この作業は、印刷物やイラスト、書き物などを紐、接着剤、あるいは針金等で書籍の形に整えることであり、この行為によりそのままの紙片や巻物などよりも取り扱いが容易になるうえ、紙片の状態よりも保管および保存がしやすくなる。
古い時代の書籍においてはこの作業をされておらず、購入した人がそれぞれこの作業を行い、書籍をコレクションする、ということも行われてきた。また専門の業者が存在した。
現在においてこの作業を行う場合、「自ら書籍としてまとめるべき作品を作った」、あるいは「書籍を修復、あるいは改造する必要がある」場合があげられる。
製本の種類
製本の種類には大きく分けて洋綴じと和綴じが存在する。それぞれ、西洋および東洋で用いられた綴じ方である。洋綴じでは紐などは表紙で隠されるが、和綴じでは紐での綴じている面が見えるため、装飾的な綴じ方を行う。
また、綴じ方以外にも複数の作業(表紙を作成したり、書籍に箱をつけたり、書籍のふちをきれいに整えたり染色したり)が存在するが、ここでは綴じ方についてのみ説明する。
和綴じ
この方法は主に東洋で用いられた方法である。この地域において紙が早くから使用されたため、この方式になったと推測される。
和綴
基本的に洋綴じの「平綴じ」と同じ方法で、紐を用いるが、この綴じ方の場合洋綴じとは異なり、表紙を外からつけないため、綴じ紐が外から見える状態になる。そのため、綴じ紐の見せ方でいくつかの手法がある。この項目で詳しくは説明しない。
洋綴じ
このかがり方は特に西洋で用いられる手法である。西洋においては羊の皮を当初用いていたため、このような綴じ方が可能であったと思われる。
糸かがり綴じ
古典的な方法である。本にする背の部分に穴を開け、そこに糸を通し、糸でつづる方法。そのため一枚の紙を4ページとして用いる。
中綴じ
説明書や週刊誌などの比較的薄い本に使用される。本にするの背の部分を糸や針金(ホッチキスを用いることもある)でとめる方法。一枚の紙を4ページに用いる。
ミシン綴じ
ミシンのようなもので一気に綴じ合わせる方法。ノートなどの薄くて強度の必要なものに使用される。これも一枚の紙を4ページに用いる。
平綴じ
和綴じに近い方法であり、表面あるいは裏面から針金や糸を使って本を綴じる方法。この方法の場合、綴じ代が必要となる。一枚の紙を2ページ、あるいは4ページに用いる。
無線綴じ
背にボンドなどの接着剤を塗り、それで背を固めて方法。割と新しい方法である。
切断無線綴じ
糊が入りやすいように背を刃物などでぎざぎざに切り込みを入れ、そこに糊を塗り、固める方法。一枚の紙を2ページ、あるいは4ページに用いる。
網代綴じ
これは古くからの綴じ方と無線綴じを折衷した方法であり、この場合紙の縦方向に切れ目を入れ、その隙間に接着剤をいれる方法。1枚の紙を4ページに用いる。
リング綴じ
金属、あるいはプラスチックでできた輪状のリングというものでとめたもの。この形式は本を大きく開くことができる。身近なものだとスケッチブックに使用されている。