概要
秋田みやびによるソードワールド2.0のリプレイ。挿絵は中島鯛。氏によるラフ設定画集が後に同人誌で出版された。
1巻はルールブックと同時期に発売(プレイ自体は出版前から開始)され、その後全11巻で完結した。
これは同作者による旧版ソードワールドのリプレイ『へっぽこーず』全10巻を抜いて、旧版・2.0含めた全てのソードワールドリプレイ集における最長記録である。
が、2012年秋には続編の新作『新米女神の勇者たちリターンズ』がスタートし記録を更新中。
舞台は南方のフェイダン地方であり、かの地で誕生した女神の名をいただく水の王国「ルーフェリア」。
だが巻が進むにつれ、舞台は同じフェイダン地方に存在する年輪国家アイヤールへとシフトしている。
2016年3月にはリターンズも完結を迎えた。
読み物としても、SW2.0のプレイング・マスタリング指針としても安定した評価を得ている傑作。
なおゲーム中でのパーティ名は「ぞんざい勇者団」(ニックネームではなく、システム的にちゃんと名誉点を使って名乗っている)。
物語
キャラクター(PC)
ジーク(ジークハルト・デーニッツ)
人間♂、ファイター/フェアリーテイマー/ライダー/バード
ぞんざい勇者団のリーダーにして、一応の主人公的存在(明確に主人公と語られたことはない)。
国家元首だろうが神の分体だろうが「ぞんざい」な態度で接する悪ガキ。
ただし根は重度のお人好しかつ熱血漢であり、リプレイ中の端々でそんな彼のマジな部分を見ることができる。
PCとしては色恋沙汰が割と多く、PTメンバーから好意を寄せられる描写がいくつか存在し、何度かNPCを口説いている(しかもすべて本気だったらしい)。
挙句の果てに実弟を相手に『こいつが女だったら危なかった』などと言い出す始末。
女好きな発言も多いが、PTメンバーからのフラグのみブレイクしまくっている。
現在はルーを嫁にすると言って憚らない(が、前述の通りその発言の後もNPCを口説いている)。
メッシュ(メシュオーン)
ルーンフォーク♂、グラップラー/マギテック/スカウト/セージ/アルケミスト
ジークの従者のルーンフォーク。主であるジークを英雄たらしめんと奮闘する。ジークと揃って悪巧みしたり(基本的に言うだけで実行はしない)、逆に突っ込んだりする事もある。
探索・先制を担当するスカウトのくせに、とんでもなく出目が悪い。1セッション平均1ゾロ6回。
華麗にジャンプしようとして1ゾロを振り、壁に激突する姿が挿絵にされてしまったことも。
非常に口が回り、他人をヨイショしたり口説いたりするための文句がすらすら飛び出す。
エア(エアリサーム)
エルフ♀、プリースト(ルーフェリア)/レンジャー/コンジャラー/セージ
ソーラリィムの姉。
パーティの常識人でツッコミ役。ただし信仰と妹ともふもふが絡むとその限りではない。
特に妹であるソラに対しては、過保護じみた溺愛をしており、当の本人からはしばしば鬱陶しがられている。
補助が彼女に集中しているのがパーティの弱点と指摘されている。
エルフとしては生命力がかなり高く、本人いわく「(服が)ぱつぱつ」。
妹ほどではないがジークに気がある様子を見せるものの、最近はルーの保護者として、彼女との結婚を望むジークを悪い虫として扱っている描写が増えている。
ソラ(ソーラリィム)
エルフ生まれのナイトメア♀、ソーサラー/セージ/フェンサー取得
エアリサームの妹。
放蕩癖の不良娘。プレイヤーの都合で7巻で離脱している(最終巻で復帰)。
離脱後、パーティはセージ不在という割と深刻な弱点を抱えることになった。
ジークのことを「お兄さん」と呼ぶ(実年齢ではソラのほうが遥かに上)など、彼に気があるような節があるが、ジークのほうではまるでその気がないらしい。
ロングの髪型をしていたが、自身のノリの良さと悪戯好きな性格が災いして大事件を起こしてしまったため、責任を感じて断髪し、以降ショートヘアとなっている。
リプレイ「With Brave」に登場した“クロノア”との関係はお察しの通り。
“成功者”ムーテス
リルドラケン♂、ファイター/エンハンサー/レンジャー/セージ/ウォーリーダー
元NPC、2巻以降PCとして加入。金と権力を愛してやまない商売人で、腰の低さに定評がある。
かつては飛空艇を私有する「成功者」だったが、事故で飛空艇を失い破産、一文無しに逆戻りした。
その際に飛空艇の『核』をとあるNPCに売却したのだが、そのことに絡んでルールブックにちらりと名前が出ている。
データ的には典型的な重装甲リルドラケンファイターであり、GMが嫌な目をする。
なお彼は18歳だが、リルドラケンは30歳で成人なのでショタ(自称)。
“茂みの悪魔”ニゲラ(ニゲラ・オリエンタリス)
人間♀、ファイター/アルケミスト/エンハンサー/プリースト
7巻でソラ・ムーテスと交代した。「……ですぅ」と間延びした語尾が特徴。
『絡み』と『賦術』、サプリメント・アルケミストワークスでの追加要素をフル装備している。
ジークが親の決めた婚約者ということが後に発覚。また、この時の事件が元で、ルーフェリア信徒として目覚めた。
イスミー(イスミーシャ)
タビット♂、マギテック/シューター/ライダー/セージ/スカウト/エンハンサー
7巻でソラ・ムーテスと交代したべらんめえ口調のタビット。
過去に仲間が全滅してしまった重い過去を持つが、見事にシナリオで設定を回収された。
肝心な場面で大ポカを二度もしでかしており、パーティ内での立場が底辺。
キャラクター(NPC)
“白峰の小女神”ルー
女神ルーフェリアの分体のひとりである少女。
まだ生まれてから日も浅く、ルーフェリアの信心が足りない場所では眠ってしまう。
ちょっとぽやぽやしたところのある普通の女の子らしい性格で、好奇心が旺盛。
ジークが「俺の嫁」発言をしており、本人も満更では無さそうな態度を取っている。
本体に比べれば強くないが、冒険について行った時のデータでは、プリースト14レベルでMPは無限。
リア
女神ルーフェリアの分体のひとり。ルーよりは若干年上でしっかりしている。
普段はルーフェリアの国内にいて、冒険者に依頼を出したりもしているとか。
“湖の大司教”バトエルデン・エラー
ルーフェリア神殿・大司教。
実質的なルーフェリア国の最高指導者である(王族(ルーフェリアの兄の子孫)は、国軍の最高司令官的立場にいる)とともに、Lvカンストのプリーストである最大戦力者。エルフであり、ルーフェリアの幼馴染でもあった。
なのに、リプレイ「滅びのサーペント」シリーズでは気軽に国外で冒険し、「大司教ぶらり一人旅」と言われている。「堕女神ユリス」シリーズでは妹が登場。
“執行者”フィルゲン
ルーフェリアの北方、「遺跡都市」ゼルブリスに拠点を構える子爵位(バイカウント)のドレイク。
ルーフェリアに対して大攻勢をかけるが、ぞんざい勇者団のせいで攻撃に失敗。その後、地底の別の蛮族集団を併呑して、テラードレイクバイカウントにレベルアップし、バトエルデンの【コール・ゴッド】で一撃消去はされなくなった。
「蛮族英雄」シリーズのアンセルムの「叔父のフィルゲン」との関係については(公式に)ノーコメント。
女帝セラフィナ
ルーフェリアの東方に位置する軍事大国「年輪国家」アイヤールの若き女帝。
自ら蛮族との前線に立って指揮を執るほどの武闘派。自身も高レベルのファイターである。
ミスティン
アイヤールの第一皇位継承権保持者。
病弱な、いわゆる「深窓の令嬢」だが、予知夢を見る特異体質の持ち主であり、この力を認められて継承権を得ている。
なぜかジークやメッシュのことをよく知っている。
ホーリエル
セラフィナやミスティンの妹で、通称ホーリィ。
ライフォス神殿に預けられているロリっ子。純真で、姉達の役に立ちたいと強く思っている。
ジャスティン
アイヤールの天馬騎士。かなり身分が高いらしかったが、それもそのはずでアイヤールの第三皇女。
性格は真っ正直で、陰謀に向かない。騎獣が大好き。
シフェナ
ウサ耳の付いたルーンフォーク。
かつてイスミーとは仲間だった。死んだと思われていたが、物語後半の重要なキーキャラとなる。
パジャリガー・セカンド
メッシュと同型のルーンフォーク。
かつてアイヤールで活躍した英雄パジャリガーの影武者として作られたことを誇りに思っているが、やることなすこと常に空回り気味。