概要
声:笹本菜津枝(アニメ版)
『逆転裁判2』第2話『再会、そして逆転』に登場。年齢21歳。身長159cm。3サイズ・B85・W62・H87。
オカルト趣味の女子大生で、大学では超心理学を研究している。綾里一族の存在も知っていて、霧崎哲郎に綾里真宵と彼女の故郷である『倉院の里』を紹介した人物。過去には姉の看護師・葉中未実の勤務先である縁で、霧崎が院長を務める『霧崎外科医院』に入院していた事もある。霧崎とは、その時に知り合った様だ。『2』の攻略本のインタビューでは「これについては嘘を言っていない」と明かしている。
常にのんびりとしており、ゆったりとした口調で喋るマイペースな性格。極度の天然ボケでもあり、天真爛漫な真宵とは異なるのんびり屋ならではのボケを披露してくれる。どこかズレた発言が多く、会話の内容を脱線させる事も珍しくない。公式の全身イラストでは、何故か1羽の蛾と戯れている。
しかし霧崎の事は「姉は彼の下で看護師として働いていた結果、罪を犯してしまい、その後の追求で彼女を死に追いやった姉の仇」と思い、忌み嫌っている。基本的には、誰の前でも鷹揚に構えているのに、霧崎の事に触れると途端に不機嫌な態度となり、時として「彼に対する、攻撃的または批判的な意見を述べる事」さえある。のどか曰く「投薬ミスの真犯人は霧崎であり、挙げ句の果てに、彼からも医療ミスの追求で追い詰められていたのが原因で疲弊し、姉は交通事故を起こして死亡してしまった」という。
ちなみに「蕎麦アレルギー持ち」と本人は言っているが、作中で食べているシーンが無く寝込んでいただけなので本当かは不明。そもそもアレルギーで寝込むというのは症状として考え難い。下記のネタバレ情報と併せて考えると、その場を乗り切る為に吐いた嘘の可能性もある。
名前の由来は「鼻か、喉か」。姉の未実は「鼻か、耳」なので、姉妹揃って「耳鼻咽喉科」が由来である。
外見
白のベレー帽に、梵字の書かれたオレンジ色のセーター、茶色いロングスカート、両手首にはブレスレットを身に着けている。右手のブレスレットは孫悟空の頭にある「緊箍児(きんこじ)」とよく似ている。左手のブレスレットは大粒の数珠を繋いだ物である。セーターとブレスレットのデザインに、オカルト趣味が反映されている。
『2』限定で登場する女性キャラには3サイズが設定されていて、のどかは前述の通りB85・W62・H87である。前作の豹変美女程ではないものの、グラマーな体型である。ついでに言うと同じ身長であるが、姉の未実(B83・W62・H86)よりも少しだけスタイルが良かったりする。
「追い詰められるとベレー帽を脱いで、乱暴に扱う事でストレス発散しようとする癖」を持つ。帽子に噛み付くのは序の口で、ピザの生地の如く四方八方に引き伸ばしたり、帽子を頭から顔全体に被って、ムンクの『叫び』を彷彿とさせる表情に変貌したりする。これら3つは追い詰められた時のリアクションだが、逆に調子に乗っている時は、指一本をベレー帽の中に入れてグルグルと回転させる。ピザの生地の様に引き伸ばした時には、帽子のあちこちに大きな穴が空いている。こんな扱いをしておいて、よく帽子が完全に破れなかったものである。
『2』では全体的に、多くのキャラにド派手なモーションが用意されているが、彼女はその中でも五指に入る。キャラ達のド派手なモーションは、いずれも秀逸な出来栄えなのだが、ゲームの容量を大きく消費してしまい、モーションの考案も担当したキャラデザイナーが「制作に難航した」と上司に叱られる事態に陥った。特に容量を消費したキャラは諸平野貴雅、のどか、トミー、リロの4人だった。この結果を受けて続編の『3』の登場人物のリアクションは『2』と比較すると、やや大人しいものに設定された。
関連タグ
以下ネタバレ注意
オカルトマニアの裏の顔
第2話の霧崎哲郎を殺害した真犯人であり、その正体は1年前に死亡したとされる葉中のどかの姉・葉中未実である。
当時は看護師として、霧崎が院長を務める『霧崎外科医院』に勤務していた。大の車好きで、アメ車の良さが解らない人間(成歩堂)に激怒する程、強い愛着を持っていた。1年以上も届くのを待っていた、特別限定モデルのスポーツカーを大事に乗り回したりと、裕福で悠々自適な暮らしを送っていた様である。「看護師界のレースクイーンを目指す」と言っていた様だが、「レースクイーンとは、レースでのイベント・コンパニオンの女性」であって「好成績を収めた女性レーサー」という意味ではない。女優・高島礼子の様にレーサーとレースクイーンの両方を務めた人物は存在しなくもないが、上述の台詞は明らかに誤用である。
しかし、その様な優雅な毎日も束の間。未実は勤務中の投薬ミスで14人もの患者を死なせてしまった。そればかりか医療ミスの数日後には、交通事故を起こして、妹ののどかまで死なせてしまう。この事故で顔に大火傷を負っていた未実は、病院で顔を復元する整形手術を受ける際、妹の写真を提出する事で、彼女の顔と人生を手に入れた。
事故から1年後、のどかとして過ごしていた未実は、霧崎から「事故死した未実を霊媒して念書を書かせたい」という相談を持ちかけられる。霊媒をされたら、自分が生きている事が露見してしまう為、未実は真宵の伯母・綾里キミ子に協力して貰い、「霊媒中に霧崎を殺害して、真宵に罪を被せる計画」を実行する。キミ子は自分の娘・綾里春美を『倉院流霊媒道』の次期家元にする為、前々から真宵を排除しようとしており、未実と利害が一致していた。2人の計画は「真宵が霊媒した未実の霊が暴走して、生前から恨んでいた霧崎を殺害した様に見せかける」という内容だった。
霧崎は褒められた人間性ではないものの、未実の医療ミスとは無関係であり、交通事故も彼女の単なる過失でしかない。「自分が全ての罪を抱えて、生きるのが苦痛だったから」と言って、医療ミスと交通事故の責任までも彼に押し付けるのは、身勝手故のお門違いと言わざるを得ない。鋭い目付きと強気な性格を併せ持つ、彼女が内に秘めた心の脆さが「全ては霧崎の陰謀説」を提唱し、他人に言い触らす事で、精神の均衡を保って現実逃避を図っていた事からも透けて見える。
霧崎の殺害には成功したが、真宵の担当弁護士・成歩堂龍一に法廷で犯行と正体を暴かれて全てを認めた。ブレイクシーンでは、今までの帽子を乱雑に扱っての暴走が嘘の様に、静かにハンカチで流れる涙を拭いながら「もうちょっとで‥‥未実を捨てる事が出来たのに。本当に‥‥もうちょっとだった‥‥」と無念を口にし、誰も味方がいない法廷の中1人で悲しみに暮れていた。続けて「私が“のどか”になって一番嫌だった事。霊媒‥‥オカルト‥‥。そんなの、あたし大っ嫌い」と痛切な本音を漏らした後、共犯者のキミ子と共に緊急逮捕された。霊媒が存在する世界でなければ、逃げ切る事が可能だったのだから、この様に思い至るのも当然だろう。
なお、のどかを装う未実のサイコ・ロック解除を失敗した時、彼女の目が開く描写がある。この時、普段は未実とは正反対の雰囲気をしている、のどかの目つきは姉と瓜二つであり、彼女の正体は未実である事についての簡単な伏線になっている。ちなみに、サイコ・ロックのやり取りの中で「事故で葉中のどかが死亡した」という真相を突き付けても、この時点では認めない。更には「エピソード冒頭のムービーは、回想シーンと思わせて、実際は彼女の嘘の証言の一部」である。プレイヤーすらも欺くミスリード、キミ子と口裏を合わせた上での大胆な偽証、そもそも周囲に怪しまれず、妹に成り済まして1年も生活出来ている辺り「人を騙す能力はかなり高い」と言える。
ちなみに『2』の攻略本でのインタビューにて「未実は妹ののどかと違って、オカルトの類が嫌いで、のどかは車に全く興味が無かったので、その上で性格が真逆の妹を演じるのは、ハッキリ言って苦痛だった」と語っている。
アニメ版
成歩堂に1年前の交通事故のことを話す際、全身を使った大袈裟な身振り手振りを交えていた。
当初は「霊媒をせずに、上手く誤魔化して貰いたい」とキミ子に願い出ており、霧崎に対して殺意までは抱いてはいなかった様だが、「もっと良い方法がある」と言って、殺人計画をキミ子は提案し「協力しなければ、秘密を全て世間に公表する」と脅迫された事が語られている。この時点で未実には、選択権が無くなってしまったとも言える。この為ゲーム版に比べて、彼女に幾分か同情が抱ける描写となっている。
ベレー帽を乱暴に扱うモーションの際、原作の3倍近くも帽子が伸び切って、頭から上半身までも隠れてしまい、さながら「ハロウィンゴースト(布お化け)」の様な姿を披露した。そしてブレイクシーンの開始の瞬間には、とうとう帽子が完全に破れて散り散りになった。
逆転シリーズ豹変美女の系譜