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弟切草

おとぎりそう

1992年スーパーファミコン用ソフトとして発売されたチュンソフトのサウンドノベル第一弾。 後プレイステーションでリメイクされた。
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曖昧さ回避

  1. オトギリソウ科の多年生植物オトギリソウ
  2. チュンソフトから発売されたサウンドノベル。及びそれに関係する小説映画本記事で解説
  3. ゲーム「フラワーナイトガール」で登場したこの植物をモチーフとした擬人化キャラクター

 →オトギリソウ(花騎士)



概要

サウンドノベル第一弾として登場し、その大ヒットによりゲーム界にジャンルを普及させた。

基本的にはホラー作品であり、突然挿入される数々のショッキングな演出は、初見のプレイヤーを震え上がらせた。


弟切草の特徴は、その選択肢による展開がバラエティ豊かなことで、ホラーミステリーサスペンスサイコオカルトコメディーと多岐にわたる。そのため選択肢の選び方によっては、悲劇を予感させる暗くシリアスな流れから、いきなりスラップスティックコメディに移ったりなど、落差がひどい展開も珍しくない。


一定の条件を満たすと最初の選択画面の栞の色がピンク色になり、アダルト風味(あくまでも風味)な展開が追加される。この「ピンクのしおり」は、後に制作された同社のサウンドノベルゲームでも採用されている。


弟切草は当初スーパーファミコン用ソフトとして発売され、後にPlayStation用ソフトで「弟切草 蘇生篇」のタイトルでリメイクされた。

蘇生篇ではムービーシーンの追加やシナリオの大幅な加筆修正が行われた。また、サウンドノベルシリーズの次作となった街 〜運命の交差点〜から取り入れられたザッピングシステムにより、主人公から奈美の視点に切り替えてストーリーを進めることが可能となった。


サウンドノベル最初の作品ということもあってシステムが荒削りであり、アミダくじのような分岐で上記の通りコロコロ展開が変わるため、リメイク作品でもフローチャートが実装できなかった。

それでも当時としては非常に斬新なタイプのゲームであり、弟切草のヒットにより、商業・非商業を問わず多くのサウンドノベルゲームが制作されることになった。


ストーリー

主人公の青年とその恋人・奈美が、青年の運転する車で山へドライブに出かけた、その帰り際。

うたた寝をしていた奈美がふと目覚めたとき、道脇に咲いていた黄色い小さな花を見つける。

青年は、あの花は「弟切草」だと告げ、その花にまつわる伝承を語り聞かせた。


その直後、突発的な出来事により事故に遭遇、二人は無事だったが車は大破してしまった。

さらに雨も降りだしたため、とりあえず雨宿りが出来る場所を探そうと、二人は懐中電灯を頼りに山道を歩き出す。やがて森が開けた先に見えてきたのが、庭一面に弟切草が咲いている古びた洋館だった。


助けを求めて洋館の扉を叩くも反応はなく、差し迫った事情に追われた二人は、仕方なく洋館に侵入する。

しかしそれは、恐怖の一夜の始まりであった……。


登場人物

主人公(※蘇生編でのデフォルトネームは公平)

本編の主人公で、大学生。恋人の奈美とデートに出かけた帰り車の不調から事故を起こしてしまう。

弟切草の謂れの他にも、精神医学や猟奇殺人に関する知識があるなど、意外と博識。選択肢によっては、スケベだったりヘタレだったりといった一面も見せる。


奈美

本編のヒロイン。わがままな所もあるが、天真爛漫な憎めない性格。主人公と共に迷い込んだ洋館で、自らに関わるある重大な秘密を知る事になる。なぜか主人公とすぐにはぐれる。


ナオミ

奈美の生き別れていた双子の姉で、洋館の住人。

選択肢により導かれるシナリオ次第で、性格や生い立ちなど、設定が大きく変化する。


直樹

奈美とナオミの弟。

姉・ナオミ同様、シナリオ次第で様々な正体を見せる。登場ルートが限られるため、存在自体が無いこともよくある。


ミイラ

弟切草の話題になると決まって経験者が口を揃えるみんなのトラウマ

ストーリー上必ず一度は出会うことになるが、意外な場所で登場することもあるので気が抜けない。後に物語の伏線となることも…。


SFC版では顔の半分だけ登場するが、左右どちらから出るのか予測するのが難しく、出るシーンで画面を半分隠すという処置をとっても見事に反対側から出てくることもあるため、SFC版のミイラの方が怖いという人も多い。ギャグルートであってもビビる存在。


西洋の古びた甲冑。中はガランドウなのだが、神出鬼没で落ち着きが無いヤツ。剣を持っており、度々主人公らに襲い掛かる。ギャグルートでは「RP23G君」とロボット扱いされることも。変形・合体はしません。


怪魚

ミイラと鎧と並ぶ屋敷の三大怪異。しかし、主に特定ルートでしか出ないので他の二人(人?)に比べると出会わずにエンディングを迎えることも。



シナリオ

火傷編

ナオミと奈美、姉妹が幼い時に、奈美の過ちによって起きた火事でナオミが火傷を負い、それが原因で不幸な人生を歩むことになったナオミが、奈美への恨みと嫉妬から復讐を企てる。

ナオミに襲われ何とか逃げ切る二人だが、館が炎に包まれ分断され別々に脱出を決意。

無事脱出した公平は奈美を見つけ館から離れた。公平の目の前で館が崩れ落ちていく。そのとき……。


※製作時に最初に考案された結末とされ、みんなのトラウマの一つ。SFC版のみ、途中で2ルートに分岐しており、両方通らないとピンクのしおりに変化しない。


双子編

館の呪いによって双子が産まれ、その双子が母親を殺してしまうという。だが真実は逆で、必ず双子の娘を産み、その娘を自らの手で殺してしまうというものであった。

死んで幽霊となったナオミは、奈美を連れて今度こそ一緒に殺されるからと母に約束し、呪いの儀式は今まさに実行されようとしていた……。


ライラック編

奈美の母とナオミの三角関係が織りなす恋愛話。

怨念により、公平は白髪の老人に、奈美はミイラにされてしまう。それでも奈美を愛していると叫ぶ公平を見て、今度は奈美を連れ去ってしまう母。そして死者であり幽霊となったナオミもそこにおり、ナオミの部屋には一輪だけ飾ってあるライラックの花があった……。


ぼくの海編

幼き奈美の過失による火事が原因で、心を病んでしまったナオミの話。

「海に沈めてほしい」と言う直樹の遺言通り、ナオミは遺体を「直樹の海」に沈めた。ナオミの日記の最後には「母さん、奈美と一緒に直樹の海に行きます」と記されており、二人はそれがホールに置かれている水槽だと気づく。その水槽で見たものは……。


※火傷編の派生なのだが、たった1つの選択肢からでしか来れないので、最初に見ないと割と忘れられやすい。「ナオミの妄想編」とも呼ばれる。


SFC版の最初のプレイで見られるのは火傷編・ぼくの海編・双子編・ライラック編のみ。

どれか1つを最後まで見れば選択肢が増え、更なる話が追加される


シャドウ編

奈美が「シャドウ」に憑りつかれてしまう話。

館では超常現象やポルターガイスト現象が続いた挙句、ナオミはある日突然ミイラになってしまい、母は館と同化してしまったという。公平は当初、それがナオミの「シャドウ」の仕業だと考えるが、ナオミ、そして館の母の導きで真実を知る。「シャドウ」はナオミのものではなく、幼い頃に養女に出され、1人だけ家族と引き離された奈美のものだったのだ。そしてその事実を知った奈美は……。


※PS版では奈美を見捨てるエンディングもある。もちろんピンクのしおりの達成条件。


怪魚編

怪魚となった弟・直樹をナオミが元に戻そうと奮闘する話。

奈美の母親の運転する車が事故を起こし、奈美の弟・直樹は自由に動くことができない身体になってしまった。思いつめた直樹は魚になることを望み、「悪魔の書」による儀式により怪魚と成り果てる。直樹を人間に戻すには、ナオミと奈美の血が必要であり、ナオミはそのため細工を施して、奈美を館に呼び寄せる。しかし、妹を傷つける事が出来なかったナオミは、自分の血だけで元に戻す儀式を決行するのだが……。


※SFC版ではこのエンディングを見ることでギャグ選択肢が解放される。


食欲の権化編

直樹の食に対する欲望が肥大化した話。

父親が家族の食べ物まで奪い続けた結果、弟・直樹は栄養失調で死亡。その後、館の妖力により怪魚として蘇った直樹は家族を襲う。やがて食い殺された家族は、父親は何も食べられない鎧に、母親は水分のないミイラに、姉・ナオミは美しいゴーストとなり復活した。怪魚は唯一残った家族である奈美を館におびき寄せ、主人公もろとも食らおうとするが……。


※この時2人は裸のままEDを迎えたが、どうやって帰ったのかは不明。


モンスター一家編

弟切草の伝承が生きてくる話。

奈美の家族は「イギリスのドラキュラ伯爵とフランケンシュタイン男爵、それにヨーロッパの魔女とエジプトのミイラの血が流れている」という複雑な家系で、父は鎧、母はミイラ、直樹は怪魚、ナオミと奈美はバンパイヤであった。

父親は人間のミニ生首をコレクションとしており、公平もそのコレクションに加えようとする。覚悟を決めた公平が、ミニ生首の作り方である秘伝の薬は「弟切草」かと尋ねたら……。


ピンクのしおり

ナオミの失恋が起こした話。

ナオミはとある青年実業家と恋に落ちたが、遊び人の青年に捨てられてしまう。ナオミは憎悪のあまり相手を殺してしまい、館の壁に塗りこめた後自殺。館は怨念の塊となった。

そこに現れたのが、件の青年に瓜二つの公平と、ナオミの双子の妹である奈美のカップルだった。

青年の人魂は奈美に、ナオミの人魂は公平に纏わりつき、2人を自分の物にしようとする。人魂の齎す快楽に身を捩りつつ、必死に抗おうとする2人だが……。


※何の脈絡もなく、食欲の権化とモンスター一家からエンディングだけ来ることが出来るのが特徴。メタなネタが多く、最後のルートに相応しい内容。


追加エンディング

食欲の権化編・モンスター一家編エンディング後

①2人に突然スポットライトが浴びせられ、奈美の家族たちが拍手で迎える。全ては奈美の家族が公平を試すために仕組んだことだった。

→これを見た後に再度選択肢追加

A:奈美の家族に祝福され終了。

B:公平の評価は残念ながらギリギリ不合格だった。そのため追試としてもう1回ゲームをやることに……。


②全てが終わった後、突然奈美に血を吸われる公平(たとえそれが権化編からの続きでも)。意識が朦朧としていく……。

→これを見た後に再度選択肢追加

A:ドラキュラになって奈美の血を吸い返すことだけを考えた公平。気がつくとスポットライトを浴びせられ……(以下、①と同展開)

B:なんで奈美はドラキュラになったのか考える公平。2人はコウモリに変身し夜空へと去っていく。


ピンクシナリオエンディング後

追加される選択肢でBを選ぶとスポットライトの展開になる。

以下、Aを選んだ場合。


丘の上に誰かがいる、それは奈美の家族であった。

全てはイタズラ好きな奈美の家族が仕掛けた、大掛かりなイタズラだったのである……。


→これを1回見た後に選択肢もなく追加

突然現れた奈美の祖父。祖父は公平に合格点の70点を与える。

そして2人は、2人だけのシアワセ時間の再開をする……。


→これを見た後に再度選択肢追加

Bを選ぶと採点違いで追試の展開になる。

以下、Aを選んだ場合。


合格点70点は間違いであった。公平の本当の点数は、文句なしの100点だったのだ。

公平は奈美の家族に祝福され、素晴らしい時間をプレゼントされる。


→これを1回見た後に選択肢もなく追加


翌朝の帰り道編

奈美の家族と楽しい一夜を過ごした2人は、発明家の奈美の祖父に直してもらった車で帰路につく。その途中、丘の上で2人が見つけた小さな墓。それは、奈美の父親、母親、ナオミ、直樹、そして数年前に崖崩れで亡くなったという祖父のものだった……。


翌朝の帰り道編はスタッフロールの最後が「終」ではなく「完」になっており、これこそが弟切草の「真のエンディング」になっている。



メディアミックス

作品のヒットを受け、コミックスやゲームノベル、小説、映画が製作された。


小説では公平→松平公平 奈美→菊島奈美 ナオミ→有栖川直美

映画ではナオミ→階沢直美


直樹は小説版では公平の弟になっている。



余談

  • このゲームの発売以後、チュンソフト発売の「不思議のダンジョン」シリーズに、回復アイテムとして弟切草が登場するようになった。性能的には薬草の上位という位置づけ。
  • PS版リメイクのソフトには街〜運命の交差点〜の体験版が収録されている。
  • 発売当時はピンクのしおりの画面を撮影してチュンソフトに送ると、開発陣による同人誌が送られるというサービスが行われていた。
  • ヒロイン奈美の主人公の呼び方が、呼び捨てだけでなく「くん」「さん」「様」「どん」「殿」「先生」「星人」等、プレイごとに色々変わる。シリアスなシナリオも「どん」だったり「殿」だったりするとそれだけで台無しである。火傷編のクライマックスでは特にシリアスブレイカーぶりがひどく、コミックスでこの点がネタにされたことも。


関連イラスト

企画:サウンドノベルのイラスト描きませんか?『弟切草』懐かしい系の閉じこめてみた

弟切草今日は奈美の誕生日だ!



関連タグ

ゲーム チュンソフト オトギリソウ レトロゲーム 不思議のダンジョン


忌火起草 同じくチュンソフトから発売されたゲーム。似た感じのタイトルだが特に関連は無い。

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