概要
北越急行が誇る高性能車両であるHK100形が使用される。列車名は「スノーラビット」。特急はくたかに使用された車両のうち、北越急行所属車両が使用していた車両愛称を列車名として使っている。運行区間は越後湯沢駅~直江津駅・新井駅間。
越後湯沢駅で上越新幹線に接続している。
運行開始当初は1日1往復、停車駅は途中十日町駅のみとなっていたが、現在は1日1.5往復に増え、えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインの新井駅まで直通する3830M列車については、六日町駅・まつだい駅・虫川大杉駅にも停車し、直江津駅から先えちごトキめき鉄道線内は各駅に停まる。
2020年のダイヤ改正で越後湯沢行き「スノーラビット」にも3830M列車と同じ停車駅が追加され、最速達列車は直江津行きの1本のみとなった。
北陸新幹線の上越妙高駅乗り換えよりも早く、料金が1000円以上安いことが特徴。
登場の背景
北越急行はかつて、第三セクターでは珍しく黒字路線であった。これは特急はくたかの運賃が収入の9割を占めていたためで、北陸新幹線が開通すると赤字は必至。そこで少しでも乗客を引き留めるため、はくたか並みのスピードの快速列車を設定することで、北陸新幹線に対抗しようとした。
一方、東北で似たような経緯を経て生まれた会社もドル箱列車廃止後の収入減を補うべく、駅ナカで焼き鳥店を始めた・・・。
特急なんて目じゃない
最高速度は110km/hと低めだが、評定速度は88km/h。ほくほく線内の平均速度は99km/hと、とにかく速い。
特別料金不要の列車では、この列車が日本一の評定速度を誇っている。
終焉
2022年3月のダイヤ改正で、越後湯沢~直江津間の下り1日1本に減便。
そして2023年3月のダイヤ改正でついに廃止されることが決まった。
また快速の運転も取り止めとなり、全列車各駅停車となる。
路線内の最高速度も110kmから95kmに引き下げられ、日本一の評定速度の座を他の路線へ明け渡すことになる。
超低速 スノータートル
2015年から運行されている臨時列車。
普通列車でも50分程度で走破する犀潟~六日町間を約4時間かけて走る、超快速スノーラビットとは対極に位置する列車である。
あまりの遅さに「早歩きの人に抜かれた」というツイートもあるほか、「おじいちゃんのこぐ自転車に余裕で抜かれた」「通過駅のホームの端に居た撮り鉄が、列車入線と同時にホームの反対側の端に移動してもまだ列車がホームから出きっていなかった」など、驚きの遅さを感じさせる声が乗客から報告されている。
この列車、もともとは社内で言われていた「ウサギといえばカメだよね~」という冗談を聞いた社長が「それいいな!」と乗り気になってこの列車が実現してしまったという。
もちろん、この列車はただ単に遅いだけではなく、その遅さを生かして道中では様々なイベントが行われている。
- 難工事だったことで知られる「鍋立山トンネル」を10km/h以下で走り、さらに車内の電気を消して、トンネルの断面の違いを見せる(工事区間と工法の違いでいろいろな形がある)
- トンネル内にある信号場でドアを開けて列車がすれ違う時の風を体感する
当初は「こんな遅い列車にわざわざ乗りたい人がいるのだろうか?」という不安があったというが、いざ蓋を開けてみれば発売開始からたった30分で売り切れたそうである。
現在は北越急行が旅行業登録を行ったことで、「団体列車」として運転している。