赤き血潮の大動脈に かざす英雄 化学の剣
愛するヒトを守るため この身 忠義の花と散らん
(早川いくを『へんないきもの三千里』より、リンパ球の歌(抄))
概要
体内に存在する免疫細胞のカテゴリで、白血球の一種。血液内を循環する好中球やマクロファージと違い、余分な水分や脂肪、ばい菌を回収するリンパ管にいる。
比較的小さく、細胞質が少ない。ウイルスや腫瘍細胞などに対して抗体を使って攻撃する。
リンパ球に該当するのは以下の細胞があげられる。
ヘルパーT細胞
いわば免疫機構の司令官。白血球により捕食された抗原のデータをもとにほかの細胞を活性化させる。
制御性T細胞
他のT細胞の活動が活発化しすぎた場合それを抑える細胞。
細胞傷害性T細胞
免疫細胞の中でも特に強力な殺傷力を有する細胞。略称CTL。自身の細胞を直接破壊することから、かつてはキラーT細胞と呼ばれていた。
当初はナイーブT細胞と呼ばれ、病原体を討伐することでエフェクターT細胞となる。
細胞を直接破壊するため、アレルギー反応の原因となりやすい。
B細胞
T細胞やNK細胞、白血球などとは違い、抗体を散布することにより病原体を一斉駆除する「体液性免疫」を唯一行使できる細胞。
NK細胞
ナチュラルキラー細胞。細胞傷害性免疫細胞の一つで、主に癌細胞の駆除を行う。遊走性が極めて高く、T細胞からの指令なしに敵を駆逐する。
わかりやすく説明すると、常時パトロールを行っている好中球を警察とすれば、T細胞は軍隊、B細胞は戦車や戦闘機、NK細胞は無人兵器みたいなものである。
関連項目
はたらく細胞:上記のたとえをさらにわかりやすく解説している漫画。