概要
東武鉄道が保有・運用している通勤形車両。同社の旧形車両・7300系の代替目的として、地下鉄直通の9000系をベースに地上線専用として1983年にデビューしたのが本系列である。
10000系以降の通勤形車両は番号が5桁になった。これは8000系の番号が足りずにインフレナンバーとなった事の反省を踏まえたもので、下2桁は製造順、百の位は編成両数、千の位は号車(浅草・池袋側から1、2、3……)、万の位は「10000系」を意味する1が付与されている。10000系の番号の付け方は、以降の東武鉄道の通勤形車両においても踏襲されている(20000系、30000系、50000系、60000系、70000系・・・)。
1988年からはマイナーチェンジ車として10030型(10030系)が製造されている。詳しくは「東武10030系」の記事を参照。
東武10000系(10000型)
1989年までにかけて10両固定編成4本、8両固定編成2本、6両固定編成9本、2両固定編成4本の計118両が製造された。
乗務員からの通称はガチャマン。これはブレーキハンドルが接点式で常用7段と非常の位置に刻みが入っており、ブレーキ操作の際に「ガチャガチャ」と音を鳴らすのが由来。10030型と区別するのに用いられる。
最終製造年の車両は東武東上線の8両⇒10両化に伴う中間増結車で、既に10030型の製造時期に移行していたが外観統一の為コルゲート車体のまま落成した(床材の色や一部補器類の仕様は10030型に合わせられている)。
- 11801・11802編成:東上線向けに登場。2008年の東上線池袋口全列車10両編成化に際し、本線(伊勢崎線)系統で使われていた11201・11202編成を転属させて10両を組んだ。その後、東上線にデジタルATCを導入する際、2両編成側のATC車上装置の取付スペースが不足することが判明したため、30000系との車両トレードにより2015年に本線系統へ転属。その際リニューアル工事が行われた。現在は伊勢崎線の8両限定運用を担当。
- 11003〜11006編成:東上線向けに登場。もともとは8両編成であったが、先述の中間車増結により10両編成化と改番が行われた。10000型の中で唯一リニューアル工事が行われていないグループ。11004編成は故障のため2019年から長期休車となっていたが、2022年に北館林へ廃車回送された。
- 11601~11609編成:本線(伊勢崎線)系統向けに登場。2007年~2010年にリニューアル工事が行われた。11606・11609編成はダイヤ改正による車両余剰と部品取りで、2023年に北館林へ廃車回送された。
- 11201~11204編成:本線(伊勢崎線)系統向けに登場。11201・11202編成は上記の通り東上線へ転属したが、車両トレードにより本線系統へ復帰し、その際リニューアル工事が行われた。その後11203・11204編成についても2017年にリニューアル工事を実施している。2020年、館林地区のワンマン運用増加に際し、このグループを対象にしたワンマン化改造が行われた。