「マスター、貴方は私のもの。」
「私は私を補って、至高の少女になるのです。」
※この記事は存在自体がネタバレとなるキャラクターを扱っているため、原作未読者は閲覧注意でお願いします。
概要
名前 | 雪華綺晶 |
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マスター | オディール・フォッセー→桜田ジュン(大学生) |
人工精霊 | なし |
イメージカラー | 白 |
好きな物 | 愛情、桜田ジュン(大学生) |
嫌いな物 | 孤独 |
CV | 千葉千恵巳 |
ローゼンメイデンシリーズの第7ドール。実体の無い精神だけの存在として作られた、作中でも特に謎の多い存在。右目の白薔薇は眼帯ではなく、眼窩から直接生えている。物語本編の実質のラスボスであり、最後にして最強のドールとしてドールズの前に立ちはだかる。
『物質世界に存在を縛られる事自体がアリスへの枷になってしまう不要の形骸なのか エーテルから解放されたアストラル イデアのイリアステル その輝きこそがアリスなのか』と第六ドールを創り終えたローゼンが考えた結果生み出されたと雪華綺晶自身により語られている。
また、彼女が登場してからはアリスゲームが激化しているが、これは彼女の存在自体がゲームの停滞を防ぐための役割も持っている為と考えられる(単に漫画の物語の展開の都合と言われてしまえばそれまでだが)。
性格は極めて狡猾で用心深く抜け目が無い、金糸雀の様な自称ではなくガチで策士であり、『ドリンク・ミー(私を飲んで)』と書かれたビンに体が歪に肥大化する薬品を入れ、罠として仕掛けるなど常軌を逸しているとしか言えない猟奇的な行動を取っている。
一人称は『私』で、口調は丁寧だがその行動は狂気を孕んでおり、人格、思考ともに破綻しているうえにストーカーかつヤンデレ気質であるためかなりの危険人物(ドール)である。
水銀燈は自他共に「ジャンク」と言うことが多いが、これは『サイコパス』に近い意味合いで使っているため、その水銀燈が「本当の意味で壊れている」というのはよほどの異常さと言える。
彼女が狂気に囚われている理由は物語の終盤にて明かされており、ほかの姉妹たちがラプラスの魔に導かれ既に旅立った後に誕生した為、一人だけ取り残された彼女は、精神体の存在であるが故に帰るべき場所も手を差し伸べてくれる人物も誰1人としていなかったため、ほかの姉妹たちへの強い憧れや嫉妬、そして深い孤独感に心が支配されてしまったことが要因となっている。
なぜか官能的な仕草が多い(雛苺に接吻攻撃をする、大学生の桜田ジュンの指を唾液で満たしたり、契約の指輪を舌に乗せて無理やりジュンにキスさせようとする等)。また、上述した理由から、他の姉妹たちが持ち合わせているものを全て手に入れたいという欲しがり屋さんな一面も持っている。
第7ドール、つまり末っ子にあたるため、他の姉妹たちを「お姉様(方)」と呼び(例として真紅を「紅薔薇(べにばら)のお姉様」、水銀燈を「黒薔薇のお姉様」と呼ぶ)、長女に当たる水銀燈からは「我が末妹」とも呼ばれているが、水銀燈に姉妹としての情を持たれるはずもなく、それどころか「ジャンクにもなれない哀れな幻影」と言われる等、他の姉妹以上に蔑まれている。
ローゼンメイデンの中でも桁違いに強大であり、一時はドールと契約者のほとんどを壊滅状態に追い込んだ。契約者及び元契約者の精神を苗床にして活動するという力を持っており、幻覚を操る他、精神攻撃を得意としている。ただし、現実世界に干渉するには、他の姉妹の肉体を乗っ取る(憑依)必要がある。実体化した際には水銀燈と同じく未契約の人間からエネルギー供給を行う能力も併せ持つ。
それゆえ肉体を持つことを渇望している一方で、上記の能力からローゼンメイデンの本質であるローザミスティカに対しては「必要ない」と興味を示しておらず、ローゼンメイデンの存在意義からすると異常といえる思想を持つ(この点でも水銀燈に蔑まれ、真紅にもドン引きされている)。
マスターはオディール・フォッセーなのだが、正式に契約を交わしたマスターではなく、他のマスターと共に苗床として眠らされている。雪華綺晶にとってはただの操り人形であり、媒介(エネルギー供給源)の一人に過ぎず、後述の通り『まかなかった世界』の桜田ジュンをマスターとして強く意識している。
作中での活躍
バーズコミックス版・終盤に突如登場し物語を急変させたが、その後の連載終了によって物語の行方はヤングジャンプ版に引き継がれることとなる。
そして、ヤングジャンプ版では『まかなかった世界』の桜田ジュンに間接的に接触し、自身の肉体となるドールを製作するよう仕向けさせた。
『まかなかった世界』のジュンに対し強い執着心があるかのような描写がある (神業級の職人(マエストロ)であることに加え、真紅と契約しなかった時間軸のため、未だに自身と同じような境遇=居場所が無くて世界から取り残された孤独感に苛まれているからと考えられる)。また彼女自身が生み出したと思しき手下のドールたちが巻かなかったジュンをマスターと呼び慕い、さらには彼の指示を聞き入れる場面もある。しかし、そのジュンに「お前はいらない」と拒絶され、失意のまま一度は姿を消した。
水銀燈を「黒い天使」と呼ぶ柿崎めぐには「白い悪魔」と呼ばれている。拉致した後にめぐにその精神性を看破され、取引という形で自ら差し出されためぐの体を器にしたためため、水銀燈からはそれまで以上に強く敵視されている。
本来病気で動けないめぐに生命力を与え、『まいたジュン』に接触させ精神攻撃を仕掛けたり、自分が満たされる世界を造る為に鳥海皆人をかりそめの『お父様』として造りあげ、ジュンに成り代わらせようとしていたが、ジュンに看破されてしまい失敗に終わる。
神業級の職人(マエストロ)として覚醒したジュンと真紅コンビに追い詰められ、最終的には敗北する。
絶望のあまり全てを諦め投げだそうとしたところをその孤独を理解した真紅に慈悲として全てのローザミスティカを託そうとされるも、今度は雪華綺晶自身のアストラル体の限界が来てしまい結局アリスには到達できなかった。
が、代わりにアリスに到達した真紅の願いと、雪華綺晶の心の闇を見たまかなかった世界のジュンの必死の呼びかけによって帰還、念願の有機の体を与えられる。
その後は、新たなローゼンと化したジュンとドールズの仲間に迎え入れられたことで、雪華綺晶を巡る物語は完結した。
なお、有機の体を得て以降は前述した狂気や心の闇からも解放されたせいか、幸せそうな笑みを浮かべたり、ジュンやドールズ達に甘える末っ子らしい部分も多く見せている。
アニメでの活躍
原作と世界観の異なる旧アニメ第二期でも、一応最終回にCVなしで少しだけ登場、蒼星石と雛苺の物と思われる2つのローザミスティカを持ってきたラプラスの魔と会っていた。
原作準拠の2013年版の新アニメでは、原作の展開として物語が語られ、ついに彼女が登場することになった。
今までのローゼンメイデンの中で唯一声が当てられていなかったので、登場を待ち望んでいたファンも多いだろう。
しかしそのアニメ初登場のシーンでは、雛苺を捕食(右目の薔薇で包み込んで吸収)するという事をやってのけ、彼女が行った行為に衝撃を覚えた視聴者も多いだろう。