歓喜天
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かんぎてん
歓喜天とは、大乗仏教の「天部」の神である。
大聖歓喜大自在天、略して「聖天」ともいう。
漢訳仏典のある「毘那夜迦(ビナヤカ)」はヴィナーヤカ(無上)という異名に由来する。
ラクシュミーを原典とする吉祥天と異なり、両親はインド神話と同じである。
神である自在天(シヴァ)と烏摩妃(ウマー、パールヴァティ)の子であるが、
地上において人々に悪疫を広め暴虐を行い、人間の生贄まで要求する一種の「魔神」であった。
人々は観世音菩薩に祈り、祈りに応え十一面観音として降臨した菩薩は象頭の女に化身し抱擁し合う事で、
毘那夜迦王を鎮めたという。以後、彼は仏教の護法神となった。
抱き合っている二人の内、相手側の足を踏んで押さえつけているほうが十一面観音である。
歓喜天は天部の中でも極めて強烈な力を持つとされるが、一方でかつての荒ぶる鬼神としての性格を色濃く残しており、俗に「一に聖天、二に税務署」などというほど供物・感謝の念の取り立てが凄まじく、また祀り方を誤れば信徒であっても大きな災いを降すという。
そのため祀るにしても、抑える方の尊格である十一面観音菩薩の仏像やお札を自宅に置く事が多い。
「大聖歓喜双身天王」としての、男女の象頭神が抱き合った像を前にした本格的な儀式は、資格を得た僧侶の仕事である。
漫画『ディスコミュニケーション』では歓喜天の像が全編を通じて重要な役割を果たす。
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