概要
福島県庁によるエリア区分では、北の相双と南のいわきに大別されている。
いわきはいわき市のみを指す。
相双は北側の相馬地域(2市1町1村)と南の双葉地域(6町2村)に分けることが出来る。
東京電力福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所、広野火力発電所が林立する(福島県は東北電力の事業区域である)。
市町村一覧
市
名称 | 解説 |
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いわき市 | -
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相馬市 |
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南相馬市 |
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町
名称 | 解説 |
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新地町 |
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浪江町 |
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双葉町 |
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大熊町 |
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富岡町 |
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楢葉町 |
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広野町 |
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村
名称 | 解説 |
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飯舘村 |
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川内村 |
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葛尾村 |
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交通
浜通りの交通の主要ルートは主に2つ
1つは仙台方面から関東に接続するルートで、もう1つは中通りと接続するルートである
仙台方面から関東方面に接続するルート
関東から宮城に接続する重要な路線
中通りを通過する東北新幹線・東北本線・東北自動車道・国道4号はスタートとゴールが共通するため、比較対象とされやすい
比較的に中通りを通過するルートの方が車線数が多かったり、新幹線があったりと交通が豊かな傾向にある。
一方、浜通りを通過するルートの利点は、雪の影響を受けにくい点にある。
浜通りの気候は夏は涼しく、冬は温暖で雪が少ない傾向で、雪が積もることの多い中通りより浜通り経由の方が安全に早く到着できる場合もある(ただし、2022年現在、福島第一原子力発電所の近くは2輪車の通行に制限があるため、2輪車で仙台方面に行く場合は、中通り経由のルートがお勧めである)。
また、浜通りルートは中通りルートのバイパスの役割も持ち、2022年3月16日に発生した福島県沖地震で一部不通になった東北新幹線のカバーとして常磐線が利用されている。
中通りと接続するルート
浜通りと中通りを接続するルートで、山越ルートとなる
いわき側は、磐越東線・磐越自動車道・国道49号と選択肢も多く、道も比較的広い
一方相双側は、鉄道は無く(かつて存在した川俣線が浜通りに接続する計画が持ち上がったことがあったが、頓挫)、国道や県道は急カーブや幅員狭小だったりする道路が多かったが、2019年(令和元年)までには東北中央自動車道の相馬ICから霊山ICまでが開通したことで、大幅に相双側から中通りへの移動時間の短縮や利便性が向上し、2021年(令和3年)には霊山ICから伊達桑折ICが開通したことで、国道4号の接続したことで、より利便性が向上している。
大きな出来事
常磐線急行「北上」脱線事故
1957年(昭和32年)5月17日に発生した脱線転覆事故
常磐線の大野駅から長塚駅(現在の双葉駅)の間で、C6219牽引の特急北上が脱線転覆し、3名死亡43名重軽症の大惨事となった。
事故原因は常磐線の陸橋をくぐろうとしたトラックの荷台が橋桁にぶつかった影響で、軌道が歪んだことが原因であった。
東日本大震災・福島第一原子力発電所事故
2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災は、東北に大きな爪痕を残したが、浜通りも例外ではなかった。
浜通りでは、海岸沿いの自治体が多く、多くの自治体が津波被害を受け、さらに原発事故の影響を大きく受けた。
福島第一原子力発電所事故の後、中央部の双葉郡を中心とする地域は放射能汚染で立ち入り制限地域となり、浜通りは南部のいわき市と北部の相馬地方(相馬市、南相馬市など)に分断されている。
詳しくは、下記の項目を参照。
東日本大震災と原発事故の影響
前述の通り、2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災は、大きな被害を発生させ、特に津波被害は酷かった。
浜通りの場合は、その被害だけでも悲惨であったが、それに加えて福島第一原子力発電所で原子力事故が発生。
一部地域は避難を余儀なくされた地域もあり、後に時間経過や除染作業もあり、多くの地域で避難指示が解除されたものの、2022年現在も未だに避難指示が解除できない地域もある。
また、長年避難した住人の多くは、新たな環境に生活環境が完全に移ってしまい、避難指示が解除されたとしても帰らないと答える人も多い。
交通への影響も大きく、被災した常磐線の完全復旧は、震災から9年が経った2020年(令和2年)3月14日までかかった。