連載後期における、短編傑作の一つ。この頃の作者は三女の育児に勤しんでいたため、女の子の感性を鋭くえぐった話が多くなっている(他に『ジャックとベティとジャーニー』など)。
あらすじ
幼児の頃は木登りを楽しんでいた彼女だったが、小学生ぐらいになってから、女の子なので親から躾けられ、許可が下りなかったのだ。対するのび太は、平和に生活する女の子に強く憧れていた。それでドラえもんに相談した(このときはむしろのび太のほうが意志が強かった)ところ、ドラえもんは入れかえロープを出して、のび太と静香の心と身体を入れ替えることになった。
のび太の姿になったしずかは長年の夢であった木登りを達成して感動に浸る。そしてジャイアンたちと一緒に野球も楽しんでみると、打って守っての大活躍だった。一方、しずかの姿になったのび太は女の子たちと遊ぼうとするが、男子と感性が違うので、ドン引きされてしまう。しかも、自宅では躾に厳しい母親に叱られてばかり。
元に戻りたいと願うのび太だが、男の子の世界が気にいったしずかは「しばらく、このままでいたい」と元に戻ろうとせず、ドラえもんにも「双方の同意がないと」と諭されてしまう。
しずかは野比家でも、大好きなお風呂に入ろうしており、のび太のママはそれを珍しがる。服を脱いでいる最中、男の子のアレに気づいて仰天。「今頃あちらでも……」と青ざめる。
一方、風呂不精ののび太は、しずかのママに「明日入るなんて不潔なこといけません!」ときつく言われて、渋々入ることに。そこでのび太も、勝手に服を脱いでいいのかとためらうことになったが「いいよね。お互い様だもの」と考えながら脱ごうとした途端、「だめェ!!」とどこでもドアで突如現れたしずかに止められるのだった。
余談
結果、風呂好きのしずかに対し、のび太が風呂不精だったお陰で、紙一重で全裸を見られる危機を免れている。
ちなみに、のび太に変わった直後のしずかは「こんなかっこうで外に出て笑われないかしら」と、とんでもない発言をしている。さすがのドラも「のび太が聞いたら、気を悪くするよ」と困惑顔だった。