「抱かせろ」
「っ…!!」
概要
ノクターンノベルズに投稿されている「ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない」の主人公・武村雄介とのやりとりでヒロインの藤野深月が放ったセリフ。コマ割りは漫画版の物である。
これがネットのバナー広告として大量に切り貼りされたことで一気にネットミームと化した。
最近は更衣室のシーンなどバリエーションも増えた。
内容
雄介が外から食糧を調達してくる代わりに性行為を要求するシーンで
雄介「抱かせろ」
深月「っ…!!」
深月「男の人っていつもそうですね…!私たちのことなんだと思ってるんですか!?」
という会話が行われた。セリフには上記の通り後半部分もあるがpixivのルール上、タグの文字数制限に引っかかるため前半部分をタグとして使う。
なお、深月は「いつも」と言っていることからも察しが付く通り、過去にそういう目を向ける男が周りに居たことが後に判明する。
真面目な解説
以下極めて不適切な表現が含まれます。
ネットミームなので問題のシーンに至る前後を知らない人も多いと思われる。
このやり取りだけを見ると雄介が無理やり身体を要求しているようだが、なにせ本作の世界はゾンビが溢れて社会機能が崩壊し、雄介以外の人間は外を出歩けばゾンビたちに食い殺されてしまうような終末状態である。
- 大前提として深月が食べ物を一方的に要求している(雄介側が一切メリットなし)
- 雄介が深月たちへの食糧支援をうっかり忘れた結果だが、つまりその程度の関心
- 綺麗な状態でゾンビ化した隣人を既に捌け口に飼っていたため、行為までにあれこれ手間がかかる深月は不要
- 深月を「かわいい」とは評するものの、まず年下は好みではなく、むしろ「外見が良くプライドが高いだけに、自然に媚びて他者から与えられることしかできない」と思っている。
- 更に「弟という足手まといがいる」
- 「仲間にしても差して役に立ちそうにない」ため、ゾンビにして労働力(もちろん性的な意味ではない)にしようと一度は検討するも結局やめるレベル
- 決して良心や憐憫に駆られたわけでなく、「自宅への輸送が困難」「まだ雄介が自身の特性がどこまで有効かやや懐疑的でゾンビの利用にまだ慎重」というあくまでも実利的な理由
と、雄介は深月に性的魅力を感じていないどころか、ウザい寄りの無関心であった。
また、深月も本来なら体を売るくらいならあえて餓死を選ぶプライドの高さがあった。
しかし雄介の様子を見て
- 前述のように性的な視線を向けられた経験の結果、雄介に自分の女としての魅力が全く通じていないことを認識していた。
- 即ち、情に訴えかけなければいつでも簡単に見捨てられると理解していた。
- 『自分たちが生活している安全圏の提供』という交渉カードも(深月には伏せられていたが)ゾンビに敵として認識されない雄介には無意味
これらが絡み合った結果、見返りを求める雄介と情に訴えるしかない深月の不毛な交渉の末に、雄介が内心では『おそらく応じるのは無理だろう』と理解しつつ、交渉決裂による打ち切りの口実としてヤケクソ気味に性行為を提示したのがこのシーンである。
自身の特殊性に甘えた度重なる要求で、"助け合い"でなく"一方的な庇護"にしかなっていない現状に嫌気が差し、向こうも善性と道徳に訴えて正当化しようとしかしない有り様に業を煮やしての発言であるため、所謂強姦などとはやや趣を異にする。
もっとも、どんな理由があっても傍から見れば相手の弱みに付け込んで我欲を満たそうとしているように見える事に変わりはない。また、雄介自身隣人だった黒瀬時子を「ゾンビの生態調査」という名目で屍姦(?)しているので、ある種お互い様と言えるかも知れない。
で、この後の展開は?
【ネタバレを含むためこれから本作に触れようと思っている人は注意】
結論から言うと、この後のシーンでは『抱く』ところまで行かない。
結局雄介自身が深月にあまり興味がなかったこともあり、その後の『行為』は体を要求したにしてはかなり紳士的な扱いをしている。広告にもその交渉の一端が登場しているが、雄介は初心な深月の要求や不手際をほぼ受け入れている。
その後、深月はここで一応丁重に扱われたことや、錯乱して帰宅しようとゾンビが闊歩するエリアへ踏み込んでしまった自分達を(あくまでも深月の視点でだが)その身を危険に晒してまで救ってくれたこと、更に問題のシーンの直後に雄介が銃を入手したことを後日知ったことで、同時に『体目当てならいずれかの段階で実力行使に出ることもできた』ことにも気が付くことになるなど、徐々に雄介の真意に気が付いていくことになる。その結果、「善人ではないが決して悪人とも言えない」と評価を変えることとなった。また、深月の弟たちにそこそこ良識的に兄貴分めいて接する姿を見て、徐々に惹かれていくことになる。
雄介も深月たちと知り合い、付き合いを続ける中である程度彼女ら姉弟たちをかわいがるようになり、「ゾンビを利用する生活」から「生者と協力する生活」へ軸足を移した。ゲーム版ではその後ゾンビとなった隣人と生きるか、人間たちと生きるかの選択によって分岐することもあり、ある種ターニングポイントになった出来事ともいえる。
そうした経緯から、最近広告として表示されるようになった更衣室のシーンへとつながり、ついに深月の意志で『抱かれる』こととなる。
ネットミーム
2021年の夏頃からTwitterやYouTubeなどでフルカラーコミックス版のWEB広告が頻繁に流された。
当初は他のWEB漫画広告と同じくウザがられていたのだが、8月末頃スマブラ勢が上述のやりとりを素材にして多数のコラ画像を作成。それがTwitter上で伝播して大喜利大会のような状況となった。
そしてこのやりとり自体がコピペ改変の素材として使われるようになり、ネットミーム(ネタ)として定着しつつある。
雄介の「抱かせろ」と言っているシーンがジョジョの奇妙な冒険の「だが断る」や鋼の錬金術師の「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」といった他のネットミームたちと似ている点も、ネタ化が加速した一因ではないかと言われている。
ちなみに、このシーンを元にしたと思われるステッカーやTシャツ、アクリルキーホルダーなども発売されている。まさに公式が最大手となったかは……定かではない。
その年のネット流行語100にもノミネートされ、作品自体もノミネート。この年は無職転生や転生したらスライムだった件(転スラ)、リゼロ(ただし、人物のみ)が入る中での、賞レースとなり、気が付けば無職転生や転スラ、リゼロよりも上の順位にランクインする展開となった。衝撃の展開と言えるだろう。
ただし、2023年にはこちらよりも上の順位を『え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?』が更新してしまう事になる。
関連イラスト
pixivではパロディとして他キャラに置き換えたものが大半をしめている。
別名・表記ゆれ
関連タグ
ノスタル爺…逆パターン(抱けえっ!抱けーっ!)