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黒漆剣

くろうるしのつるぎ

征夷大将軍坂上田村麻呂の儀仗用の大刀と伝わる直刀

黒漆剣は、坂上田村麻呂鞍馬寺に奉納したと伝えられる儀仗用大刀直刀)。
黒漆大刀とも呼ばれ、弯刀を指す「刀」ではなく直刀を指す「刀」が用いられる。

黒漆剣=ソハヤの剣であるとの間違いが広まっているが、黒漆剣がソハヤの剣であるとする資料はなく、騒速(そはや)と混同されて広まった俗説である。黒漆剣はソハヤの剣ではない
また、黒漆剣=坂上宝剣であるとの間違いも広まっているが、黒漆剣の刀身に坂上宝剣を示す金象嵌の銘文が無いことから、こちらも坂上宝剣と混同されて広まった俗説となる。黒漆剣は坂上宝剣ではない
標剣も加えて混同される傾向にもあるが「黒漆剣≠騒速≠坂上宝剣≠標剣」である。

概要

無銘。刀身は切刃造の大刀で、地鉄もよく練れ大板目流れ、刃紋は直刃で小乱れ交じり小沸きつく。先はわずかに内反りをしている。
刃長76.6cm、元幅2.6cm、先幅1.8cm。

拵は「黒漆大刀拵」。柄は麻布で包まれた上から黒漆を施し、鞘は薄い革で包んだ上から同様に黒漆を施している。
金具はハバキは小型の鉄製で海鼠形に大きく透かしてある。その他の金具は金銅製で、鞘尻より10cmほどは筒金物で鞘を保護していることに特徴を持つ。
奈良時代正倉院の宝物に見られる様式を継いでいるが、平安時代初期の技法と意匠も認められる貴重な拵である。

明治44年(1911年)4月17日に旧国宝に指定され、現在は「黒漆剣/〈(寺伝坂上田村麻呂佩剣)〉」として重要文化財に指定されている。
なお徳川家康の命日に久能山東照宮の妙純傳持ソハヤノツルキウツスナリと旧国宝に指定されている事からソハヤノツルキの本歌の可能性があるとの俗説もみられるが、同日に指定されただけでソハヤノツルキの本歌の可能性もちょびっとあるとするのは史料に基づかない出鱈目な論理である。同日付けで熱田神宮の刀剣だけでも「短刀 銘来国俊」「太刀 銘則国」「太刀 銘宗吉作」「太刀 銘備州長船兼光」「脇差 銘長谷部国信」と5口が旧国宝に指定され、他にも「短刀 表ニ三島大明神他人不与之 裏ニ貞治三年藤原友行ノ銘アリ」や「吉備津神社南随神門」「浅草寺本堂並びに五重塔」なども旧国宝に指定されているように偶然にも家康の命日や、ソハヤノツルキと同日付けで旧国宝に指定された中の1口でしかなく、旧国宝指定に際して黒漆剣がソハヤノツルキの本歌であるとの意図は一切ない。黒漆剣がソハヤノツルキの本歌の可能性は万にひとつもない

黒漆剣については鞍馬寺の由緒を綴った『鞍馬蓋寺漢文縁起』にも記されておらず、口承でのみ「坂上田村麻呂が鞍馬寺に戦勝祈願に訪れ、無事に凱旋したため奉納した大刀」と伝わる。

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刀剣

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