無常矜侍
むじょうきょうじ
私です、無常矜侍です
CV:白鳥哲
本土から送られてきたアルター使い。
ロストグラウンドで捕らえられ、半ば強制的に精製を受けたネイティブアルターとは異なり、
自ら志願して”精製”処置を受けたアルター使いである。
性格は陰険姑息で口調も慇懃無礼。
底知れぬハングリー精神を持つ野心家で目的のためであればどんな事も出来る。
本土からの委任状一枚でロストグラウンドの全権を握ったが野心のために暴走を始める。
しかし彼の行動は本土にとって予想の範囲内であり、ラスボスではあるものの、彼も権力者たちからしてみれば使い捨てのパシリに過ぎなかった。
過去
元々はロストグラウンドの落ちぶれた旧名家出身であり、あらゆる意味で頂点に立ちたいという激しいハングリー精神を持つ。名家の出身で華々しい活躍を見せるHOLY隊員の劉鳳に強い嫉妬心を抱く。生家が落ちぶれたのも劉家との争いに敗れたためでもあり、復讐の意味もあるらしい。
曰く、その行動原理は己の欲望を満たすためだけであり、力を求めるために命を顧みることなく本土の人体実験にも等しい”精製”に志願した。また支配欲を満たすため、ロストグラウンド全土を巻き込んだ戦いを引き起こし、本土の支配を企んでいる。
作中での活躍
劇中後半のラスボスとも言えるキャラクターで、卑劣な手段を思う存分駆使して縦横無尽の活躍をして見せた。
箇条書きにするだけでも…
- 弟を人質に寺田あやせに無理な”精製”を受けさせ、カズマと戦わせ結果的に死亡させる。しかも弟の病気が助からないと知った上で利用した。
- 他にも、ビフ君など大勢のアルター能力者を精製し、彼らの人格まで失わせた。
- マーティン・ジグマールを失脚させ、ロストグラウンドの全権を握る。
- 劉鳳の仇敵である「アルター結晶体」と融合し、そのパワーで市街そのものを要塞に再構成してしまう。
- 劉鳳の父親を追い詰め自殺させる。
- 由詑かなみをさらってそのアルター能力を利用し、あろう事かストレイト・クーガーを打ち倒す。
等々、性格は小悪党のくせに『スクライド』の登場キャラクターすべてを巻き込んだ大騒動を引き起こした。
自分の欲求を「渇き」に例え、他人を不幸にしたり欲しい物を手に入れると「渇きが癒された」と口にする。いつもは人を食ったような口調だったがクーガーに「ヘビ野郎」と言われた際には「聞き捨てなりませんね」と珍しく不快感を口にした。
アルター結晶体、アルター能力のエネルギーがやってくるという「向こう側の世界」にすら触れ、強力な力を手にした。彼は、この力で本土すら手に入れようと企んでいたが、本土側はアルター能力に関するデータを収集することが目的であり、初めから何もかも見抜かれていたようである。
テレビアニメが放送されて10周年を記念して制作された劇場版では、異納泰介という副官を引き連れている上に、中盤から登場したTV版とは違って序盤から登場しており、何やら企てている様子が描かれている。
アブソープション
具現型のアルター能力で相手のアルター能力を吸収し我がものとしてしまう。
何度も精製を受けたためか、使用するアルターも非常に強力。
アルター結晶体の能力を吸収できたのもこの能力のおかげである。
しかし、アルター一辺倒の能力と言われればそうではなく、それらを活かす地力を備えている。
アルターであればほとんどの物を無効化出来るという性質上、アルター使いに対するカウンターとしてはこれ以上ない能力である。
カズマのシェルブリット(第二形態)の攻撃を難なく受け流すなど作中では屈指の能力を誇る。
その気になれば他者のアルターを吸収し、己が使用するという芸当も可能なはずだが結晶体の能力を使用する以外に他人のアルターを使う事は無かった。
終盤ではアルター結晶体を取り込んで更なる能力を身に着け、ホワイトトリック、ブラックジョーカーと名付けた。
最終的には「向こう側の世界」の力そのものを吸収し異形の姿に進化するが……。
余談だが彼の声を当てた白鳥哲氏の熱演もあって、無常は『スクライド』声優陣のお気に入りキャラクターであった。特に劉鳳役の緑川光氏からは、モノマネのネタにされるほどであった。
無常を演じる白鳥哲氏は『スクライド』にて監督を務めた谷口悟朗の前作にあたる『無限のリヴァイアス』で主人公の相葉昴治を演じている。
なお、同作では相葉祐希(CV:保志総一朗)というとある事情から仲が悪くなってしまった弟がおり、事ある事に何度も殴られている。
時空が変わっても同じ中の人に殴られる不憫なキャラクターである。
しかし、スクライドで主人公のカズマを演じた声優の保志総一朗氏は、無常の蛇を彷彿させるような陰気でねっとりとした厭らしい口調の演技に驚愕し、(前作の『無限のリヴァイアス』で、白鳥氏が自分が演じた役柄の兄を演じていた事もあって)昴治とは似ても似つかない芝居を目の当たりにして「お兄ちゃんの声じゃない」と零した逸話がある。
ストレイト・クーガーを演じた声優の津久井教生氏も、本作に出演するあたって谷口監督の作品というものがどういうものなのかを予習するべく『無限のリヴァイアス』を全話視聴したところ、無常を演じる白鳥氏の芝居が、前作の昴治と全く異なるものだった事にビックリしたと語っている。
また、無常役の白鳥氏は、毎回演じる役柄にのめり込むタイプの役者である故に、『スクライド』で無常を演じていた頃は、私生活でも自然と無常の声や喋り方になってしまい、どれが自分の素の声なのかが白鳥氏本人さえ分からなくなってしまったという逸話もある。
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