概要及び経歴
不幸な婦人警官(『逆転裁判2』第1話『失われた逆転』)
『逆転裁判2』第1話『失われた逆転』に登場。年齢22歳。身長160cm。3サイズ・B80・W60・H86。マコを筆頭に『逆転裁判2』に登場した、若い女性キャラ達のみ3サイズが設定されている。残念ながら『逆転』シリーズでは『逆転裁判2』以外の作品での「若い女性キャラ達の3サイズ」は設定されていない。
眼鏡を掛けた、茶髪のボブカットの婦人警官。所属は『交通課』。おっちょこちょいだが、正義感が強く心優しい女性で、警察官の志望動機も「私は今まで負けっぱなしの人生を送って来たから、弱者を守る警察官に憧れたから」という立派なものである。この発言は『2』の攻略本のインタビューにて口にした。困っている人は放っておけない性分で、しょっちゅう『赤い羽募金』にも参加したり、団体から評価される行動に及んでいる。帽子と制服の両胸のポケットに飾られた、赤い羽5枚は慈善活動に従事した時、授与された物。前述のインタビューでは「募金や献血を募る人々を無視するなんて出来ない」とまで断言している。仕事とは無関係の場面でも、よく敬礼ポーズを取るのが癖。
作中では主に制服だが、回想シーンで見られる私服姿では「『警察庁』のマスコット・タイホくんの顔が中央に描かれたパーカー」を着ている。仕事熱心な彼女の事、単純にタイホくんが好きなだけではなく、彼の描かれた洋服を着る事で『警察庁』の宣伝にも一役買おうとしているのかもしれない。
先輩に当たる警察官・町尾守を殺害した容疑で逮捕され、成歩堂龍一が弁護人を請け負った。「法廷マニア」と自称する程、成歩堂のファンで、彼の担当裁判をよく傍聴している。この為に法廷関連の知識が豊富で、真犯人の妨害工作によって記憶喪失に陥ってしまい、自分が弁護士なのも忘れてしまった成歩堂の助手役を担い、裁判関係の知識を与えてサポートしてくれる。途中で彼の記憶喪失に気付くと、成歩堂に「マコキック」なる技を喰らわせる荒療治で、記憶を呼び戻そうとするが拒否されてしまう。
後半からは、証拠品の確認の為に遅れて『裁判所』にやって来た、成歩堂の本来の助手・綾里真宵と助手役を交代し、裁判の行方を見届けた。最終的に成歩堂は「持ち前の推理力と、依頼者を信じる心」を発揮して、真犯人を追い詰める内に記憶を取り戻して行った。この時の彼の記憶喪失は重篤なもので、事件関係者はおろか、身内が誰なのかすらも忘却していた。ほぼ全ての記憶が元に戻った閉廷後も、何故か真宵の事も思い出せない体たらくであった。そんな成歩堂も、本来のパートナーである真宵の「真宵ちゃんキック」なる、渾身の一撃を喰らって、ようやく記憶喪失が完治する運びとなった。
かつては糸鋸圭介の部下で、先輩後輩の関係にもある。彼を「刑事魂を教えてくれた恩人」として強く慕っている。糸鋸の口癖である語尾の「~ッス」はマコにも伝染している上、口調全体が彼と似通っている為、女性の割に口調が男っぽい。『TEPPEN』等のメディアミックスでも一人称も糸鋸と同じく「自分」を用いている。当時から糸鋸に惚れられており、彼女の方も満更でもない模様。最終的に無実であった事が立証されたが、事件の内容が影響して警察を解雇されてしまい『2』のエンディングの時点で「ウェイトレスに転職した」と語っていた。転職後も糸鋸への敬意から、一貫して彼を「先輩」と呼んでいる。
笑顔と幸せを運ぶウェイトレス(『逆転裁判3』第3話『逆転のレシピ』)
(画像左)
『逆転裁判3』第3話『逆転のレシピ』に再登場。年齢23歳。今回ではマコのウェイトレス姿と、勤務先のフランス料理店『吐麗美庵』が見られる。ウェイトレスの制服はキャラデザイナーが『アンナ・ミラーズ』を参考にデザインし、作中では店長の本土坊薫がデザインした設定。本人曰く「愛くるしいスマイルと、悩ましいボディラインのおかげで採用された」らしく、冒頭の3サイズからも解る通り、実際スタイルは良い方。職業柄、邪魔になるので赤い羽は身に着けていない。現在も時々、敬礼する癖が残っている。またも真犯人の陰謀によって、濡れ衣を着せられてしまい、成歩堂が担当弁護士となった。マコの現状が腹に据えかねた糸鋸に発破を掛けられた、成歩堂が彼女の面会に向かった事で、マコから正式に依頼される事となった。
『3』の攻略本ではスタッフが「再登場させた理由は不幸キャラなんだから、もう1回位、被告人をさせても良いだろうと考えたから」と語っている。同じ『2』で初登場して『3』で再登場した女性キャラでも華宮霧緒の方は「『2』の最終話にして第4話『さらば、逆転』でのキーパーソンを担っただけに、ファンの方々に高い人気があったから」なのに対して理由の落差が凄い。とは言え、きちんと救済措置は用意してある上、第3話はより一層マコの魅力を引き立てるストーリーなので、制作されて正解だったと言える。
今回は前回にも増して、酷い目に遭っており、気の毒にも程がある惨状にいる。身近な人物に裏切られて人身御供とされたり、真犯人と共犯者による犯行で、面識の無い相手の殺害容疑で逮捕されたり、仕舞いには成歩堂の偽物に騙されて、有罪判決が下る様に誘導された末に、約1ヶ月も留置所で勾留生活を送る羽目になった。おまけに本物の成歩堂が糸鋸の持って来た週刊誌の内容から事態に気付いて、助けに来たのは事件が起きてから約1ヶ月後の事であった。
不幸はこれだけで終わらず、糸鋸の職業上、仕方のない事だが「マコの力になる」と誓いながら「更に自身を追い詰める、証拠や証言ばかり出して来た事」が原因で、彼に裏切られたと感じて、拒絶する様になってしまった。しかし糸鋸が不器用ながらも、マコの無罪を信じて証拠を集めていた事、彼が裁判中に届けた証拠品が決め手となって、無罪判決を勝ち取ると、ようやく仲直りをする。エンディングでは、諸事情により店長の本土坊が休業中の為、レストランを1人で切り盛りしており、成歩堂と仲間達による「最後の事件の解決を祝福してのパーティー会場」に提供した。その後、今までのお礼として「新品の薄茶色のコート」を糸鋸にプレゼントして喜ばれていた。
自他共に認める、常軌を逸した不幸体質の持ち主。生後6ヶ月の時にマンションの9階から落ちたのを皮切りに、一通りの乗り物には轢かれ、一通りの食べ物には当たり、大体の試験に落第し、殆んどの災害を経験し、ジャンケンに勝った事はおろか、相子にすらなった事が無いという徹底ぶり。
職歴にも不幸体質が如実に表れており、まだ23歳なのに解雇と転職を3回も繰り返していて、登場する度に職業が変わっている。理不尽にもマコ自身は何の問題行動も起こしていないのに、被告人となってしまったばかりに、無罪が証明されてからも、周囲から悪印象を抱かれてしまい、解雇されるのが主流の展開となっている。『1』での初登場から生来のトラブルメーカー気質が災いして、職場でも頻繁に問題を起こし、長らくフリーターだった矢張政志ですら『3』で定職に就けたというのに、マコの方は依然として職が定まらずにいる。彼女と矢張の職歴設定は「登場する度、職業が変わる人物を主軸に据える事で、話を盛り上げよう」というスタッフの意向による所も大きいのかもしれない。
「それでも現在に至るまで、生きているという意味では幸運」と言えなくもない。現にマコが被告人となった2つの事件の被害者・『2』の町尾守と『3』の岡高夫は、関連書籍にて「殺されてしまった点からして、マコ以上に不幸とも言える人物」と評されている。
真宵に次いで、登場すると必ず、殺害事件の容疑者とされる悲運の人物。彼女と違って、基本的に不幸が降りかかるのは自分だけで、大切な人までもが巻き込まれる訳ではないのが大きな相違点である。真宵が見舞われた不幸の内、自分が殺されかけたり、家族を殺害されたり、親族間で争いが勃発したり、親密な間柄の人に危害が加えられたり等の被害は受けていない分、流石に彼女と比べればマシではある。だが職業が生涯安泰となっている真宵とは異なり、トラブルが起きる度に職を転々としなくてはならないので、その点においては彼女以上に不幸かもしれない。真宵がそうした「悲劇性を伴った不幸」だとするなら、マコは「不運・ツイてない系の不幸」に見舞われ易いと言えよう。
「目に余る不幸体質に因んだ、不名誉な仇名」も周囲の人物に付けられており、小中高は一貫して「不幸の女神」、警察学校時代は「堕天使」と呼称された。
本名の「マコ」に関しては『3』の作中や関連書籍にて、脚本家の巧舟氏が「負けない子」と「真っ向勝負」が由来であると説明している。苗字の「須々木」は珍しいが実在する。
赤い羽の警備員(『逆転検事』第1話『逆転の来訪者』)
『逆転検事』第1話『逆転の来訪者』に再登場。年齢23歳。検事局の警備員に転職している。そして、またしても殺人の容疑を掛けられる。但し『逆転検事』シリーズは従来のサスペンス作品同様「主要人物が事件の最中もしくは直後に現場へと赴き、現地での捜査を経て真犯人を現行犯逮捕するという構造」となっている。その為に今回は誤認逮捕されかけるだけで、それ以上の憂き目は見ずに済んだ。
ここではタイホくんの描かれたシャツ、長袖のジャケット、ジーンズの半ズボンを組み合わせて、着こなしている。相変わらず、慈善活動にも熱心に取り組んでいる様で、両胸のポケットに付いた合計4枚の赤い羽が復活している。公式イラストで手に持った「警備員用の帽子」にも赤い羽が1枚付いている。元警官でもあるだけに、マコにとっては「タイホくんは思い出深い、お気に入りキャラ」なのだろう。
「サブキャラクターの中でも、可愛い外見のおかげで割と人気」なのが、彼女の唯一の幸運かもしれない。
アニメ版
第2期・第1話『失われた逆転』
第1期では『失われた逆転』がカットされたが、第2期で第1話として放送されてマコも初登場する事になった。原作通りの順番でエピソードをアニメ化すると、第1期から第2期までの約1年の間隔によって、視聴者に彼女の存在が忘れ去られてしまい、再登場のインパクトが薄れてしまうので、回避策として上述の順番に変更されたと見られる。アニメ版は「現実世界と作中の年月がほぼ同時期になる仕組み」なので、事件の発生日時も原作が「2017年9月6日」だったのに対し、アニメ版は「2018年9月6日」に差し替えられている。