概要
『山海経』の「海外西経」に記される奇妙な獣。
巫咸国の東に棲んでおり、体の前後に頭がある豚のような姿で色は黒い。
また「大荒西経」には屏蓬という表記で紹介されており、左右に頭があり毒気を吐くとされることもある。
中国語ではピンフォン(Bingfeng)、上古中国語ではペンポン(Pengpong, peŋpoŋ)、広東語ではペンフォン(Bingfung)、韓国ではピョンボン(Byeongbong)、ベトナムではティンフォン(Tinh Phong)と呼ぶ。
山海経の注釈を書いた郭璞(カクハク)によると、双頭蛇「弩弦蛇(ドゲンダ)」と同じ類であるとされる。
中国の長い歴史の中では、豚は多産であるため、飼育下において確率的に多重体児を目撃する機会も多かったと思われ、そのように生まれた双頭の子豚が元になっているという説もある。
創作での扱い
- 水木しげる作品
『中国妖怪辞典』では目撃して驚いている人々と共にリアルタッチに描かれており、奄美大島のお化け豚片耳豚、耳無豚とからめて解説されている。
- 陰陽師~平安妖絵巻~
捕えて見世物にしようと狙われている普通の「并封」と、噛まれると病にかかり七日七晩苦しませられる青黒い「病并封」が登場する。