概要
陸上自衛隊の普通科などの隊員の防御力と移動力を向上させるのが目的の装甲車両である。メーカーは重機の大手として有名な小松製作所。
海外ではモグルイーグルやVBL、LMVなどが立場的に近い。
制式化されている96式装輪装甲車に比べ、部隊使用承認の形で採用されているため、短期間でモデルチェンジする民生品などを多用してコストカットを行うことが簡単で、1両あたり約3,000万円と言う単価で調達ができている。(96WAPCは1両あたり1億円強)。安価で大量調達が可能なので、それによる量産効果により年々調達価格が下落傾向にある。
(平成13年度価格:3500万円、平成17年度調達価格:3,100万円、平成22年度調達価格:3,000万円)
また、陸上自衛隊だけでなく、航空自衛隊の基地警備隊向けに車体色をODグリーン1色とした車両が納入されている。
「制式化」されていない装備品の為(10式戦車のように制式化されている装備品は「〇〇式~」と言う名称になる)、かなりお安く調達できるようになっており(理由は先述)、既にかなりの数が調達されているため、災害派遣などで運用されるほか、演習場や駐屯地近隣でも輸送トラックに混じり稀に目撃されることがある。
ただ73式小型トラック(パジェロ)や高機動車に比べ視界が悪く積載量が少なく乗り心地も悪いため、公道で積極的に運用されることは少ない。また、ODグリーンの輸送トラックよりも迷彩色+角ばった装甲車両然とした外見なので配備先部隊の隊員曰く「コンビニに寄り辛い。」そうな。当然ながら燃費もかなり悪い。
武装
固有武装は搭載していないが、一部の車両には防盾と全周旋回可能なターレットリングが据え付けられており、この防盾に5.56㎜機関銃MINIMIや89式小銃を据え付けての射撃が可能。また、部隊によっては84㎜無反動砲や01式軽対戦車誘導弾等をここから発射したり、第1空挺団などのようにブローニングM2重機関銃を強引に搭載(車体上部に直接載せている)している様子が、駐屯地祭の訓練展示などで確認できる。
また、リモートウェポンステーション(遠隔操作で射撃ができる砲塔)の研究が本車両で行われており、将来的に搭載される可能性もあり得る。
装備
調達時期により微妙に差異があるが、以下のような装備の車両が確認されている。
- 無線機を搭載した指揮官用車両
- 発煙弾発射器を搭載した偵察部隊用
- 上面ハッチ全周を覆う装甲板やワイヤーカッター、増加装甲板などを追加した海外派遣車両
などである。