概要
熊本県八代市の松井文庫が所蔵する妖怪絵巻『百鬼夜行絵巻』に記載される妖怪。
古くは室町時代の妖怪絵巻にも描かれており、国立歴史民俗博物館所蔵の『化物絵巻』や国際日本文化研究センター所蔵の『化物尽絵巻』では大地打という名前で記載されている。
金槌を振り上げた鳥の様な顔をした妖怪だが、どのような妖怪なのかは解説文が一切ない為不明となっているが、一説には臆病者に取り付く用心棒的な存在ではないかとしている文献もある。
また、大御所の解釈では鬼たちが人々に病気をもたらす道具の1つとして金槌を用いていた事から、この妖怪も金槌で人間を打って病気にしてしまう鬼神の一種ではないかとされている。
そのほか、色彩やその姿から、(とてもそうは見えないような気もするが)黒兎、あるいは黒蟻の妖怪として紹介している文献もある。
また、妖怪評論家の荒俣宏氏監修の妖怪フィギュア『陰陽妖怪絵巻』に付属しているカード『陰陽妖怪絵札』では名前を大蟻として紹介しており、それによれば、かつて蟻たちが蟻塚を作る事から、古墳を作る古代の人々から信仰対象とされていたが、その風習が衰退すると共に信仰も忘れ去られて行き、その結果その事を恨んだ蟻たちが化けてこの妖怪となり、手にした槌で無差別に人間たちを叩き殺し、同様の大蟻の妖怪に生まれ変わらせてしまう恐ろしい妖怪と化してしまったとされている。
関連タグ
オオアリ(魔化魍)→元ネタ?