概要
濱田浩輔氏による『週刊少年ジャンプ』の連載漫画作品『パジャマな彼女。』に登場する暴漢2人組。
痩せた長身の男性と背の低い男性の2人だが、いずれも本名は不明で、特に仇名なども登場していない。
本項では便宜上、前者を『暴漢A』、後者を『暴漢B』と呼称する。
登場話は『Vol.8 ズキズキ』『Vol.9 そんな事ないよ』の2回。
集英社刊行の少年ジャンプコミックスでは第2巻、講談社刊行の『新装版』では上巻にそれぞれ収録。
登場
主人公の目覚計佑と同級生の須々野硝子が、日暮れ時に買い物から帰る途中、海辺で2人で駄弁っているという登場の仕方をする。
暴漢Aは計佑達を「おー? アッツイねー。ホテル帰りィ?」とからかうが無視され、「だっせ。地味カップル」と悪態をつく。
計佑は「感じ悪いな…」と内心呟くが、そのまま硝子と2人で歩き去る。
しかし…
凶行
続いて本作のヒロインの1人である白井雪姫が通りかかると、今度は2人で立ち塞がり、彼女を軽自動車に連れ込むと何処かの学校の体育倉庫へ拉致する。
2人がかりで彼女をレイプしようとし、更に駆け付けた計佑を一方的に叩きのめすが、通報によって到着した警官に2人共あっさり連行され、出番は終了した。
以後言及は一切なく、どのような罰を受けたのかも不明である。
暴漢A
痩せた背の高い男で、頬はこけており、頬骨の目立つ顔をしている。髪はボサボサの黒髪。
蜘蛛の巣のような模様の描かれたシャツを着ており、初登場シーンではタバコを咥えていた。
雪姫に「おっカワイー。当たりじゃねコイツ」「よっしゃ今からパコろーぜ」と言い、車に連れ込もうとする。
それを振り払われると突然激怒し車を何度も蹴り付け、更にナイフを突き付け脅迫、抵抗する気力を失くした彼女を車に押し込む。
舞台が体育倉庫に移ると、ガムテープを猿轡代わりに彼女の口へ貼り付ける。
そこで暴漢Bから彼女がTVCMに出演している芸能人だと知らされると「ますます興奮してきた」と言いながらナイフで彼女の上着を切り裂き、更に顔の側に突き立てて徹底的に絶望させる。
Bに両手を縛りあげさせ、彼女の股間にまでナイフを近付けるが、そこへ計佑が駆け付ける。
しかし彼の攻撃をスウェーバックであっさり回避すると一撃で彼を殴り倒し、更に2人掛かりで何度も踏み付ける。
計佑が動けなくなると再びナイフを取り出し、「オメーみたいな王子様ぶってるヤツが一番ムカツクわ」「死ねやァァ!!!」と絶叫しつつその左胸に躊躇いなく突き刺す。
それでもしがみ付いて抵抗する彼を執拗に殴り付けるが、駆け付けた警官2人に取り押さえられ、連行されるところでその出番は終了した。
「ヒロインをピンチに追いやり、主人公が助けに来ることによって彼女からの好感度が上がる」という、そこだけ見れば恋愛漫画で珍しくない「ナンパ男ポジションのイベントキャラ」なのだが、とにかくその言動全てが常軌を逸しており、読者に強烈なインパクトを与える人物である。
対決にしても主人公の攻撃からは一切ダメージを受けておらず逆に一方的に叩きのめすという、所謂「主人公補正」が通用しない。
なにより自分がピンチになってからナイフを出したのではなく、相手を完全にグロッキーにした上でナイフを出し、一切の躊躇なく心臓を狙って突き刺し、更に「ニタァ」と笑って見せるその姿は、『狂人』『快楽殺人者』以外に表現のしようがない。
本名・年齢・職業・経歴など、一切の個人情報が不明であることも、既に何人か殺害しているのではないかという底知れぬ恐怖を感じさせる。
…その割に最後はあっさりと警官に連行されたが。
この漫画にはこの暴漢2人以外に所謂「悪人」が一切登場しないことも、その存在の突然性・特異性に拍車をかけている。
暴漢B
鎖の模様のシャツを身に付け、帽子を被った男。身長は暴漢Aの肩ぐらいまでしかない。
Aが雪姫を車に連れ込んだ際に運転を担当したり、彼女の両手を縛り上げたりと、その行動は主にAのサポートに徹するものだった。
また、彼女がTVCMに出演していることに途中で気付いた。
Aと2人掛かりで計佑を何度も踏み付けるが、彼が動けなくなると「もういいヤメロ」とAを制止したり、Aが計佑をナイフで刺すと「マ…マジで刺したの…?」と呆気に取られたり、Aと違って警官1人相手に抵抗もせず連行されていたことなどから、Aに比べればまだ良心や常識はある模様。
その他
暴漢Aにナイフで刺されたと思われた計佑だったが、雪姫からもらったストラップを胸に入れていたことで一命は取り留めた。
しかし肋骨を1本骨折したほか、小指にヒビ、左太ももの打撲といった重傷を負うこととなった。
