概要
『バキ』の重要キャラである愚地克巳(メイン画像左)の実の兄(両親とも同じ)で、ミズノサーカス団の花形スター・葛城渡流とその妻・津葉沙の子。
弟・克巳は男前と言った感じの外見だが、無門は非常に中性的で、女性と見まがうほどの美貌を持つ。野球帽を被っていることが多い。
生まれながらにして克巳を超える身体能力を持ち、弟と共にミズノサーカスの新世代スターとして活躍していた…のだが、義父・葛城正介(旧姓・神奈村。入り婿)が死んだのと時同じくしてサーカスを抜け、幼くして無銭飲食を繰り返す浮浪児となる。ちなみに、独歩が克巳を引き取ったのはこの直後のため、当初は独歩(並びにバキ読者)は正介が克巳の実父だと思っていた。
如何にも天才少年らしい軽薄な雰囲気の持ち主だが、実際は情に熱い素直な好漢。年若いこともあって純粋な感性の持ち主であり、どんな人間にも真っ直ぐに向き合える気持ちの良い性分をしている。一方で、強い漢を見ると闘いたくてウズウズしてくる根っからのグラップラーであり、根っこには熱く、そして残酷なものを抱えている。他の闘技者たちが狂気と変態性に染まった曲者ばかりなのも相まって、本作でも数少ない常識人の一人である。
10歳の時、ヤクザに追われていた所をラーメン屋のおやじ・松本太山(『バキ』のヒロイン松本梢江の父)に拾われ、太山に後見人になってもらい、学校帰りには太山に格闘技を習う様になった。この時すでに中学生並みの体躯で、ヤクザと渡り合うほどの強さを持っていた。訳あって家族と離ればなれになった無門にとって、太山は初めて親身に自分に向き合ってくれた大人であり、厳しくも優しい”親”であった。
それから3年後、「ゆうえんち」で柳龍光に重傷を負わされた太山の最期を看取り、仇を討つべく修羅の世界へと飛び込んでいく。
17,8歳の時には身長182㎝、体重90㎏とのこと(地の文の見立て)。
なお、単行本1巻のまえがきでは、彼こそが柳を最初に拿捕した男ではないかと仄めかされている。
また、義父・正介は家庭内暴力を働くクズ男で、津葉沙をものにするために渡流を謀殺した疑惑が掛けられている。『グラップラー刃牙』では正介はライオンに襲われて死んだとされているが、『ゆうえんち』では正介はライオンを暴力で痛めつけて屈服させたと言われており……。
能力
本編主人公の範馬刃牙同様、異常なほど飲み込みが早く、一度見た技をあっという間にものにすることができる、正真正銘の鬼才。紛れもない天賦の才であるが、師である太山からは「才能に頼ることは危険である」と釘を刺されており、現に努力によって鍛え抜かれた太山の身体になすすべも無く負けたことから、無門はこの教えを肝に銘じている。
猿のように身のこなしが軽く、太山に徹底して教え込まれた「受け」の技術はハイエースの直撃をも無傷で抑えるほど。また、太山同様に肉体のパンプアップを行い、一時的に筋力を増大させることが可能。
特筆すべきはその肉体にあり、「理想的な筋肉」と呼ぶに相応しい柔軟性に富んだ筋肉の持ち主。一見すると滑らかで”菩薩像”のような印象すら感じさせる華奢な肉体だが、力を込めてパンプアップすると全身の筋肉が蛇になったかのように異常膨張し、凄まじい筋力を発揮することが出来る。
格闘家としては様々な格闘技を状況に応じて使いこなすオールラウンダーな戦い方をするが、反面一つの技を極めることを大事にしており、無門がここぞという場面で繰り出す必殺技は「無寸雷神」と呼ばれる古武術の技のみである。