦部に見抜かれ、攻め時だとわからせてしまった。
挙句繋ぎで入った治ですらドベから入った(仮に跳満直撃して負けても責任はほぼ治にはない)上レートも50万(現在のおよそ500万)だと思っているという気楽さがあるとはいえ「もういいや、もう…どうせ堅く打ったって逆転には程遠いんだ、強く打とうぜ…!」と、高レートにおいて平山こそ持っていなければならない気概、分かっていなければならない状況を、低レート(とはいえ月給が1万2万=現在の10〜20万の治からすれば50万=500万近くでもヤクザから見た3200万=3億近くと大差ないプレッシャーではある)だと思い込んでいるとはいえよりによってトーシロの治が分かり、持っているという体たらくである。
以上の点から平時の態度を見て「劣化市川ならそれでいいや」と思っていたが、実際のところは「麻雀が上手い南郷」でしかなかった事に気付いたが故の掌返しであり、アカギ世界においては正直当然の評価である。
そしてこういった本質的なところは大金や命が掛かっている等の"真に身を削る闘い"の中でしか測れない為、気軽に勝ったり負けたり出来るようになってしまっていた当時の代打ち事情の中でそれを事前に測れというのは少々酷であろう。
また、アニメでは負け始めていきなり言い出しているため手のひら返しにみえるが、原作では何か欠けている気がすると感じてから暫く観察しており、上記の黙聴でしょうもない安手上がりしてドヤ顔している醜態を見て確信に至ると、丁寧に描写されているため手のひら返し感は薄い。
ただし、平山を擁護すると浦辺戦においてそれが致命的となる数千万数億の勝負にしてしまったのは川田組長の責任が大きい。
当初のレートは50万×4回戦であり、平山自身は延長戦の提案に最初から反対しており、浦辺の罠にかかったのは川田組長が提案を受ける判断をして、それに従うしかなかったからである。
(ただし、反対したのは危機感からではなく、「さっさと終わらせてアカギと決着をつけたい」という考えによるもの)
川田組長は以前のシーンで「アベレージを残してくれればいい」とも言っており、許容量以上にプレッシャーがかかる状況に追い込んでしまったのは明らかにそれに反している。
平山の買いかぶっていたのは確かだが、これを考えるとやはり川田組長の運用ミスともいえる。
彼に関連するネットスラング
ニコニコ大百科より転記。
- 「ヤーメロイド」
ダメギ(平山)が死の間際に習得した、特殊スキルである。彼の名セリフ「ヤメロー!シニタクナーイ!」を利用した新しい命乞いの方法。
ただしこの命乞いをしたところで彼が助かることはおおむねない。
主に「ヤメロー!」部分の繰り返しが多く使われるため「メロメロイド」と呼ばれたり、彼のもう一つのあだ名である「凡夫」からとって「凡夫ロイド」と呼ばれたりもする。
- 「ツンダメ」
「ツンツンダメダメ」の略でありキャラクターの形容語の一つ。ニコニコ動画では「アカギ」の登場人物である「ニセアカギ(平山)」関連動画のタグとして付くことが多い。
主に、以下の条件に当てはまるキャラクターを指す。
- 普段はツンと澄ました態度を取るが、ある条件下ではまるでダメダメになる
- 消極的でダメなところを悟られないように自らを律し、ツンとした態度で天邪鬼に接する
使用例
- 勘違いするなよ。怖くて言ってるんじゃない。このギャンブルの馬鹿馬鹿しさを言っているんだ!
- 余興や遊びで命や体を張ったりできるもんか!
- 死が怖いんじゃない。無意味な死はごめんだと言っているんだ!
- ヤメロー!シニタクナーイ!
- 「ヤメロイシン」
「ニセアカギ(平山)」の脳内物質の一つ。
ヤメロイシン (isoleucine) はダメノ酸の一種で2-アミノ-3-メチルペンタン酸(2-アミノ-3-メチル吉草酸)のこと。
略号はdmeまたはD。ロイシンの構造異性体である。「ダメソリューシン」と英語読みで音訳される。
疎水性アミノ酸に分類される。たんぱく質構成ダメノ酸の1つで、必負アミノである。糖原性性・ケト原生を持つ。
「ニセアカギ(平山)」が死に直面したとき脳内に分泌される。特に鷲巣との闘牌が終わった直後には最大分泌され「やめろー!死にたくなーい!」と叫んでしまった。
その他の場面でも多々分泌されている。彼が高めの点で上がらず早上がり重視するのもこのヤメロイシンが脳内で分泌されているのが原因である。また、アカギとの小競り合いにおいてもリスクがあがった瞬間に最大分泌され「怖くて言ってるんじゃない(以下略)」と前置きをおいたがリスク回避に必死であった様が見て取れる。
Lv.別で分別すると、
LV.1 格下およびローリスク…やたらと強気
LV.2 ピンチ…リスク回避(ただし口調は強い)
LV.3 大ピンチ…逃亡および命乞い
となる。
発症するとメロメロメロともはや「ヤメロ」なのか「メロメロ」なのか判別がつかない。
脳内で無限ループが流れ出すと危険信号である。現在の医学ではヤメロイシンの有効性は見つかっていない。
関連イラスト
関連タグ
ケンホロウ:オーキド博士に預けられるシーンにヤーメロイドネタを使ったMADが有名。ケンホロウ関連でヤメローシニタクナーイとコメントされる元凶になった。
記念日
8月1日(命日)…鷲巣麻雀で死亡した日。
5月3日(復活日)…献血応援イベント「アカギと鷲巣、どっちを救う!?」にて、まさかの蘇生。