概要
豊後森機関区は、大分県玖珠郡玖珠町にある機関庫。久大本線豊後森駅の東側に位置する。
1934年の久大本線全線開通時に使用が開始され、最大21両が所属した。1971年4月に廃止。九州に残る唯一の転車台を備えた扇形庫でもある。
2001年に地元の有志によって保存委員会が結成、現在は玖珠町が敷地を買い取り、豊後森機関庫公園として整備されている。
敷地内には、作業員詰所を改修した「豊後森機関庫ミュージアム -BUNGOMORI ROUNDHOUSE MUSEUM-」と、9600形蒸気機関車が保存されている。(後述)
2009年2月6日に機関庫及び転車台が近代化産業遺産に認定。2012年8月13日には、国の登録有形文化財に登録された。
保存車両
2015年6月12日から、9600形蒸気機関車の29612号機を保存している。
元々この蒸気機関車は、福岡県志免町の坪公園で展示されていて、老朽化のため解体予定だったものを譲り受け整備したもの。
転車台の前に展示されている。
2020年には、この車両が大正時代(1919年)に製造された縁から、同年公開の大正時代が舞台のアニメ映画「鬼滅の刃 無限列車編」に登場する無限列車のナンバープレートを取り付けて展示された。(※ただし無限列車のモデルは8620形)
その他
戦争の爪痕
太平洋戦争中の1945年8月4日、米軍機による機銃掃射を受けた。この攻撃によって職員3人が殉職した。
機関庫の壁面や窓には、現在もその時受けた弾痕が残っている。
ラブライブ!サンシャイン!!との関わり
ラブライブ!サンシャイン!!のAqours3rdアルバム「HAPPY_PARTY_TRAIN」のMVに、当機関区をモデルとしたと思われる扇形機関庫が登場する。
ただし、車両は9600形ではなく、C58形の北海道型に変えられている。
このためミュージアムには、ファンが寄贈したラブライブ!サンシャイン!!のグッズが飾られている。
すずめの戸締まりとの関わり
序盤に出てくる門波リゾートの温室廃墟のモデルとなっている。扇形機関庫が円形に並んだ温泉建築になっている。そのためターンテーブルや汽車などは存在せず、代わりに水没した床になっている。またガラス温室の鉄骨(ガラスは廃墟のため撤去されて存在しない)がめぐらされている。
国鉄最後の機械式気動車のねぐら
現在は九州鉄道記念館の展示車両となっているキハ07の41号車は当機関区所属で、1969(昭和44)年まで宮原線【隣の恵良駅が起点】で活躍した国鉄最後の機械式気動車としての同形3両のうちの1両だった。引退後機関庫に保管され、1986(昭和61)年に大分運転所に移動して保管されるまで機関庫の主となっていた。