概要
細胞擬人化マンガ『はたらく細胞』の登場キャラクターである。
主人公(ヒロイン)的立ち位置の赤血球で、多くの話で狂言回しとしての役割を担う。
作中で「赤血球」「赤血球ちゃん」と呼びかけられるときは、通常彼女を指す。AE3803は各個体を区別するための識別番号だが、その番号で呼ばれる事はほぼ無い。赤髪と帽子から飛び出たアホ毛が特徴。
赤血球に配属されたのも彼女の髪の色からきており、赤血球見習いの赤芽球時代には他の血芽球とマクロファージさんの講習を受けている。
新人として配属され張り切るものの、小さい頃から基本的にドジっ子な上に方向音痴。そのせいで標識と逆方向に行こうとしたり、リンパ腺や仕事とは関係のない所に入ろうとしてはキラーT細胞に怒られたり、マクロファージに笑われたりしている。
ニコニコ動画では(文字通りの意味で)「血迷ってる」とコメントされることも。おまけに、よくトラブルに巻き込まれる。しかし仕事に対する熱意は人一倍あり、最近は少し成長した模様。また未熟ながらもどんなピンチに対しても仕事をやり抜く意志を最後まで突き通したり、血塗れの免疫細胞に怯まなかったりと肝が据わっている。
「出血性ショック」で今までに無い窮地に陥った際は、それまでのアホキャラとは一転し、自暴自棄になった後輩赤血球を叱咤激励するなど、諦める事のない芯の強さを見せている。
赤血球なので戦闘力はなく、ウイルスや細菌に襲われた際は基本的に逃げ回るばかりだが、肺炎球菌の触手攻撃を真剣白刃取りする等、赤血球にしては地味に凄い事をしている。
その後もやたらと災難に見舞われ修羅場を潜ったためか、蚊による吸血で仲間たちが犠牲になったときも、蚊の分泌した血液凝固阻害因子(本作では対血球用の催眠ガスのように描かれている)を咄嗟に鼻を塞いで防御して生き残るなど、生存力の高さを見せている。
肺炎球菌に襲われたことをきっかけに白血球1146番と親しくなり、以降よく彼と一緒に行動している。珍しく白血球を怖がらない赤血球でもあり、返り血塗れでの初対面の時もお礼を伝えていた(流石に少々ドン引きしていたが)。
また、他の赤血球同様、血小板にはデレデレになっているが、可愛がり過ぎて仕事中に血栓に巻き込まれかけたことも。
余談だが、彼女のアホ毛は白血球のレセプターと同じくらい不吉な時にザワつき、危険を察知する。
読み切りである『細胞の話』では、『心根の貧しい人達なんですね』と毒を吐いたり、仲の悪い細胞達+血小板をリアカーで連れてくると逞しい。
元々群像劇の様相が強い作風かつ戦闘能力を持たず直接的な活躍がし辛いためか、メイン主人公ポジションでありながら原作では登場しない、あるいは顔見せ程度の出番しかない話もそれなりにある(特に第5巻では一般細胞に出番を譲っている事から殆ど登場しない)。ちなみに白血球1146番は全話皆勤している。
アニメ版では花澤氏の怪演によって、悲鳴や叫び声に定評があり、顔芸も披露している。原作では殆ど登場しなかったエピソードで占められる2期でも随所に出番が追加されている。
実写映画ではその仕事の重要性や1146番との関係などが強調され、狂言回しの要素が強い原作・アニメに比べて、より主人公らしい活躍ぶりを見せている。また、献血により移動してきたAA2153(『BLACK』版における主人公)と共演している。
余談
- かつては、「鎌」のような形のアホ毛、および酸素の配達を上手くこなせないことから、実は鎌状赤血球ではないかと考察する人が一部に存在した。
- 鎌状赤血球症は、円盤型ではなく鎌状の形をした赤血球が発生する遺伝性疾患。アフリカ系やインド北部などの人に見られ、酸素運搬能力が低く貧血や多臓器不全などの原因になるが、マラリアに耐性がある。