曖昧さ回避
山東省の「泰山」
中国の山東省にある山。最高峰は玉皇頂と呼ばれ、標高1,545m。
道教の聖地「五岳」のひとつで、五岳でもっとも景仰され、ユネスコの世界遺産に登録されている。
「東岳大帝(泰山府君)」、「碧霞元君(泰山娘々)」と「眼光奶々」が祀られ、東岳大帝が最も重要な神位とされてきた。
古来より帝王が天と地に王の即位を知らせ、天下が泰平であることを感謝する儀式、「封禅」が行われる山であった。
試製陸上攻撃機の「泰山」
1941年、一式陸上攻撃機の後継機として、日本海軍が三菱に開発を指示した陸上攻撃機。
海軍の原案要求は双発機でありながら十二試中攻の1.4倍の速度、2.4倍の航続距離を持ち、同等の搭載量と武装、急降下爆撃能力を求めるものであった。
非現実的な性能のため計画は一時頓挫するが、1942年2月の研究会で三菱側から要求引き下げが打診され、急降下爆撃可能から緩降下爆撃可能に引き下げられ、8月に計画審査、9月に第一次実大模型審査が行われた。
しかし海軍からの追加要求が相次ぎ、設計は遅々として進まなかった。
7月の海軍機呼称方法改正により試製泰山と名を変え、最終仕様案の決定は1943年8月となった。
しかし三菱十七試カ号発動機(「火星」の18気筒版)の性能は予定を下回る見込みが大きく、度重なる武装や防弾の強化で重量増加した機体を支えられる見込みもなく、計画はほぼ停止状態となった。
1944年1月の軍需省への通達により試作中止が決定した。