概要
京都府京都市山科区にある西野山古墓から出土した大刀(直刀)。被葬者は位置、年代、内容のすべてにおいて一致する平安時代の征夷大将軍としても高名な大納言・坂上田村麻呂説が裏付けられている。
現存長71.5cm、反り0.5cm。鉄製。出土品のため発掘された時点で傷みが激しく、腐食が進み、刀身は錆び、鞘もなかったが、金細工の優雅な装飾品は埋葬当時のまま綺麗に残されていた。同古墓から出土した金銀平脱双鳳文鏡とともに正倉院御物と遜色ない一級品である。平安時代初期の作と考えられるが、わずかな反りが確認され、平安時代中期に日本刀が確立する直前期の作として大変貴重な刀剣。
山科西野山古墳出土品として一括して国宝に指定。現在は京都大学総合博物館に所蔵され、平成18年(2006年)に保存処理された。京大の至宝。