性別:モフルン
せいべつもふるん
モフルンの性別は本編で明かされていなかったため、ファンの間では男の子として扱われることが多かった。
そんな中、2016年7月14日に秋の劇場映画魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!のあらすじや新予告が公開され、モフルンがプリキュアになる事が判明した。
プリキュアオールスターズNewStageの映画では女の子は誰でもプリキュアになれるというキャッチコピーが存在する。
モフルンがプリキュアになるということは性別が男の子ではなく女の子であると思われ、ファンを驚かせた。
だが、モフルンは元々ぬいぐるみであるため性別は存在しないことがスタッフのインタビューで判明。
キュアモフルンは初のズボン着用プリキュアということでも注目された。男の子でも女の子でもない「性別=モフルン」設定をテレビシリーズのスタッフが共有されていたため、そのまま引き継いだデザインとなっている。
ぬいぐるみ状態のモフルンはイラストを見ればわかるように見た目で性別を判断することは不可能で、TV本編中でも性別についてあえて言及することをしていない。
齋藤彩夏の独特の声質による中性的な口調の演技もあって、男の子と女の子ともどちらとも捉えることができる。
とはいえ、キュアモフルンの情報が公開されるまではモフルンを男の子と思い込んでいる視聴者が大半を占めていた。これはクマをモチーフにしたキャラクターは大抵はオスだからという刷り込みが大きい。
pixiv上のファンアートでもモフルンを男の子のイメージで捉えているものは多い。
しかし、モフルンに「女の子っぽい要素」があることを示唆するシーンは初期からいくらか作中に存在している。
9話で補習メイトが作ってくれたモフルン用の魔法学校制服がみらいら女子生徒とお揃いのデザインだったり、15話でモフルンがはーちゃんの成長を見守る自分自身を「はーちゃんのお母さん」と例えていたりしたので、放映が進む中で一部のファンから「モフルンは実は女の子なのか?」と囁かれるようになってはいた。
なお、当初の予定では、みらいに「喋れるようになるまではモフルンのことを今まで男の子だと思っていた」という婉曲的なセリフをしゃべらせることで、モフルンは実は男の子とは限らないのではないかという疑念を視聴者にわかりやすく提示するつもりであったようだ。それが尺の都合でカットされたために、モフルンの性別に気にかける視聴者は少数派のままとなり、キュアモフルンの姿が本編中のCMで初めて流れた時は子供だけでなく大人もびっくりすることになる。当時はSNSを中心に結構な話題となり、結果的には映画宣伝のサプライズ効果としては想定以上の効果を発揮した。
劇場版の情報が解禁された頃、モフルンの性別の扱いについてスタッフから明言されるようになった。
劇場版監督である田中裕太は「モフルンには性別はないという設定がテレビシリーズのスタッフ間で共有されていた」とアニメイトタイムスのインタビューで答えている(参考)。キュアモフルンがスカートではなくズボンを履いているのは性別に曖昧な部分を残すためであるようだ。劇場版プロデューサーの神木優もアニメディア9月号で同様の発言をしている。
テレビシリーズのプロデューサーの内藤圭祐とディレクターの三塚雅人が、放映終了後に刊行された『魔法つかいプリキュア! オフィシャルコンプリートブック』で「モフルンは性別がモフルンですので、男の子すぎず、女の子すぎず、中性的な感じができるキャストということで斎藤さんを選んだ」との発言をしているため、この認識は間違いないように思われる。
(一方、シリーズ構成の村山功は、アニメージュ9月号掲載インタビューで、「モフルンは最初から女の子だと決まっていた」と語っており、情報が若干錯綜している部分もある)
キュアモフルンの情報が公開されてからは、モフルンに女の子向けの服を着せて女子アピールするシーンは増えるようになった。第29話のモフデレラはその典型例でもある。
スタッフ間ではモフルンは男の子とも女の子ともどちらでも取れる中性的なキャラという認識だったが、実際は多くの視聴者がモフルンを男の子だと捉えてしまっていたので、バランスを取るために女の子アピールをある程度はする必要が出てきたところもあるかと思われる。
しかし、それはただ「モフルンが女物の服を着ているシーン」が映るのが増えただけであり、演技や口調が女の子っぽくなるわけもない。キュアモフルンの情報が公開されてからも作中では決してモフルンの性別を直接的に言及していないのも変わっていない。性別は曖昧にすることがスタッフ間で意識されているのは確かなようだ。
以上のことから結論づけるなら、モフルン自体は女の子っぽいイメージも男の子っぽいイメージも両方もつようなキャラでありどちらが正しいというわけではないが、キュアモフルンは「モフルンが持つ女の子っぽいイメージ」が強調された形態であるということなのだろう。
ちなみに、(ぬいぐるみ状態の)モフルンのキャラクターデザインを担当した宮本絵美子はアニメージュ10月号掲載インタビューで「モフルンは性別が意識されないようなデザインにしている」と語っている。
カップリングについて
モフルンには、モフみら、モフはー、オルモフ、チクモフ、クマモフ、等の様々なカップリングタグが存在する。
魔法つかいプリキュア!のキャラクターでもモフルンのカップリングタグの種類が最も多い。
モフルンは男の子でも女の子でもないが、「性別=モフルン」が明かされる前はファンアートでは男の子として扱われる作品もあった。
現在ではプリキュアに変身できたため、女の子として扱われる場合が多い。
玩具展開
2019年5月27日に一部のプリキュア妖精をモチーフにしたブロック型ぬいぐるみ「プリブロック」がプリキュアプリティストアから発売された。
「女の子妖精を集めた」と公式が謳ったそのラインナップにモフルンが入っていた(他の面子はミップル、パフ、キラリン、フワ)のだが、その後公式が
『女の子妖精という表現がありましたが、モフルンにおきましては「性別=モフルン」です。女の子でもあり、男の子でもあり、またどちらにも含まれません。』
と注釈を入れていた。
蛇足であるが、ラインナップに入っていたフワも女の子と扱われてはいるものの厳密には性別不明とされている(そのため、フワがドリームステージ限定で人間化した時もかぼちゃパンツを着用)。
プリキュアシリーズで性別を間違えられやすいキャラクター
明堂院いつき…一人称が「ボク」だったことや、男子制服を着ていたことから男の子だと思われていたが女の子。
ぐらさん…一人称が「オレ」語尾に「だぜ」と男口調で話すが女の子。
剣城あきら…一人称は「わたし」だが、男の子だと思われていた女の子。
ルールー・アムール…劇中では女性として扱われ、本人のアイデンティティも女性の物であるがアンドロイドなので厳密には無性。
ユニ…劇中では女性として扱われるが、レインボー星人のため厳密には地球の性別の概念に当てはまらない。
シュプリーム…性別が曖昧に描かれているため『男性なのか、女性なのか』という議論もあったが『(プリキュアの姿を模倣しただけの)超越存在であるため性別という概念自体が存在しない』というのが公式見解である。