「名前か.....じゃあルルーシュ・ランペルージからとってL.L.(エルツー)というのはどうだ?」
概要
劇場版『コードギアス復活のルルーシュ』のラストにて、ギアスユーザーかつコード保有者として復活したルルーシュが自らに名付けた新たな名前。
復活の経緯
ルルーシュは自らが企てた「ゼロレクイエム」にて、世界や人心を乱した罪を清算して死ぬつもりだった。
しかし、共犯者であるC.C.は「約束が残っている」という我儘からこの計画に割り込み、ルルーシュの遺体をシャーリーの協力で(※)ジェレミアのもとに運び込ませることで入手、ルルーシュがシャルル・ジ・ブリタニアから意図せず継承していた不老不死のコードの作用で構築されていた「Cの世界」側のバックアップを元に再構築したことで、ルルーシュは息を吹き返す。
※なお、シャーリーがこの件に関与した理由は、彼女がゼロ=ルルーシュであることを知りながら、そのことを秘匿していた上単なる民間人という立場だったため、どの組織からもマークされていなかったからである。
※漫画版ではTVアニメの設定を引き継いでいるため、この件にシャーリーは関与していない。
だが、集合無意識に対し「絶対遵守のギアス」を行使していたことで「Cの世界」の理が乱れていたため、精神の再構成に失敗し、ルルーシュは自分が誰かもわからない虚ろな状態になってしまい、意味のある言葉も発することができない廃人同然の状態に陥ってしまった。
C.C.は一連の責任をとるべく、ルルーシュを真に復活させるため、彼を伴って「Cの世界」に繋がる門を探し世界各地を放浪していた。
ほとんどの門はシャルルによって破壊、もしくは自然風化によって使用不可になっていたが、光和2年になってジルクスタン王国を訪れ、別件で潜入していた紅月カレンらの協力によって、監獄の地下に隠されていた「アラムの門」から「Cの世界」にアクセスを行う。
久々にやってきた「Cの世界」は、かつてここで滅びたはずのシャルルの残留思念が渦巻いており、それに襲われる最中C.C.はルルーシュとはぐれてしまい強制排除されてしまう。
監獄の獄卒たちに囲まれ味方も拘束され、C.C.が諦めかけたその時。
「違うな。間違っているぞC.C.」
世界を壊し、世界を創った男。
人々の明日を求め、悪逆皇帝として討たれた男。
C.C.の共犯者、ルルーシュの姿がそこにあった。
ルルーシュは「Cの世界」に飲み込まれかけながらも、自らの心を見つけ出し復活を遂げていた。
しかも、シャルルからのコード継承が不完全だったこと、「Cの世界」の理が乱れていたことなどの様々な事情が重なった結果、両目に「絶対遵守のギアス」を、首元にコードを宿し不老不死となった状態で蘇ったのである。
再びゼロへ
復活早々、獄卒やジルクスタン軍をギアスと戦略で振り切って脱出したルルーシュだったが、最愛の妹ナナリーが囚われの身になっていることを知り、行動を開始。
枢木スザクから一時的に返還された「ゼロ」の姿になり、カレンたちの回収のため精鋭チームを率いてやってきたコーネリアに協力を要請する。
奪還作戦ではその軍師としての才覚を存分に発揮するも、神官シャムナのギアスによって戦況をことごとく覆される。味方が追い込まれ、指示を請う声に押し潰されそうになる中、C.C.に諭され冷静になり、さらに玉城がとった軽率な行動をきっかけに逆転の一手を打ちだす。
これによってシャムナを無力化し、「Cの世界」に心囚われたナナリーも救い出し、「ゼロ」としての最後の役割を終えた。
新しい名前
戦いが終わった後、さすがに色んな意味で「ルルーシュ・ランペルージ」として世に戻る訳にはいけなかった彼は、自分を引き留めようとするスザクやナナリーに別れを告げ、シャムナがCの世界から現実世界にばら撒いたギアスの欠片を探す放浪の旅に独り出ようとしていたC.C.を呼び止め同行を申し出る。
そして困惑する彼女に「これから名前をどうするつもりだ?」と問われ、冒頭のセリフを告げるのだった。
その後はC.C.と共にギアスの欠片捜索のあてどない旅を続けつつ、素質と覚悟のある者にギアスを授ける日々を送っているようだが、「覚悟がなければギアスを奪う」など、C.C.より若干厳しいながらも良心的な忠告・対応をしている旨が描写されている。
以後の動向
光和3年のネオ・ブリタニア帝国侵攻から逃げ延びていた姪(一番上の姉シェリー・メ・ブリタニアの娘)の皇サクヤに単独で接触しており、無力を嘆く彼女に感じるものがあったのか「絶対遵守のギアス」と共に「王の力はお前を孤独にする」と、自身の経験に基づく忠告を授けた。
また、C.C.から「自分達は本来ギアスの欠片を集めているのになぜギアスを皇サクヤに与えたのか」と言う旨の質問を受けたが、それに対して「俺たちは人間の理を外れた存在だ」と様々な解釈が可能な返答を返した。
その返答を聞いたC.C.は、ただ笑みを浮かべながら「そうだな」とのみ発言した。
なお、「自分達は本来表の世界に関わるべきではない」とサクヤと行動を共にすることはなく、光和7年時点ではC.C.と再合流し、ギアスの欠片捜索に戻っている。
余談
- 復活後のルルーシュは、以前のように非情に徹する理由がなくなったこともあってか多少は物腰が柔らかくなっており、明確な敵対関係にない第三者にギアスをかける際も「自分が目的を達成するまで協力してくれ」と条件付け、自決命令などの口封じをせずそのまま解放している。そのためカレンからも「あんた少し変わった?」と驚かれた。
- とはいえ、同情の余地のない程の悪人や危険思想を持つ独善者といった生かしておけないと判断した人間に対しては躊躇なく自決を命じるなど、かつての冷酷かつ合理的な姿勢は変わっておらず、特に身内を害した敵対者は情け容赦なく殲滅している。
- 加えて、コーネリアに助力を請うときには、ゼロの仮面を脱いで素顔を晒し「もう嘘をつく必要はない」と真摯に頼んだため、真の意味で初めてチームの信頼を得て戦うことができた。
- 『復活』のラストシーンについて、C.C.役のゆかな氏は監督からこれを「ルルーシュなりのプロポーズ」として演技指導を受けたという。また、監督はこの作品を「自作品の中では一番ストレートなラブストーリー」と語っている。
- 以後の動向にあるC.C.との会話において、C.C.が「皇サクヤがお前の親族だからか?」と発言しているため、L.L.側は皇サクヤが自身の親族であることを理解している模様。しかし、皇サクヤ側はL.L.が正体を隠していることもあり、認識しているかは不明。