概要
レーザーディスクゲームが流行していた80年代に作られたレーザーディスクゲームの1作。
タイトーレーザーディスク・アニメーションゲームの第1弾として制作された(タイトーレーザーディスクゲーム第1弾は「レーザーグランプリ」、第2弾は「マッハ3」、第3弾は「コスモスサーキット」)。
忍の若者ハヤテが魔導忍者の軍団にさらわれた姫を救出すべく単身敵地に乗り込んでいくという内容で、LDゲームの人気を築いたシネマトロニクスの「ドラゴンズレア」とユニバーサルエンターテインメントの「スーパードンキホーテ」が西洋風な世界観だったのとは対照的である。
アニメーション製作は東映動画で作画監督は一休さん等で有名な我妻宏氏が担当し、作画レベルもOVAさながらのクオリティであった。
映像内のデバイス入力指示に従い、ボタンとレバーの入力を使い分けて、ハヤテに敵の攻撃の回避・的への攻撃を誘導しつつ、全18幕のシーンを攻略していく（厳密には一度のプレイで遊べるのは出現順固定の最終3幕分を含めた9シーンのみで、左前半から中盤にかけての6シーン分は残り15シーンの中からランダムで選ばれる）。
後年のタイムギャルに比べ、入力受付時間は比較的甘めなので難易度は易しい方だが、反面レバー入力が8方向となっているためナナメ入力が難しく、デバイスの入力指示がかなりのテンポの速さで連続するシーンもあるため、それなりに難しい。(一部、映像ごとの左右反転によって左右の入力が入れ替わるシーンも存在する。また、タイムギャルに比べて1シーンが長めで一シーンあたりの入力回数が多い）。
タイムギャル同様、本作もミス時のコミカルなリアクションが特徴だが、タイムギャルが日本の80年代ギャグアニメ的なエッセンスを取り入れていたのに対し、ドラゴンズレア等に見られるカートゥーンアニメ基調のこっけいなギャグ表現を主体としている。
ハヤテが敵との遭遇時やミス時に見せるこっけいかつ無様な表情にはアニメ版ルパン三世を意識したと思われる節があり、外見は二枚目でありながら肝心な時に三枚目化して無様な姿を見せるそのギャップがおもしろみをかもし出している(「忍者ルパン」と揶揄されていたりもしたそうだ)。
しかし、タイムギャルのようにゲーム中のキャラが頻繁に喋る訳ではなく基本的には叫び声や掛け声以外の台詞が無く全体的に静かで、ゲーム展開やキャラ造詣的に地味さが拭えなかったこともあり、タイムギャルほど知名度は高くなく移植作品も日本国内では長らくプレイステーションとセガサターンで発売されたタイムギャルとのカップリング移植しか無く、いずれもプレミア価格となっていた(タイムギャルは2017年に単独でアプリ化しているので安価で遊ぶ事が出来る)。
その後、2023年12月にタイムギャルや家庭用ゲーム初移植となる「宇宙戦艦ヤマト」を含めたオムニバス移植作品としてNintendoSwitch用ソフト『タイトーLDゲームコレクション』にリマスター版が収録された。また同タイトルの発売と同日に単品版がダウンロード専売でリリースされた。
登場人物
メインキャラ
- ハヤテ
本作の主人公。ケツアゴがトレードマーク。
タイトルの通り忍者で、刀を始め爆薬などの飛び道具も扱える。
ビジュアルは渋めのヒーローながら、ギャグ的なリアクションが多く実際は三枚目キャラ。
服装が一般的な忍者に比べると肌の露出が多いので嬉しくないパンチラ(実際は褌)が何度かある。
なお、次々作のタイムギャルの最終面クリア時に主人公のレイカが表彰されているシーンにてハヤテがカメオ出演している。
- 姫
本作のヒロイン。彼女が敵の魔導忍群首領に拐われた事が本作の始まりであり、ハヤテは彼女を助ける為に魔導忍群の城へ潜入する。
ゲーム中ではボイスが無い。
魔導忍群
- 魔導忍者
魔導忍群に属する忍者達。
ハヤテとは違い、服装は一般的な忍者に近い。
城内至るところに現れハヤテを追い詰める。その中にはムササビの様に飛ぶ者もいる。
- 鎧忍者
鎧を纏った巨大な忍者。
見た目も中身もからくりであり、肩から発射される丸型カッターが武器。
ハヤテを執着に狙うが、最後は自らのカッターで切り刻んだ天井裏が崩れ下敷きになった。
- 蛇くの一
ピンク色の髪の毛が特徴のくの一。
だが、その正体はゴーゴンのような妖怪であり、真の姿は髪が無数の蛇に変化する。
最後は隙を突いたハヤテの爆弾一発で倒された。
- 天井裏妖怪
天井裏から巨大な手で攻撃してくる謎の妖怪。
その正体は魔導忍者が操るからくりであり、最後はハヤテに仕掛けを破壊され崩壊した。
- 大怪魚
魔導忍群の城の池に生息する巨大な魚。
ハヤテを喰らおうとするも刀で左目を刺され岩山に激突。
- 土蜘蛛
鉄爪を武器とする紫色の肌の老人。
軽快な動きでハヤテを追い詰めるが、戦いの途中でハヤテが井戸へ転落したので決着は着かず。
- 人喰魚
地下水脈の最深部に生息するピラニアのような魚。ハヤテを食おうとするが逃げられる。
- 白髪鬼
名前の通り白髪が特徴的な壮年男性。
槍を武器に戦うが、ハヤテとの斬り合いの末、一瞬の隙を突かれ敗北。
- 烏天狗
城外で待ち構えている、火を吐く事が出来る烏天狗。
ハヤテが丁度綱渡りしている最中に現れ、彼が満足に身動きの取れない状況であった為当初は優勢に立っていたが、最後は逆に身体へ鉤縄を絡まされお堀に落水。
- 魔導忍犬
犬というよりは狼に近い狂暴な犬で、集団で行動している。知能も高く、ハヤテから奪った刀を咥えて振るうという技もこなす。
ハヤテが木に登った事で集団戦法を封じられ、そのまま逃げられる。
- 骸骨武者
墓場で地面から現れた亡霊武者の軍団。
地中を移動してくる上、斬っても再生する為正当法で倒す事は出来ない厄介な敵。
最後は爆弾によって纏めて吹き飛ばされた。
- 魔導邪神像
兵器工場の奥にある、姫が囚われていた地下洞窟で待ち構えていた巨大な像。複数の手に持つ剣を振るう。
最後は顔面に張り付かれた事でバランスを崩し、近くの溶岩の中に転落。
- 魔導忍群首領
本作の黒幕。かなりの巨体であり瞬間移動も使える。
ハヤテを天守閣の屋根上へ追い詰めると魔導三首竜へと変化、その名の通り三つの首を持つ巨大な竜であり圧倒的な力でハヤテを倒そうとするが、最後は雷に打たれ城を巻き込む形で倒れ、その衝撃で崩れ行く城と運命を共にした。
余談
- 概要の通り、本作の家庭用ゲーム機移植版は日本国内発売作は現状ではダウンロード版の単独配信されるまではタイムギャルとのカップリングしか存在しなかった為、pixiv上のイラストでもタイムギャルの主人公レイカとのカップリングが大半でハヤテ単体の物は少ない。しかしながら、海外ではメガCD用ソフトとして『Revenge Of The NINJA』のタイトルで単体のゲームとして発売されていた。
- 本作の出演声優に関して、詳細な表記は無いもののデモ画面時のナレーションとハヤテの声質から塩屋浩三では無いか？と一部で推測されている(ナレーションとハヤテ以外にも敵キャラの声も一人で担当しているものと思われ、これは次々作タイムギャルの敵キャラ全般の声優と推測される戸谷公次も同様)。
