機甲服とは、戦車兵などが着用する軍服の一種である。
国家や搭乗する車輌によって様々な種類があるが、戦車という狭く過酷な環境で効率的に活動できるように他の軍服や戦闘服とは全く異なる形状のものが多い。
目次
1 概要1.1 機甲服の特徴1.2 デザイン1.2.1 ツナギ型1.2.2 セパレート型1.3 材質2 別名・表記ゆれ3 関連タグ機甲服の特徴
一般的に、狭い戦車内での活動の妨げにならないように少々ルーズ目のデザインである。
一方でポケットは隠しポケット、ボタン類は隠しボタン、腰部にベルトを有するものは極力露出を避ける構造となっている。
これは戦車が撃破され、脱出する際に引っ掛かって脱出の妨げにならない為である。
また、車外から脱出を補助したり、自力で脱出出来ない兵士を引き上げるために背中や肩部にドラッグハンドルが縫い付けられたり、丈夫なエポレットがあったり、襟を大きめにデザインされていることが多い。
戦車兵向けに支給されるブーツは、紐で縛りあげる半長靴型ではなく、単なるロングブーツであったりベルトで固定するものが多い。
これは脱出の際にブーツが引っかかってしまった場合、ベルトをナイフで切断すればすぐに脱いで脱出できるようにする為である。
デザイン
一般的に大きく分けてツナギ型とセパレート型の二種類が存在する。
ツナギ型
ツナギ型のものは身体に対する防御力に優れている。自動車整備士等のツナギ服を着用した経験がある者なら想像しやすいと思うが、どのような姿勢をとっても被服が破けない限り手足の先と顔以外の素肌が露出することは決して無い。アメリカ軍などが採用している形式である。
材質
機甲服には難燃性の繊維が使用される。これは、戦車内には火薬や燃料、潤滑油などの可燃物が多く存在し、弾薬庫に被弾した事による誘爆を除けば車輌火災によって撃破される可能性が高いためである。
第二次世界大戦の頃は、木綿製や羊毛製が一般的であった。
ドイツ国防軍や武装親衛隊で用いられたパンツァーヤッケ(パンツァージャケット)は厚手の羅紗生地で、丈夫で難燃性の観点ではかなり優秀なものであった。
第二次世界大戦後は、ノーメックス等の優秀な難燃繊維が開発されたため、それらが積極的に採用された。
自衛隊で使用される機甲服は難燃性ビニロンと綿の混紡である。