CV:関智一
概要
高等部1-A組の男の子。
嘗ては有望な剣道部の部員だったが、大会前に怪我をしてしまい出場出来なかったことで荒れており、剣道部も退部して孤立していた。
藤乃静留によって生徒会に拾われてからはある程度落ちつきを取り戻したが、何事にも冷めた態度を取るようになり、何かに意気込むことを忌避する性格となってしまった。
宗像詩帆とは幼馴染の関係であり、慕われているものの本人は妹のように感じている。
鴇羽舞衣とは会う度にいつも言い争うぎこちない関係が続いていたが、「黒曜の君」との最終決戦において彼女に愛を告げている。
全てが終わった後は正式に舞衣と交際し始めた。
但し、時々彼女に黙って合コンに参加している模様。
他媒体において
『漫画版舞-HiME』
本作では主人公に立場が変わっている。
過去に巻き込まれてしまった事件が原因で学校に居られなくなり、風華学園に転校してくる。
アニメ版の主人公である鴇羽舞衣は既に在校しており、玖我なつきにとってもチャイルド「デュラン」を生み出す『鍵』となっており、「ドレイ君」と呼ばれつつも想いを寄せられている。
アニメ版に比べると漢気ある性格になっているが、幼馴染の詩帆を庇ったためとは言え自身は怪我(保健医の鷺沢陽子が診た際、治癒に特化した彼女のエレメントでも治せず、無理をすれば最悪腕が動かなくなると言ったほど)を負い、暴力事件の当事者になってしまったせいで剣道部が出場停止になったことにより先輩から理不尽な暴行を受け、その時に言われた「頭の良い生き方」という暴言が深刻なトラウマとなってしまっていた。
祐一自身には非は無いのだが、転校初日に巻き込まれた事件などが原因で、武田将士・珠洲城遥・女子生徒達から「肉欲獣」「破壊魔(デストロイヤー)」と呼ばれてしまっている。
最終的に「頭の良い生き方」の呪縛から解き放たれ、媛星チャイルド・ヒルコとの最終決戦後、「黒曜の君」として犯してしまった所業故に未来に不安を抱える鴇羽巧海に、「とやかく言うような連中がいたら俺達が黙っちゃいない」と言って勇気づけた。
『漫画版舞-乙HiME』
本作の終盤、マイスターローブを纏ったアリカ・ユメミヤ&ニナ・ウォンと共に風華宮へ乗り込んだマシロが鏡の中の悪夢に囚われた際、左腕に傷を持つ男が登場。
マシロを叱咤激励して自分を取り戻させ、彼に真の王者の資格である『真白なる金剛石』の貴石が填め込まれたカグツチの剣を与えた。
その際、MAIを始めとした歪んだ記憶を植え付けられ戦いを強要させられているHiMEを救って欲しいと言っている。
そして、マシロがカグツチの剣でMAIとそのチャイルドたる「黒いカグツチ」を倒した後、魂を解放された彼女とミコト、ポチの魂と共に、マシロに未来を託し、昇天した……。
尚、真白姫が持っていたペンダントに封入されていた写真に写っているヴィントブルーム国王と容姿が似ているが、詳細は不明。
MAIの回想で初登場した時は、前作最終話の後、舞衣との間に何か不仲になったことを思わせるMAIのセリフがあり、これに加えて、MAIの回想に映った光景は「祐一と思われる元凶が全てのHiMEを倒し聳え立っている」ように見える他、マシロに託すまでだが祐一が世界の運命を握るキーアイテムを所持していた点など、「祐一が前作終了後にHiME達と対峙した元凶」とも解釈出来る描写がされていることが、祐一に関して不穏な憶測を煽る原因となっていた。
しかし、前述した祐一の発言と、終盤に玖我深優だった頃の記憶が復活したミユ曰く過去に存在した高次物質能力者のデータを基に作られたコピーのHiMEは全員歪んだ記憶を植え付けられていたため、呪縛から解き放たれた舞衣はすぐに祐一に駆け寄っていることから、祐一との不仲を匂わす発言は本心ではなかったことが示唆されている。
だが同時に、前述した回想の場面が「全てのHiMEが何者かに敗北した中、祐一だけが諦めずに一人立ち上がり立ち向かおうとしている」とも解釈出来るため、本作の惑星エアルが、前作漫画版のラスボス「ヒルコ」の力を狙う者との死闘に祐一と舞衣達HiMEが敗北した並行世界における地球の成れの果てであることが示唆出来てしまうことになった。
余談
監督曰く、アニメ版での立ち位置は「ある意味萌えキャラ(笑)」で、祐一の台詞を女言葉に変換すると健気なヒロインに見えるとか。
最終決戦での活躍や、主人公である舞衣の心の支えとなる部分など評価する点はあるが、中盤から後半の優柔不断なイメージが強いため、微妙に賛否両論なキャラとなっている。
とはいえ、この作品の男性キャラは
・「舞衣さんと結ばれない世界なんて滅びてしまえ」と宣うラスボス(笑)
・病弱で想い人であるHiMEの足を引っ張ってしまったある意味ヒロイン
と、色々と残念なキャラばかりなので、彼等に比べればマシなほうかもしれない。
祐一はまぎれもなく一般人であるが、周囲の重要人物に与えた影響は大きい。
例えば舞衣が度々闇堕ちフラグを建てながら踏みとどまったのは、無意識下で祐一を心の支えとしていたためであった。
さらに黎人が半ば暴走して世界を滅ぼそうとしたのも、舞衣が黎人よりも祐一を選んだことが原因であり、そういう意味では、アニメ版舞-HiMEが最良の結末を迎えるための立役者だったと言える(事実、祐一が存在しない「舞-HiME戦(IXA)」では、舞衣と黎人が結ばれた代償に全人類が滅亡している)。
決して特殊な能力はないが、間違いなく「舞-HiME」において重要なキャラであった。