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罠です!“概要”は後ろです!
「本部の罠」とは、『地球防衛軍』シリーズでプレイヤーに対して地球防衛軍(以下EDF)本部が仕掛けてくる高度な罠である。
具体例としては
- 「敵は正面方向にしか居ない」と通信してきておいて普通に後ろから敵が来る
- 敵の巣穴に侵入したら、すでに突破してきたはずの入り口側から敵が来る
- 状況的に推測できそうな救援要請に対し、クリアな音声で「聞こえないぞ、繰り返せ」「通信妨害かっ!?」などと返される
- あからさまに不利な状況で隊員が無駄死にしそうでも撤退を許可しない
- 敵を退けた部隊に対し、呆然としながら「あの状況で生き残るのはありえない…」といった発言をする
などなど。
一応、どこぞの固定砲台のように援誤射撃してこないだけマシではあるが。
……と思われていたのだが、『地球防衛軍4』の追加ミッションパック3『絶望の先へ』に収録の『空爆地帯』では、ついに爆撃による援誤をかましてくるようになった。これならいっそ、どこぞの固定砲台のほうがまだマシである。
その結果プレイヤーの間では『本部は侵略者と結託して主人公の抹殺を企てている』等とネタにされるようになった。
まあ、地球防衛軍シリーズは未知の生物や超科学力を武器にする侵略者に翻弄され組織力が消耗していくのがいつものパターンであり、退路を確保するための部隊が敵の補充に追い付けなかった、救援が出せないほどに状況が逼迫していた、場合によっては隊員を捨て駒にしてでも避難の時間を稼ぐしかないと思っていたらまさかの反撃に成功して驚きのあまり語彙を失った…といった事情があるのかもしれないが。
ゲーム的に、敵が一方からしか来ないのでは単純すぎるという理由もあるのだろう。
地球防衛軍5では
本作では本部が積極的に精鋭部隊の増援や援護爆撃を手配し、味方が待つ場所まで後退してから迎え撃つよう指示してくれるなど、これまでとは打って変わって主人公の部隊をちゃんと扱ってくれる。
しかし最終局面に至って、敵の大ボスを倒せる唯一の可能性を持った主人公たちを守るため戦略情報部が発動した民間人に戦闘参加を命じる「オペレーション・オメガ」が発動。今度は主人公を生き残らせようとするあまり、守られるべき民間人が本部の罠を食らうという展開となってしまった。
デジボク地球防衛軍
シリーズクロスオーバー系のお祭り作品なこともあって、通信不調や撤退禁止など過去作で見られた本部の罠がお約束のネタ扱いで展開する。
しかもメイドシスター・シャパリュによって民間人にEDF側がいいように利用される事態まで発生。
このメイドの罠には総司令も「図ったなメイド!」と狼狽するしかなかった。
さらにはバズシスター・ハリムが徹夜で仕掛けた爆弾で寝ていたエルギヌスを起こしてしまい、空爆作戦を台無しにするといったとんでもないトラブルまで発生。EDF5でやられた「オペレーション・オメガ」の意趣返し…という訳でもないだろうが、全体的にEDFのほうが民間人に振り回される作品となっている。
本作は開幕の時点で地球が大ピンチになっており、そこで救助した民間人が部隊に加わってくれるため最初からオメガが発動しているような状態ではあるのだが、彼らは揃いも揃って逸般人にも程がある者ばかりであり、EDF隊員に負けず劣らずの戦闘力を持っている上に図太い神経の持ち主ばかり。ネタと化した本部の罠もなんのそので戦い抜く。
EARTH DEFENSE FORCE:INSECT ARMAGEDDON
海外主導で制作された外伝作品だが、EDF諜報部員のインテルが本部の罠的な立ち位置で登場している。
女性オペレーターのオプスから極秘事項に関して問い詰められてものらりくらりとかわし続け、終盤ではニューデトロイトに蔓延るラヴェジャーを一掃すべく作られた爆弾の爆発範囲内に取り残されたライトニングらを「許される損失」として見捨てるようオプスに提案するシーンもあった。
地球防衛軍6(ネタバレ注意)
デジボクを経て公式にシリーズ恒例行事と化した感のある『本部の罠』であったが、今作では初めて作劇上の理由付けがなされることとなった。
EDF5から続投している侵略者プライマーは、ある一定の期間まで戦争を継続して望む結果が得られないと判断した場合、タイムマシンを使って人類側の戦略や地下基地の場所といった情報、さらにそれを元にしたプライマーの新兵器や戦力を過去に送り、歴史を改変して優位を得ていた。つまりプライマーは戦況を事前に知っていたため、EDF5の頃から簡単に人類の裏をかくことができたのである。
しかし、ここまではまだ良かった。
DLC第一弾、EDF5の過去を描く『Lost Days』において、ついにプレイヤーがもっとも恐れていた事態が発生することになったのである。
この頃のプライマーはタイムスリップによる「やりなおし」の回数が少ないためか戦略が洗練されておらず、繁殖能力の高い怪物によって人類を追い詰めていたのだが、駆除が追いつかず人類の敗北が避けられないと判断した本部は大量破壊兵器『N6』の使用を決定。主人公がミサイル発射基地の防衛に参加したことで発射にも成功したのだが、撃ち込まれたエリアには踏みとどまって戦っている部隊が居た。
ついに意図的に友軍を犠牲にする前提の作戦が実施された上、主人公つまりプレイヤーが罠を仕掛ける側に加担してしまったのである。これには基地防衛戦に参加した兵士からも「兵士を捨て駒にしたな!」と怒りの声が上がっていた。
その後、怪物の繁殖地となった別の街に転戦した主人公だったが、あろうことかそこに先程とは別の基地から発射されたN6が直撃。主人公や他の隊員は勿論、怪物もろとも街も市民も消し飛んでしまう。この周における反省を活かし、プライマーは次の周からN6の発射基地を真っ先に攻撃し、占領または壊滅させることで使用出来なくさせる改変を行うことになり主人公は生き残れるようになったのだが、『正真正銘、本部の罠によって主人公が抹殺される』という展開に多くのプレイヤーが衝撃を受けることとなった。
更にDLC第二弾『Visions of Malice』でも衝撃的な展開が描かれた。
EDFが作り上げた対プライマー局地戦シミュレーターの管理AIであるマリスは「非現実的なレベルの劣勢を体感させ兵士をプレッシャーやストレスに慣れされる」事を従順に遂行しようとしているが、マリスの用意した難問を次々とクリアしていく主人公に対しては「想定通りにストレスがかかっていない」と認識してしまい、敵の数をありえないほど増やしたり、物理的にあり得ない状況に設定したり、ニセ情報を流して混乱させようとしたりといった極端な行動に走り始める。
戦略情報部のメインフレームを無断利用し業務に支障が出る程の負荷が掛かるシミュレーションを作り出し始め、挙句の果てにプライマー側として人類抹殺シミュレーションをしようとするなどと、あの手この手でシミュレーターの難易度を急激にインフレさせていき、そして最後の難題、リングとの戦闘を突破されると、プライマーに情報を送信しようとするなど利敵行為にまで走り、それを目的にしたアップデートが実行されかけた。
不正アクセスに勘づいた情報部がマリスを強制終了させたことで事なきを得たのだが、前述した『本部は侵略者と結託して主人公の抹殺を企てている』というネタが形を変えて実現したかのような展開であったため、こちらも多くのプレイヤーに衝撃を与えた。
EDFによる偏向報道
YoutubeのD3パブリッシャー公式アカウントより配信されている各シリーズのPVはEDF広報部によるプロパガンダ放送という形になっている。
TV局のニュースを遮る形で電波ジャックを行っている上、内容はと言えば戦時中の大本営発表よろしくEDF劣勢の絶望的な戦況を完全に隠蔽し、肯定的な面ばかりを取り上げ入隊を呼び掛けたりするというもの。同広報部は民間放送のニュースを「悪質なフェイクニュース」として注意を呼び掛けている。
何故か天気予報を挟むのがいつもの展開で、デジボク地球防衛軍に至ってはついに自前のチャンネルを開設したらしく、深夜のカウントダウン番組を放映していた。