原義のフランス企業
フランス語における綴りは「Hotchkiss」で、その発音は「オチキス」。
アメリカ出身の銃砲職人ベンジャミン・ホチキスが創立、19世紀から20世紀後半にかけて存在した重工業系の企業で、軍需産業を主力とした。
特に有名なのは、日露戦争から第一次世界大戦期にかけて世界中に輸出されたオチキス重機関銃。また、第二次世界大戦期にはオチキス軽戦車の開発元ともなっている。
紙を綴じるための文房具
日本においては小学校の持ち物として一般的で、多くの日本人になじみ深い文房具となっている。
ちなみに、ホッチキスと言ってこの文房具と分かる文化圏は日本(と旧日本帝国領の韓国)のみ。英語圏ではステープラー(Stapler)と呼ばれる。
日本でステープラーがホッチキスと呼ばれるようになったきっかけは、明治時代に日本で初めて流通したステープラーの輸入元がアメリカ合衆国のE.H.ホチキス社だったことらしい。
また、日露戦争で上記のオチキス重機関銃が日本陸軍に用いられたことを境に、「ホッチキスはオチキス重機関銃の発明者の弟が開発した」「オチキス重機関銃の給弾機構をもとに開発されたのがホッチキスである」というような誤った俗説が広まったことも、日本国内で「ホッチキス」の呼び名が定着する一因になったとか。
なお、E.H.ホチキス社と上記フランスのオチキス社との間に明確な関係は無いものの、一方でE.H.ホチキス社の創設者はベンジャミン・ホチキスと同じアメリカ・コネチカット州出身らしく、「何ら関係が無かった」とは言い切れなかったりする。
現在、「ホッチキス」の商標はマックス株式会社とキヤノン株式会社が取得しているものの、MAXは医療分野限定(縫合糸の代替品)、キヤノンはそれ以外の理化学用品としてのみに特許の範囲が限定されている。
このため、文房具としては他社もホッチキスを名乗ってよいことになるが、実際には他社においてもホッチキス及びホチキスの商標名は避けられている模様。
本来の用途以外の使用法
本来は単なる文房具でしかなく、兵器メーカーのオチキス社とも何ら関係が無いホッチキスだが、兵器として有用であることが『化物語』にて証明されてしまった。
これは極端な例にしても、鋭利な部分の多い道具であることは確かであり、一歩間違えば人命に関わる凶器と化すことがあるので、そのような使用法は必ず控えること。
関連タグ
タッカー…内装工事等に用いる、大型のステーブラーのような工具。
ダスター…壁ホチというホチキスの針を使用する。 吹雪マリ…ガンタッカーを武器として使用。
ホチキッス…ステープラーをモチーフにしたキャラクター。