連慄砲固定式
れんりつほうこていしき
この記事を読んでいるデュエリストの皆さんに問題です。
レベル・ランクの合計が、お互いの手札・フィールドのカードの数と同じになるように、自分のEXデッキから同じランクのXモンスター2体と融合モンスター1体を除外し、さらにリンクモンスター以外の相手モンスター1体を選びます。
この時、レベル・ランクの合計が選んだ相手モンスターのレベル・ランクと同じになるようXモンスター1体と融合モンスター1体を選択してください。
あなたはこの問題が解けますか?
(1):レベル・ランクの合計が、お互いの手札・フィールドのカードの数と同じになるように、
自分のEXデッキからXモンスター2体(同じランク)と融合モンスター1体を除外する。
その後、以下の効果を適用できる。
●相手フィールドの表側表示モンスター1体を選び、
レベル・ランクの合計がそのモンスターのレベル・ランクと同じになるように、
自分の除外状態の、Xモンスター1体と融合モンスター1体をEXデッキに戻す。
その後、相手フィールドのカードを全て除外する。
『LEGACY OF DESTRUCTION』で登場した通常罠カード。
テキストだけ読むと何が何だかわからないが、『互いのフィールド・手札の合計枚数、相手モンスター1体のレベル・ランク、自分の除外状態のモンスター2体のレベル・ランクを参照し、それらが"ある条件"を満たしていれば相手フィールドのカードをすべて除外できる』という効果を持っている。
効果を発動するための"ある条件"とはズバリ、連立方程式。
中学校で習う数学の方程式であり、なんとなく覚えているデュエリストやこれから習うことになるデュエリストも多いのではないだろうか。
実際の挙動としてはまず初めに互いのフィールド・手札のカード枚数を確認する。
それから発動コストとして同ランクエクシーズモンスター2体と融合モンスター1体を除外し、その後相手フィールドのモンスター1体を選択。
その相手モンスターとレベル・ランクが同じになるように自分の除外状態のエクシーズモンスター1体と融合モンスター1体をデッキに戻して相手の盤面を全除外する、という処理を行う。
要するにエクシーズモンスターのランクをX、融合モンスターのレベルをY、互いの場・手札の合計枚数をa、相手モンスター1体のレベル・ランクの数をbとして連立方程式『2X+Y=a、X+Y=b』を成立させればよい、ということなのだが、状況次第で幾らでも変動する手札・フィールドのカード枚数を参照し、相手のモンスターを参照するので幅広く対応するにはEXデッキの空きが広い方が良い…など数々の課題が立ち塞がるので条件を満たすのは容易ではない。
有効に使用するならある程度お互いのフィールドと手札の枚数および相手モンスター1体のレベル・ランクにヤマを張り、エクシーズモンスターは低めのランク帯を2パターン程用意してそれを融合モンスターで調整していくといったやり方が無難。
なお、前半の「2X+Y=a」を満たしていれば後半の「X+Y=b」を満たしていなくとも効果の発動自体は可能であり、参照する相手モンスターは効果処理時に決定する。このため敢えて発動することで「相手にカード枚数を計算させて持ち時間を削る」、「計算を面倒臭がった相手に無効効果を打たせる」などの(姑息な)使い方も可能。
更に後半の「X+Y=b」を満たす際に除外状態から回収するモンスターはコストとして除外したモンスターでなくても良い。
なのでカンニングペーパーの如くあらかじめ除外したX・融合モンスターを使って調整する…なんてことも可能。
このように非常に複雑な調整と発動タイミングの見極めが求められるがその分使い手の力量が試されるカードであるとも言え、使いこなせるようになったら貴方は立派な理系デュエリスト。その溢れる知性があればどんな相手でも圧倒できる…かもしれない。
- 本カードの情報が発表された2024年1月14日は大学入試の共通テストの2日目であり、当日は数学のテストが行われた。効果が連立方程式がモチーフであることを加味すると決して偶然ではないだろう。
- 当たり前だが現実のテストでは問題を無効化することは出来ず、カンニングペーパーも禁止である。特にカンニングは立派な不正行為であり、発覚した場合は全教科0点および一発退場となる。良い子のデュエリスト諸君はテストを受ける際は無理のない範囲で予習・復習を行い、心身ともに万全の状態で問題を解こう!
- カードイラストでは砲台から放たれる青いビームが交差して赤く光っている。恐らくエクシーズモンスターを変数X、融合モンスターを変数Yに見立てて連立方程式のグラフを表したものと思われ、よく見れば青い光がアルファベットのY(Yugo)、赤い光がアルファベットのX(Xyz)を模しているようにも見える。