概要
東方Projectに登場する八意永琳と西行寺幽々子のカップリング。
永琳は『東方永夜抄』、幽々子は『東方妖々夢』にそれぞれ初登場した。
『永夜抄』における「幽冥の住人チーム」ルートでは、二人は実際に対面(ただし自機は幽々子とペアである魂魄妖夢)し、スペルカード戦も行っている。
その後も二人は複数の作品に登場しており、『東方儚月抄』では直接の会話はないものの同じ場面に立ち、主に幽々子側からはその思惑のもとで永琳を意識する場面がある。
同作では、両者ともストーリーに大きく関与する人物たちである。
二人の要素
永琳は現在は不老不死である蓬莱人であり、幽々子はすでに亡霊であるため
いずれも本人自身の生と死については無縁の存在となっている。
永琳は今日でこそ永遠亭を解放し、いわば穢土である地上に住まうものとなっているが、かつては一種の浄土である月の都に所在した存在である。
今でこそ地上の「穢れ」も受け入れる彼女であるが、かつては月人としてあらゆる事物に寿命をもたらすところの「穢れ」を忌避する立場にあった。
一方の幽々子はすでに「 浄土の存在 」(八雲紫、『儚月抄』)であるため「穢れ」を持たず、この意味で永琳と幽々子は「穢れ」という面からは対照的な経緯を辿って今に至るともいえる。
性格面では、両者とも語り口のやわらかさも見られる一方でそれぞれ掴みどころのない飄々さも持ち合わせており、その笑顔の奥にある想いに辿り着こうとする者をひらりひらりと鮮やかにかわす様子も見られる。『東方文花帖』では、射命丸文も翻弄されている。
そして折に触れて威厳のある、揺るがない毅然とした姿勢をみせるなど、そのカリスマ性についても深く圧倒的な面を持つ。
加えて沈着冷静な状況判断や他者の心理を考慮した上での策略を組み立てるなど、その知識やセンスもまた卓越している様子がみられる。
それらの要素には、各人が積み上げてきたそれぞれの実践的キャリアを感じさせるものである。
この他、二人は過去のストーリーにおいてもそれぞれハードでシリアスな人物背景を持ち、壮絶な人生経験も持ち合わせていることも共通する。
詳細は「西行寺幽々子」、「八意永琳」記事の他、「西行妖」や「蓬莱の薬」などの関連記事を参照。
人間関係
それぞれの過去に深くかかわる人物として永琳には蓬莱山輝夜、幽々子には紫がおり、今日でもそれぞれにとって大切な人物である様子が描かれている。
また永琳にまつわる人物として綿月姉妹(綿月豊姫、綿月依姫)をみるとき、幽々子本人や紫なども『儚月抄』における第二次月面戦争を通してこの人物たちの関係図に加わったため、関係性が交錯することともなった。特に紫は永琳と幽々子の両方に深くかかわることとなったため、この三者による関係性は深みを増した。
なお永琳の視点においては、上記の関係を含む地上の存在と関与することになる経緯の大本は輝夜との関係に起点している。
この他それぞれの従者的位置づけにある人物として鈴仙・優曇華院・イナバと魂魄妖夢がおり、永琳と幽々子はそれぞれなりに各々の従者たちを指導したり見守ったりかわいがったりいじったりする様子が複数の作品において見られる。
この二人もまたゲーム上では『永夜抄』が初対面である。
二次創作においても鈴仙と妖夢が絡む際に永琳と幽々子も関連して登場しそれぞれの作品で絡むこともあるなど、永琳と幽々子はそれぞれの従者的人物を通しても縁を持つ。
行動範囲
両者はそれぞれ永遠亭や白玉楼に住まい、そこでそれぞれの仕事を行っている。
永琳は薬師・医師としての仕事であり、幽々子は冥界の亡霊の管理である。
永琳は必要性に応じて人間の里に往診に出向くことも稀ながらある他『儚月抄』では紅魔館も複数回訪れている。
幽々子は『東方萃夢想』等の作品で幻想郷の様々な場所に出向いている他書籍作品である『儚月抄』や『東方三月精』など複数の作品でも博麗神社にやってきており、両者とも普段の生活圏から離れたところにも顔を出すことがある。
異変
それぞれ初登場時に起こした異変の中心的人物であり、それらは永琳においては「月の位相をずらす」、幽々子においては「春を集める」という、いずれも自然現象またはその循環に大きく介入して意図的な操作を加えるという壮大な規模の異変であった。
一方で
先述のとおり、永琳は「死なない」存在であり、幽々子においても本人の死はない。
しかし幽々子は「死」を操る類の能力(「死を操る程度の能力」)を持つことから、先の「穢れ」という視点に加えその能力や存在を通しても、両者は対照的な側面も持つ。
永琳と同様の蓬莱人として「死なないもの同士」である藤原妹紅と輝夜は互いに「死なない」故に全力のぶつかり合いを繰り返すという人間関係を導くにいたったが、永琳にはそのような存在(輝夜にとっての妹紅、妹紅にとっての輝夜)は見られていないため、二次創作において、先述のように永琳と同じくシリアスなストーリーを持ち、性格的にも容姿としても大人びて描かれることのある幽々子との関係においてそれを見いだせるのでは、と物語を創作するものもある。
その他のタグ
「永琳 × 幽々子」のカップリングタグとしては本タグの他に「ゆゆえー」がある。
東方Projectのカップリングに特徴的な性質として、タグ名における前後左右がいわゆる「攻め」や「受け」を表すものとは限らないということがあり、それは「永幽々」や「ゆゆえー」についてもその要素がみられる。
作品によって意味を以て使い分けられる事もあれば、広義の二人のタグとしての利用という使用法もあり、それぞれの作品のニュアンスに合致するようなスタイルで用いられている。