曖昧さ回避
- 江戸川乱歩による中編推理小説、およびその映像化作品のタイトル。本記事で解説。
- 冨樫義博の漫画『HUNTER×HUNTER』に登場する組織名。本記事では主について述べる。
- 1.の作品から着想を得た人間椅子の楽曲。
江戸川乱歩の小説
1928年(昭和3年)に、博文館の雑誌『新青年』の8月増刊号・9月号・10月号で連載された。
タイトルの『陰獣』は、乱歩によれば「(猫のような)おとなしくて陰気だけれど、どこやらに秘密的な怖さ不気味さを持っているけだもの」という意味であるとのこと。
「淫獣」と間違われる(※誤記だけでなく意味の間違いも含めて)ことも多かったようで、乱歩は大変不満に思っていたことを言及している。
二人の探偵小説家が登場するが、語り手である「寒川」は甲賀三郎、寒川が追うもう一人の小説家「大江春泥」は乱歩自身がモデルとなっている。
2022年までに二度の映画化・四度のテレビドラマ化が行われている。なお、原作に明智小五郎は登場しないが、乱歩作品のドラマシリーズという都合上明智が登場する作品がある。
古賀新一、バロン吉元、山口譲治の手によってそれぞれ漫画化もされている。
あらすじ
探偵小説家の寒川は、ある日上野の帝室博物館(現在の東京都立博物館)にて自分の小説の愛読者だという人妻・小山田静子と知り合う。静子はかつて自身が捨てた男、大江春泥から脅迫されていると語り、寒川に助けを求めるのであった。
静子への微かな下心や、新進気鋭の小説家として文壇を騒がす存在となっている大江への興味もあり調査に乗り出す寒川であったが、彼の周りでは次々に事件が起きるようになり…
HUNTER×HUNTERの組織名
世界中のマフィアを束ねる十老頭の実行部隊。動物の名前がコードネームになっている。
それぞれの長が組織最強の武闘派を選出して結成しており、全員が何らかの念能力者である。
ヨークシンシティの地下競売を守るために暗躍していたが、競売品を全て奪おうとする幻影旅団との抗争の末に全滅する。
マフィアンコミュニティー最強の集団だけあって、非常にダークでアクの強い印象のメンバーが多い。
割とあっけなく死んでしまったが、作品が進み標準的な念能力者のスペックが明らかになると、作中最高峰の強化系であるウボォーギンの攻撃に耐え、彼にダメージも与えていることからただの噛ませ犬にするには惜しすぎる実力者だった事が判明し再評価されている。
ぶっちゃけた話、その実力は当時のゴン達より遥かに上であり、結果的には幻影旅団に正面からの戦いを挑んであっさり全滅したものの、戦い方次第では団員を仕留める事も出来たと思われる。
メンバー
5人までは名前と能力が明らかになっているが、残り5人については詳しい描写がないまま死亡しているため、詳細は不明である。
梟(ふくろう)
具現化系能力『不思議で便利な大風呂敷 (ファンファンクロス)』の使い手のギョロ目の男性。
この能力により、目的の物を袋に包み手の平サイズまで圧縮可能。
5人と合流後に能力で旅団の乗った車を捕まえようとするが、たまたま後部座席中央に載っていたノブナガ以外の4人には脱出され、6人がかりで襲いかかったにもかかわらず返り討ちにされてしまった(陰獣のお陰でノストラードファミリーは逃げ切った)。
後に能力は団長に奪われ、ヨークシンのオークション品を盗んだり、ゾルディック家との対決に使われた。
フェイタンに拷問された後の梟の生死は不明のままであり、そのまま殺されたのか、団長とパクノダのコンボで記憶を消されて釈放されたのかも不明のままである。
カキン帝国の王位継承編でボノレノフが諜報活動及び待機する為に彼に変身している(ヒソカ同様ボノレノフより大きい男なので接触時間分変身した姿で活動できる)。
カキン三大マフィア辺りは彼が陰獣である事を知っていてもおかしくはない。
蚯蚓(みみず)
体毛の無い、パンツ一丁の不気味な大男。地面を自在に動き、更に相手を地中に引きずり込める。
以下の3人組と一緒にウボォーギンと戦ったがウボォーに顔面パンチした際、手の方が砕けてしまったが、ウボォーのパンチを食らっても意識を失わず地中に引きずり込む。しかし、ビッグバンインパクトで潜んでいた大地ごと吹き飛ばされトドメを刺された。……と思いきや虫の息で辛うじて生存しており、残りの陰獣メンバー全員に救援を要請し力尽きた(パンツの中に携帯電話を隠し持っていた模様)。
ウボォーが強化系でも最頂点に近い事が判明した事でその一撃を普通のパンチのみならず土の緩衝があったとは言え超破壊拳(ビッグバンインパクト)にすら耐えた(すぐ力尽きたが)頑丈さが相当に再評価されている。
病犬(やまいぬ)
ボサボサ髪の痩せぎすの青年。牙と爪を強化し、更に麻痺毒を仕込んでいる。
間近でビッグバンインパクトを見ても怯まずウボォーと戦い、豪猪がウボォーの攻撃を防いでいる隙に素早く牙攻撃で肩や脚の肉を裂いて出血させ、体勢を崩すなどウボォーを翻弄した。
さらに牙の毒によってウボォーの首から下の動きを封じるなど極めて有利に立ち回るが、不用意に近付いた蛭から噛みちぎった頭蓋骨を弾丸として発射され、とっさに手でガードしたものの頭部を撃ち抜かれて死亡した。
毒が致死性のものであれば勝負は決まっていたとマチにも評されており、やり方次第ではウボォーギンを撃破し得たと思われる。
豪猪(やまあらし)
小柄な人物。自身の体毛を自在に操り強靭な針のようにしたり柔らかくしたり出来る。
ウボォーの爆音攻撃で鼓膜を通じて頭の中を破壊され死亡した。
病犬と彼はウボォーの纏を抜いて攻撃を入れている為攻撃力が相当に再評価されている。
蛭(ひる)
操作系能力者
でっぷりと太った男。体内に飼っている無数の蛭を、舌の先から相手に植えつける。
病犬の毒と合わせてウボォーの動きを封じたはいいものの、勝利を確信して至近距離で講釈を垂れ始めてしまったのがアダとなり、ウボォーの強靭な顎で頭を半分噛みちぎられ殺されてしまう。
植え付けた蛭は非常に強力なもので、ウボォーもシャルナークの知識と適切な対処法が無ければ命は無かった。
彼の迂闊な行動でウボォーに反撃の機会を与え陰獣が旅団員を一人も倒せずに咬ませ犬のまま全滅に追いやったと考えると「陰獣全滅の戦犯」とも言える。