あらすじ
会社経営者の尾山野大造。朝から仕事のスケジュールがいっぱいであった。
一息入れるためにおでんの屋台に立ち寄った時に喪黒福造と出会う。次の日、尾山野は喪黒に幼稚園に連れて行かれる。
そこは日頃激務に疲れている社長達のストレス解消のために作られた幼稚園であった。美女の保育士に園児服を着せられた尾山野は同じく園児のコスプレをした社長達と仲良く遊んだ。
しかし、その幼稚園は『世間的な地位や権威を園内に持ち込まない』というお約束であった。
ある日尾山野は、ヤスマサという漫画のガキ大将を絵に描いたような社長にいじめられる。後日、バブル建設という会社の社長が今度の新工場建設の件で挨拶に来たが、実はその社長こそヤスマサであった。
ヤスマサの正体が自分の会社より下の会社の社長であることを知った尾山野は後日、幼稚園でヤスマサに命令を聞けば工場を建設させると言って他の社長達の目の前でいじめ返した。
しかし後日、社長室にいつの間にやら侵入していた喪黒に『世間的な地位や権威を園内に持ち込まない』という幼稚園のルールを破ってしまったことを咎められて「こうなったらいっそのこと、会社も幼稚園も一緒にしてください!」と言われて「ドーン!!!!」され、すっかり赤ん坊の頃に若返らされてしまい、社長室に入って来た女性社員に「おねえたん、おちっこ!」と言って甘えて来て女性社員をドン引きさせた。
余談
- 『藤子不二雄Aブラックユーモア短編』に本作の原点となった同名の作品がある。その短編では、幼稚園の女の先生が皆でやってみたい遊びを社長達に尋ねると、"お医者さんごっこ"と一斉に叫びながら女の先生に飛びついてきて、園児と先生の関係とは言え所詮は男と女ですので女の先生がドン引きしているというオチとなっている。
- アニメ版での尾山野役は、第43話「単身赴任」で丹見一人役(SPECIAL6「湯けむり哀歌」ではそのお話のお客様である落窪礼の高校時代の同級生としてゲスト出演)だった村松康雄である。
- アニメ版では、尾山野は喪黒に幼稚園に連れて行かれる経緯が詳しく描かれていて、新宿のとある公園の遊具のトンネルをまるで童心に帰ったように潜り抜けた先に幼稚園がある描写となっている。
- アニメ版では、尾山野達社長が幼稚園で童心に帰って遊ぶ光景を描いているシーンで第16話「チ漢さん」の冬木花衛にそっくりな社長が一瞬だけ登場するシーンがある。
- 尾山野が幼稚園でヤスマサに命令を聞けば工場を建設させると言って他の社長達の目の前でいじめ返した場面では、原作では幼稚園の外で喪黒が尾山野とヤスマサの会話を盗み聞きしていたが、アニメ版では喪黒はいつでもどこでも客を見ていることの比喩的演出として幼稚園のおもちゃ箱の中にある喪黒人形と壁に飾られている社長が描いた喪黒の似顔絵が映し出されている。