「花は咲き乱れ避けられない衰退へ向かう。鳥は翼を広げてさえずり、避けられない墜落に向かって飛ぶ。川は音を立てながら、逃れられない乾きに向かって流れる――なぜすべては滅ぶ?『短命』の治療薬が宇宙にはあるはずだ」
——作者不詳 『短しこの人生』
概要
崩壊:スターレイルに登場する全宇宙の最上位存在である星神の一柱。「豊穣」の運命を司る。
すべての生物の育成者であり、生命を絶滅させることなく繁栄させることを目的とした楽土の神。
「豊穣の民」、「薬乞い」から信奉されている。
敵対する仙舟同盟からは「寿瘟禍祖」、信奉している薬王秘伝からは「薬王」と呼ばれている。
星神の軌跡
「宇宙の蝗害」の末期、あるいは戦後に誕生した星神であり、「繁殖」の運命から分裂して新たに生まれた可能性が示唆されているが、詳細は不明。
祈りを拒まず望まれたものを与える神とされ、かつて不老長寿を求めた仙舟人の先祖たちに建木を与えて長命種とした。しかし、同時に仙舟人は一定の年齢に達すると狂暴化したり人の形や理性を保てなくなる「魔陰の身」という症状を発症するようになってしまった。
ストーリーにおいて
関連派閥
その加護を受けた者たちは「豊穣の民」と呼ばれ、「歩離人」、「造翼者」、「慧駿」、「蔡陽」、「視肉」といった様々な種族が存在する。彼らは不滅の肉体と魂に動物的な特徴を持ち、基本的に好戦的で略奪を好む傾向が強い。
一方で薬師と出会って不老不死となることを求めるものたちのことは「薬乞い」と呼ばれる。
かつては「仙舟同盟」でも信仰されており、その頃の信仰を持つ一部の人間による地下組織が「薬王秘伝」である。
全ての豊穣の信奉者が好戦的なわけでは無いが、「放逐団」のように一応平和的ではあるものの、豊穣の使命の元に生態系を無視して生物をばらまくような団体もある。
燎原:かつて羅浮を襲った大蔡陽。当時の羅浮の将軍に敗れた後は、いくつにも分割されて幽閉されているが、その一部である浮雲が復活を試みようと動きだす。また、別の一部はとある人物の尾に封印されている。
呼雷(フーレイ):歩離人の戦主。同胞からは可汗とも呼ばれている。かつて鏡流に敗れて捕らえられ、2123回の侵略戦争の罪で羅浮の幽囚獄に幽閉されている。強靭な歩離人の中でも規格外な存在で、通常の歩離人なら4日で死ぬ責め苦に700年に渡って耐え、しかもその間一度も食事をしていない。
余談
出会うことさえできれば望みは拒まず加護を与え、命を奪うようなことは決してしない。しかし、模擬宇宙の星神図鑑によれば仙舟同盟の事例に限らず「ほとんどの場合、薬師と接触した生命は死よりも残酷な苦境に陥る」と記されており、薬師が善神か悪神かは博識学会でも長らく意見が割れている。また、薬師自身が己の加護がもたらす悲惨な結果に自覚的かは不明で、こちらもよく議論されているらしい。
他の星神との関係については、「巡狩」の嵐とは完全な敵対関係(というより嵐が一方的に敵視している)にある他、模擬宇宙に登場したレプリカはヘルタの期待通り主人公をアキヴィリと呼び、口づけと共に再会を喜ぶ言葉を投げかけている。