概要
『アカギ〜闇に降り立った天才〜』に登場した、藤沢組の代打ち。反っ歯と先端が箒のようなオールバック、相手を舐め回すような目線が特徴の関西弁の中年男。
ニセアカギの対戦相手として登場し、最初は気弱で平凡な打ち筋を装い、ニセアカギ相手に下手に出るが、本性は狡猾で、彼より数段格上の打ち手。
基本的に相手の打ち筋を観察してから一気に攻勢に打って出るスタイルであり、相手の出方を探りながら逃げる猶予を残しておくなど、上記の狡猾さに加えて大胆さも持っている。
しかしアカギは「人間は危険が迫ると3つの行動に出る。そのまま突っ走るタイプ。迷わず引き返すタイプ。そして一旦立ち止まって様子を見る『保留する』タイプ」と一見大胆で豪気な打ち手を演じてる浦部を「麻雀でも保留するタイプ」と見抜き、「捨て牌選択に困ると必ず雀頭落とし(通れば次巡分の安全が買える、暗刻落としの類似発想。また、他の暗刻を一つ落としや適当な対子で頭にしなおしたり、最悪単騎待ちも可能な正に「場の変化を待つ保留の手」である。)で凌ごうとする」点を突いたアカギに信じられない大逆転負けを喫してしまう。
代償として藤沢組に両手を潰され、さらに負け分を全て借金として背負わされた浦部は、報酬を片手に野崎治と一緒に帰ろうとするアカギに「怪我が治って借金を返し終えたらもう一度勝負しろ」と迫る。
しかしアカギは平然と「怪我が治ったらなんて言わずに今ここでやろうぜ。お前が勝ったら借金は全て俺が肩代わりしてやるよ。その代わり俺が勝ったらお前の両手首をこの場で切り落としてもらう」と返され、意気消沈してしまう。
アカギは「ほらな。それがお前の限界だ。怒りにすら損得勘定を絡めるような奴とは、もう勝負する価値はない」と一瞥し、悔し涙を流す浦部を尻目にその場を去るのだった。
Vシネマ版では、大筋は同じだが結末が若干変更され、赤木に敗北した際の制裁が小指を詰むという形に変更されている。
また、その際に「ワシも博打打ちの端くれや」と他者からの強制ではなく自分自身で指を詰めケジメをつけるという、博徒としての矜持を見せ付けている。
※以下の文章には浦部のその後及び『HERO』のネタバレ情報があります。 |
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アカギに負け、藤沢組に見放されてから浦部は麻雀で全く勝てなくなってしまう。
日本に居場所が無くなり、なけなしの金をはたいて香港に渡航するが、やはり全く勝てずいよいよ後が無くなった浦部は当時「アジア最大のスラム街」と言われた九龍城へ。
そこでもロシアンルーレットに負け死亡、遺体は川に捨てられた…………が。
浦部は蘇った。
脳に埋まった弾丸に落雷が直撃し、奇跡的に蘇生したのだ。
それからは麻雀を始めあらゆるギャンブルで連戦連勝、湾が香港で浦を意味する事から大湾(ダーワン)を名乗り、マカオ最大のカジノグループ「湾グループ」を設立し、アカギへの復讐の機会を待っていた。
アカギ死去の報を聞いて一度は落胆するものの、復讐のターゲットを自分を追い出した日本(浦部が勝手に出て行っただけだが、浦部は見捨てられたと思っている)と、「アカギの遺志を継ぐ男」井川ひろゆきに変更。
『HERO〜アカギの遺志を継ぐ男〜』でカジノ利権に絡む第2次麻雀東西決戦の終盤に登場し、ラスボスとしてひろゆきの前に立ちはだかる。
なお、上記の銃弾が脳にある後遺症で、全身にチューブが付けられ、意識がある時間が限られており、最終戦までは代打に任せていた。
相手の余り牌や聴牌気配を巧みに察し、まるで相手の手牌を全て読み取ったかの如く打ち取っていった。
その超能力じみた凄まじい読みの正体は、手袋に仕込んだミニカメラ(今でいう手術で使う内視鏡カメラ)を全身のチューブに紛れ込ませて着用したサングラスに接続、投影して“相手の手牌を覗いていた”だけという、佐伯のホークアイには全く劣るものだった。