概要
白血球の一種で、T細胞やB細胞と同じリンパ球の仲間。黒いワイシャツにベストを羽織った男性。
その仕事は抗原の記憶……すなわち、一度出会った細菌やウイルスといった外敵の情報を記憶すること。人が生後、後天的に取得する獲得免疫にかかわる重要な役割を担っている。
記憶細胞の情報を基に外敵への有効策である抗体を作るB細胞と一緒にいることが多い。(※というか、記憶細胞はB細胞から進化した細胞である)
一見落ち着いて見えるが感情の起伏が激しく、スギ花粉の襲来が『世界の終わり』であることに怯える際には強烈な顔芸を見せていた。
過去の出来事を夢に見たのを未来予知と勘違いし、おたふく風邪侵攻時になかなか思い出せなかっりと、思い込みが激しくおっちょこちょいな所がある。
連載版ではB細胞の参謀的立ち位置であるが、読み切り漫画『細胞の話』では他のT細胞同様、B細胞を嫌悪していた(同じくB細胞からは嫌われており、赤血球が介入するまで暴動を起こしかねないほど免疫細胞は互いを嫌っていた)。
余談
概要欄では記憶細胞を「おっちょこちょい」と言ったが、一度記憶した抗原の情報を忘れるということは現実に発生する。実のところ、記憶細胞にも寿命はあり、年月が経てばやがて抗原の記憶は失われ、再びその病気に感染する可能性がある。それを防ぐためには再び抗原情報の更新……すなわち、もう一度細菌やウイルスを体内に取り込むことで、抗原情報のアップデートを行う必要がある。
ところが、近年では予防接種の普及によって病気にかかる人が激減したため、環境中の細菌やウイルスも減り、自然に情報がアップデートされる機会が減ってしまった。そのため、一度かかれば生涯かからないと言われてきたおたふく風邪や麻疹等も、感染や予防接種で免疫ができたと思ったら、大人や老人になってから再び感染してしまうケースも発生している。