概要
TBSの特番『SASUKE』に出場している選手。第24回と第27回で完全制覇を成し遂げている。完全制覇を2度成し遂げた選手は第38回で森本裕介が2度目の完全制覇をするまでは唯一だった。番組側から「王者」などと呼ばれることもしばしばある有力選手。
テーマソングはアニメ『Blood+』の「Blood+ Grand Theme」。
人物
普段の職業は靴のハルタの営業マン。SASUKEへの初出場は第21回大会。2009年ごろから台頭し始めたSASUKE新世代組の筆頭選手であり、他の新世代メンバーとの年齢差もあって「新世代のリーダー」と呼ばれる。番組ではあまり触れられてないが実は兄がいる。
特徴
SASUKEのトレーニングをする際に「自作セットを作らないこと」をポリシーとしている。これは「型にはまった練習だと新しいエリアに対抗できない」ので「全てのものに万能に対応する」という漆原なりの信条ゆえである。普段の練習は公園や会社の屋上で行っている。
細身な体躯と強靭な腕力を併せ持ち、体操部出身なこともあり空中での体の制御能力は圧巻の一言。その身軽さや経験から他の選手が苦戦する3rd STAGEを得意とし、多くの選手が鬼門とするクリフハンガーも得意としており44歳にしてクリフディメンションを攻略している(40代でクリフハンガーを攻略した選手は漆原のみ。)。他の選手の挑戦と見比べてみても、安定感が群を抜いていることが一目瞭然なレベルである。中でも第24回での圧巻のパフォーマンスは目を見張るものがある。
しかし、その反面2nd STAGEでの苦戦が目立つ。なんといっても漆原が苦手とするのは「水泳」。現在2nd STAGEに設置されている水泳エリア「バックストリーム」は鬼門中の鬼門。また、軽体重であることが災いしパワー系種目を極端に苦手としており、第31回の1st STAGEに新設された「タックル」で苦しめられる場面も見られた(これら二つは漆原自身も嫌いなエリアとして挙げており、特にバックストリームに関しては「これなければもう一回くらい完全制覇できてた」と冗談半分ではあるが言うほど)。これら2つのエリアは一部では「漆原対策」などとも言われている。
また、漆原最大の特徴はそのリカバリー能力である。第23回でアンステーブルブリッジを掴み損ねた際に片手で残る、第25回ではダブルサーモンラダーの飛び移りに失敗するものの片方のバーの先端が引っかかり落下せず、更に第26回ではジャンピングスパイダーのトランポリンから壁への張り付きでバランスを崩したものの咄嗟の判断で後ろに飛び、コースアウトせずに対岸に戻るという人間離れした技を見せている。
苦労人・漆原
よく「突然現れてあっさり完全制覇した」などと言われる漆原だが、実際はかなりの苦労人である。
7歳の時、父を亡くした漆原は母と兄と3人暮らし。母曰く、SASUKEは初期から録画して見ていたのだとか。
SASUKE予選への初参加は2003年の第11回予選ながら中々出場権を得る事はできず、イベントでたまたま会った山田勝己が漆原のパフォーマンスを見て「どうにか漆原をSASUKE本戦に出場させられないか」と計らって兵庫県で独自の予選会を開催(東京在住の漆原にとっては結構遠い場所ではあったが、山田は事前に漆原には絶対来るようにと耳打ちしていた)し、その予選会を勝ち抜いたことでようやく初出場を果たした。その初出場は2008年秋の第21回と出場までに実に5年もの月日を要しており、SASUKEを志してから完全制覇するまでの期間は、実はあの長野誠よりも長い。
第24回、漆原が史上3人目の完全制覇を成し遂げた際に綱登り対策に履いていたゴム足袋に対し「ルール違反だ」などという的外れなクレームが殺到し、何とも後味が悪くなったことがある。実際にはこの時FINAL STAGEに進んだ5人のうち、ゴム足袋を履いていなかったのはリー・エンチのみだったのだが、実況アナが漆原の挑戦時にのみゴム足袋を強調して発言したことで、視聴者側には「漆原だけがゴム足袋を使用した」ように受け取られてしまった(実況アナ的には漆原の「靴屋」という特徴を活かしたクレバーな策をアピールするつもりだったのだろうが…)。ちなみに第27回、FINAL STAGEに挑んだ際に、漆原はゴム足袋を封印したうえで文句なしの2度目の完全制覇を達成している。ゴム足袋のクレームについてのことはSASUKE裏チャンネルで語られた。
長らく独身であったが、2018年に豊洲のSASUKEパーク運営に携わっていた女性と結婚。以降は奥さんが毎年お守りを手作りし、それを身に付けてSASUKEに挑んでいる。