概要
玉葉とはライトノベル「薬屋のひとりごと」に出てくる上級四妃の一人である。
赤毛で碧眼の胡姫。
劇中で猫猫の最初の雇い主であり、猫猫を強く信頼している人物の一人。
玉葉妃と呼ばれることが多い。
物語開始時点のプロフィール
人物
経歴
西戌州の州都:西都を実質的に取り仕切る楊玉袁の妾の娘。母は白色人種の踊り子で、本人は赤みがかった髪をもつ混血。
優れた容姿や家柄に加え、知性に優れたことを高く買われ、壬氏に推薦され上級妃となった。
物語開始時点で既に一児の母(鈴麗公主:りんりーひめ)。
また、過去二回にわたり毒を盛られ、いずれも回避したが、毒見役を務めた侍女2人は精神を病み、右腕江にしびれが残る後遺症により後宮を去っている。
猫猫が密かに送ったとある忠告を素直に聞き入れ中毒を回避できた。このことから「私と公主の恩人」として、当時ただの下女に過ぎない猫猫を自らの侍女(毒見係ではあるが)として招き入れ、物語が本格的に開始される。
なお、この時点で現帝の1番の寵愛を受けているようである。
後に第二子の皇子を出産しており、その子が東宮となった為、正式に皇后となった。梨花妃もほぼ同時期に皇子を出産しているが、梨花妃は皇族の縁戚のため血が近くなるという理由と、力を付けすぎた皇太后の実家を抑えるために西との関係を強化したい政治的な理由で玉葉が皇后に選ばれた。
しかし東宮の皇子は玉葉似で異国人の外見が濃く出ているため、反対する声も少なくないらしい。
容姿
緩いウェーブのかかった赤い髪と碧眼をもつ美女。上級四妃の中でも五行の「赤(火徳)」を担っていることもあり、茘の国の中で最も赤の似合う女性とされる。
現帝好みのスタイルの良い巨乳。
性格など
聡明で思慮深い。数え19歳にして一児の母ということもあってか、笑顔が多く落ち着きがある。大概のことは「あらあら〜」と上手に流して、物事に動じる描写も少ない(猫猫が行方不明となった際には珍しく不安を顕にしていたが)。現帝の実質一番の寵姫でありながら、それを鼻にかけるようなこともない。
一方で後宮という伏魔殿で過ごす関係から、慎重で用心深い(白羽の評価は「疑り深い」だが)。過去に毒殺未遂を回避しているのも、あまり普段表に出さない警戒心の強さの賜物とも言える。猫猫が来た時点で侍女が4人と上級妃にしては極端に少ないが、これは玉葉妃の用心深さが原因である。
だが頭は柔らかく、好奇心旺盛な面もあり、血生臭い事件も扱うことのある猫猫の謎解きを、不謹慎と知りながら楽しみにしている節がある。壬氏の猫猫への気持ちも早い段階で察しており、それを遠目で楽しんだり、壬氏をからかったりしている。壬氏が猫猫が李白と色々あったと勘違いした時は爆笑した。
ゆるふわに見せかけてしたたか。ほんわかと見せかけて隙がない。一言で云うなら「あらあらうふふ」系。二言で云うなら「喰えないお嬢様」系。
上級四妃の中で五行の火徳を司る筈だが、上記の通り性格はあまり火っぽく無い(尤もこれは他の上級妃も同様で、あまり五行に倣ったキャラ付けはされていないのだが)。
帝はちょっと夜に強過ぎるようで、玉葉妃としてはお通りが多いと寝不足が辛いらしい。とはいえ、現帝と玉葉妃との「にゃんにゃん」は、花街育ちで(処女なのに)性技を覚えさせられた猫猫曰く『上級者向け』。
わざわざ猫猫を花街流・保健体育の講師に梨花妃とともに推薦するあたり、後宮の「妃としての務め」も割と愉しんでいらっしゃるようだ
*帝の夜の営みは必ず誰かしらが確認し、宮中に記録が残される(間違っても帝の子を僭称する者が現れないようにするためだろう)。基本的に侍女頭である紅娘の役割。三十路近い独身の紅娘には精神的に拷問らしく、たまに猫猫に代わって貰っている。
皇后になった後も他の侍女同様に猫猫に戻ってきて欲しいと思っているが、この頃には猫猫が羅漢の娘である事が公になっており、羅の一族と結びつけると玉葉の実家の力が強くなりすぎてしまうと皇帝に判断され、その要望は却下されている。
関係者
侍女頭
紅娘(ホンニャン)
作中屈指の苦労性・常識人枠にしてツッコミ役。猫猫がマイペース極まりない上に、イタズラ娘な気質を持つ主もそれを煽るところがあるので負担が大きい。帝と主の「にゃんにゃん」を扉越しに拝聴するのも気が重い。
高順に興味を惹かれてたらしいが、高順が妻子持ち(どころか孫あり)であることを知ってからは興味を失った模様。
侍女
桜花(インファ)・貴園(グイエン)・愛藍(アイラン)
最初期から登場。玉葉妃の人徳からか、後宮(伏魔殿)に住むとは思えない、ちょっと夢見がちで気立ての優しいゆるふわ系。
白羽(ハクウ)、黒羽(コクウ)、赤羽(セキウ)
年子の三姉妹。物語途中から増員されたが、玉葉の旧知で家柄の関係から位は上記3人より上とのこと。
子供
物語開始時点で鈴麗(数え1歳、生存している中では現帝の長子ということになる)が居る。後に第二子の皇子を出産し、その子が正式な東宮となる。
実家の家族
父の楊玉袁、異母兄の楊玉鶯が登場する。兄弟姉妹全員が母親が違い、姉たちとは仲が良いが、特に異国人を嫌う長兄の玉鶯とは折り合いが悪い。兄弟姉妹間でも玉鶯派と玉葉派に分かれており、后になった玉葉の方につく方が多いらしい。
実は父の楊玉袁は不妊症であり、子を身籠った才能溢れた訳ありの女性たちと厳格な「雇用契約」をし、生まれた子どもは楊玉袁の子どもとして育てそれぞれの才能を伸ばしていた。その事実は既に皇妃となっていた玉葉の実父が不明なのはまずいとの判断で、公にされることはなかった。
余談
父の苗字からすると玉葉妃も楊だった筈である。
となると、称号で呼ぶなら「楊貴妃」である。
ちなみに史実の楊貴妃のフルネームは「楊玉環」とこちらも結構似ている。
劇中には猫猫が「玉葉妃は傾国ではない」と述べているが、「歴史上の傾国の美女は、果たして本当に悪女だったのだろうか」という意味深な言葉も出ている。
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