概要
声:堀之紀
「サユリ」を代表作に持つ日本画界の巨匠である。
多数の弟子を抱えていて、幼少期に両親を失い天涯孤独となった喜多川祐介を引き取って育てた。一見すると好々爺に見えるが…。
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ネタバレ注意!!
世界に名を轟かせる日本画家は偽りの姿であった。その正体は弟子をあばら家に住まわせ、絵など碌に教えずにぞんざいに扱った挙句、彼らの作品を自分の作品として発表する画家を名乗るのも烏滸がましい人物である。実際に駅には彼に全てを奪われたであろう元弟子も存在する。
無論、代表作の「サユリ」も元は死期を悟った祐介の母が、祐介を思って描いたものであり、本来は赤ん坊を抱いた女性が描かれていた。作品が完成した折りに容体が急変、そんな彼女を斑目は「サユリ」を自分の作品にする為見殺しにし、当時3歳だった息子である祐介に勘付かれまいと彼を早くに引き取ったのだった(あくまで元々体の弱い彼女を見殺しにしたのであって、能動的に殺害したというわけではない)。なお、祐介の母親譲りの画才については嬉しい誤算だったと思っていたとの事。また、絵の中の赤ん坊を塗り潰した理由は「赤子を塗り潰せば女の表情の理由が謎になり、そこに俗人は惹きつけられ、寄生虫じみた評論家もそう評価すると言う“演出”をする為」と語っていた。
その所業から心の怪盗団の2番目のターゲットに選ばれた。
自分の家=パレスを「美術館」と認識しており、そこでの服装は悪趣味な黄金の衣装を身に纏った殿様のような格好をしている。戦闘の際には「マダラメ・アザゼル・イチリュウサイ」名義で参戦、額縁で構成された巨大な顔のようなボスで、全ての部位を破壊する事でマダラメ本体にダメージを与えることができる。なお、司る大罪は「虚飾」となっている。
ロイヤル版では「本物の贋作」なるスキルにより自身の贋作を、喜怒哀楽を冠した分身を生み出すという能力が追加された。だが何度も使わせたり、本体が疲弊していると……?
彼の有するオタカラの正体は金の額縁に飾られた「サユリ」。現実世界の本物が塗りつぶされてしまった以上、真実が描かれているのが唯一この認知世界からまろびでたものというのはなんとも皮肉である。
怪盗団にサユリを奪われ、狼狽える斑目に対して、フォックスは「有終の美くらい自分で飾れ」と吐き捨てる。
怪盗団の活躍で斑目は改心、謝罪会見を開き、号泣しながら人々の前で自らの罪を自白するのだった。その後は警察に出頭し、高齢を考慮され警察病院で事情聴取を行う事となったとの事。
また、怪盗団によって奪われた「サユリ」は祐介が所持していたが、最終的に佐倉惣治郎に託し、純喫茶ルブランに飾られる事になった。
確かに画家としてだけでなく、人間としても最低な人物であったが、根っからの腐りきった人間かと聞かれれば少々疑問符の浮かぶ部分もある。
確かに祐介はジョーカーたちの接触を受ける前から斑目の盗作のことは知っていたし、彼に悪人の側面があるかもしれないとは考えていたが、芸術など屁とも思っていない画家の風上にも置けない俗物であり祐介自身のこともカモだと見ているとは全く気付いていなかった。底抜けのお人好しというわけではなくそれなりに頭も切れる祐介がここまで斑目を信じ、真実を知って尚先生と呼び掛けて訂正したりなど、彼への情を捨てきれない場面が多々見られるのは、斑目の中にも悪魔に魂を売った外道のほかに「純粋に祐介を気にかけその成長を喜ぶ親代わり」としての一面があったからではないかと考えられるのである。
この説を裏付けるように、祐介のコープ内で登場する斑目の昔の知り合い(斑目とは異なり真っ当な文化人)は「赤ん坊の祐介が原因不明の高熱を出したと言って、斑目が助けを求めてきたことがあった」と語り、祐介を引き取り育てたことにただの保身以上の動機があった(もしくは最初は保身だったが、途中からそれだけではなくなった)ことを祐介にほのめかしている。
モデル
作中での言動からモデルは、盗作疑惑が問題視され史上初の賞を正式に取り消された画家「和田義彦」および、政活費の不透明な支出を指摘されて開いた記者会見で、号泣しながら自らの潔白を主張した地方議会議員「野々村竜太郎」と考えられる。いずれも現実の日本で社会的な波紋を呼んだ人物である。
余談
怪盗団が斑目の名前とその疑惑を知ったのはメメントスを初めて訪れた時のストーカーの「中野原夏彦」の改心するときにそのシャドウから聞く事になる。のちに「怪盗お願いチャンネル」経由で現実の本人に会い(アニメ版では顔を合わせないようにしている)、斑目の本性と祐介の本心を聞き、全会一致で改心を決意する。その後は不明だが、アニメ版及び「ザ・ロイヤル」斑目の改心のニュースを見ているシーンが追加されている。